AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
BOSS / RC-5
魔法の箱、ルーパー。簡単にひとりふた役以上の演奏ができ、ソロ・アーティストにとって強い味方となる。それ以上に、レイヤー・サウンドによる独特のタイム感やハーモニー、そして音像はアンサンブルとも通常の独演とも異なる無二の世界を創り出す。エド・シーランを始め世界中の鬼才たちがその虜となり、もはやループ・ミュージックとも呼ぶべきひとつの音楽スタイルが確立されつつある。今回はシンガーソングライターReNを試奏者に迎え、最新ルーパーを5モデル紹介しよう。
コンパクトながら充実の機能を搭載
高機能・高音質を実現したコンパクトなモデル。視認性が抜群のLCDと、AD/DA変換32bit、内部演算処理32bit floatによるクリアなサウンドを持ち、最大13時間のステレオ・ループが可能だ。7種のドラム・キットとふたつのバリエーションを持つ57のプリセット・リズムを搭載し、フレーズ・メモリーにはリズムなども一緒に99まで保存できる。外部フットスイッチの接続も可能で、MIDI端子(IN/OUT)、USB端子も備え拡張性が高い。持ち運びがラクで9V電池も使えるので、屋外でのパフォーマンスにも最適だ。
コンパクトでありながらかなり進化したモデルという印象ですね。音質がすごく良くて解像度が高いし、ノイズも少ない。ディスプレイが見やすくて、今どこの小節を弾いているのかがひと目でわかります。このサイズでプリセット・リズムが入っているのもスゴいですね。操作もシンプルで、録音、再生、オーバーダブがひとつのスイッチで簡単にできるし、操作をバックライトの色で確認できるのも助かります。このスイッチの踏みやすさ、安心感も好きですね。自宅の練習で使う時には靴を履いていないので、実は大切なところです。
多機能かつ使いやすさを追求したミドルクラス
高品位な音質とミキシング機能、充実したコントロールを持つ2トラック・モデル。本体のスイッチで2つのトラックの録音/再生/停止などの操作が容易に行なえ、トラックを切り替えて曲に展開を持たせたり、ギターと声を分けてコントロールすることができる。多彩なプリセット・リズム、99のフレーズ・メモリー、単3電池による駆動も可能など、特筆すべき点も多い。モノラル/ステレオ対応の入出力とマイク入力端子を備え、ギタリストはもちろん、シンガーソングライターにも新たなパフォーマンスのアイデアを提供してくれる。
これはやはり、2トラック使えるのがポイントですね。パーカッション的なプレイと普通のギター・プレイを分けたり、ベース・ラインとリフを分けたりできますし、ふたつのトラックで音量差をつけられるのでライブでより聴きやすい音を届けることができると思います。それから内蔵されたリズム・パターンもバッチリですよ。リズムに合わせて弾くだけでなく、自分がフリーで弾いて録音した際も、リズム・パターンのほうがテンポを割り当てて合わせてきてくれるところが優秀ですね。マイク入力もあるのでボイス・パーカッションなどにも使えます。
最高峰の機能が凝縮されたフラッグシップ・モデル
BOSSが誇る、フロア型ループ・ステーションのフラッグシップ・モデル。くり返し録音してもどこまでもクリアなサウンド、パフォーマンスに合わせて録音/再生方法をカスタマイズできる6つのトラック、200種を超える内蔵リズム、ボーカル・エフェクトやベース・シミュレーターも含む多彩なエフェクト、コンデンサー・マイクにも対応する2系統のXLR端子を含むフレキシブルな入出力、機能を自由に割り当てられる9つのフットスイッチなど、どこを取っても最高峰と呼ぶにふさわしいモデルとなっている。6つのトラックを駆使して、Aメロ/Bメロ/サビと曲を展開するようにプレイを構築することもできる。また、エフェクトでベース・ラインを再現し、リズム・パターンと合わせれば、ギター1本でバンド・サウンドを作り上げることも可能だ。
Detail
Setting
Rhythm
Effect
