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BOSS GX-100で作るサウンド・レシピ|第3回:特殊サウンド編

BOSS / GX-100

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BOSSの技術を結集した最新マルチ

 スタイリッシュな見た目と高品位なサウンドで、自宅からライブまで様々な環境で活躍するマルチ・エフェクター、BOSS GX-100。 独自のAIRDテクノロジーによりチューブ・アンプのサウンドと弾き心地を実現しており、さらに接続先の機器に合わせて挙動を変えることで、生々しい楽器の響きが体感できるのが大きな特徴だ。

 23 種類のAIRDプリアンプと150種類以上のエフェクトを搭載。これらの接続順や組み合わせを自由にカスタマイズできるエフェクト・ブロック・システムは、実際のペダルを並べていくような直感的なサウンドメイクを実現。タッチ・パネルとツマミの組み合わせでコントロールが可能という、シンプルな操作感も魅力だ。

レシピ1:デジ・ロック向けリング・モジュレーター

編集画面

 リング・モジュレーターはユニークなエフェクトですが制御が難しく、かけすぎると音程感がなくなり、アンサンブルで浮いてしまいます。今回はノイズや飛び道具としてではなく、楽曲の中でしっかりと“使える”リング・モジュレーター・サウンドを目指してみました。

 まず、初段にX-ODを入れて基本の歪みを作ります。ここで歪んだ状態の音がリング・モジュレーターに入力されるので、暴れた感じのサウンドを作ることができます。リング・モジュレーターはEFFECT LEVELが“45”と、やや抑え気味にした設定のほうが使いやすいサウンドに仕上がります。また、音程感がハッキリ出るようにDIRECT MIXは“26”に。このようなセッティングにすると、低音弦を弾いている時にはノーマルな歪みサウンドになり、3弦〜4弦を弾いた時にリング・モジュレーターが暴れ出すような音になります。

 今回のセッティングの肝は以上の2つのエフェクターで、このあとにかかっている様々なエフェクターは味付け程度のイメージです。PEQやデイレイ、リバーブはうっすらかかるくらいがちょうど良いかと思います。アンプ・タイプは“RECTI”を選びましたが、ここはお好みでコンボ・タイプなどを選択してもよいでしょう。

X OVERDRIVEの設定

RING MODULATORの設定

RECTI STACKの設定

NOISE SUPPRESSORの設定

PARAMETRIC EQUALIZERの設定

FOOT VOLMEの設定

DIVIDERの設定

DELAYの設定

SPACE ECHOの設定

MIXERの設定

REVERBの設定

NOISE SUPPRESSORの設定

レシピ2:1人で弾いても心地良いシマー・リバーブ

編集画面

 シマー・リバーブの浮遊感を全面的に押し出した、1人で弾いていても心地良いサウンドを目指しました。アルペジオを弾いた時に、粒立ちの良い原音はそのまま聴こえ、その背後で教会のパイプ・オルガンがワイドに鳴っていようなイメージです。

 まずは初段にノイズ・サプレッサーを置き、続いてX-COMPとJC-120のアンプ・モデルで基本のクリーン・サウンドを作り、そのあとにシマー・リバーブをかけていきます。シマー・リバーブのセッティングは“PITCH 1”が“+12”で1オクターブ上のサウンド、そして“PITCH 2”は“+24”でさらに1オクターブ上のサウンドが鳴るようにしています。