6トラックも備えていてこのサイズってスゴいですよね。僕は最大で5トラックしか使わないので、これだけあればどんな曲でも対応できると思います。さらにスイッチの役割を変えられて、自分の好きなようにカスタマイズできるのも嬉しいです。6トラックも使わないという人も、余ったスイッチに内蔵エフェクトを割り当てて使ったり、その人が一番使いやすいように設定できます。入出力が充実しているのもいいですし、操作性も含めてすべてが最高の完成度で、ここまで痒いところに手が届くルーパーはほかにないと思います。
創造性に満ちたテーブルトップ・タイプ
テーブルトップ型ルーパーのワールド・スタンダードRC-505が、RC-505mkⅡへと進化を遂げた。AD/DA変換が32bit、内部演算処理が32bit floatとなり、最高峰の音質を実現。最大録音可能時間はメモリー合計13時間、内蔵リズム・パターンは200種以上、エフェクト数もほぼ倍増。入出力機能の拡張、ミキサー機能の搭載、ループを重ねていった際にマークしたポイントまで一気に戻れるMark Back機能も見逃せない。テーブルトップ型の特性を生かして、DJ感覚のパフォーマンスを展開できる。
一見するとビートボクサーなど楽器を使わない人向けかと思うかもしれませんが、これはぜひギタリストにも試してほしいですね。例えば、足もとに外部フットスイッチを置いて通常の使い方をしつつ、音量のフェーダーやエフェクトの調整つまみを手で直感的に操るとか。DJとギター・プレイヤーの要素を兼ね備えた新しいパフォーマンスができます。5トラックそれぞれにフェーダーとコントロールがあり、操作性が良くてライブ向きなので、自分が目指すパフォーマンス像があり、そのためにこれを選ぶのはアリだ思います。
ルーパー機能も進化したディレイ・モデラーの名機
ディレイ・モデラーの名機DL4の進化形となるDL4 MkIIは、ルーパー機能も備えている。最大240秒=4分の録音時間は、別売りのmicroSDカードを用いることで数時間まで拡張が可能。作成したループをカードに保存することもできる。ルーパーはほかのエフェクトの前段、または後段のどちらにでも配置でき、1スイッチで操作するモードを選択すれば入力信号にセレクターノブで選んだディレイやリバーブが適用される(4スイッチ・モードの場合は内蔵エコーが使用できる)。
これは面白いですよ。ディスプレイがなくても直感的に操作できます。特にリバースやハーフ・スピードを使うとエモい世界を作ることができますね。エレキ・ギターでソロとかを弾いたら気持ち良さそうですし、アコースティック・ギターでも独特の世界観を作れます。マイク入力があるので、声やクラップ音にエフェクトをかけてループさせる使い方も楽しめます。これ1台で何役もできるし、もっと使いこなしたい人は外部スイッチやエクスプレッション・ペダルをつなぐと、さらに面白いことができそうです。
アコースティック・ギター・マガジンでは、未来のルーパー使いを発掘すべく、コンテストを開催します。ルーパーの楽しさに触れ、夢中になるきっかけとなれば幸いです。
グランプリ1名の方には、賞品としてBOSS RC-600を進呈します。ルーパーを使ったアレンジの可能性に挑戦してください!
応募フォームや詳細はこちら。
→アコギマガジンWeb
https://acousticguitarmagazine.jp/looper-contest/
本記事は、『アコースティック・ギター・マガジンVol.95』(1/27発売)の特集記事、“未来の表現スタイルをその手に、アコギ弾きのためのルーパー活用術&製品ガイド”を抜粋したものです。特集では基礎知識の解説に加え、Anly、井草聖二、まるやまたつやの実例インタビュー、竹内アンナが3モデルを用いて操作法を指南するコーナーも。興味のある方はぜひ本誌もチェックしてみてください。
■詳細はこちら
価格:オープン
価格:オープン
価格:オープン
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価格:¥59,400 (税込)
ReN
れん●1994年生まれ、東京都出身。20歳でシンガーソングライターの道を志す。現在までに3枚のアルバムを発表。ループ・システムを駆使しアコースティック・ギター1本で紡ぎ出す独自の音世界が注目を集める。2022年10月、デジタルEP『Early Project』をリリース。その後自身初となるバンド・ツアーを成功させるなど、精力的に活動中。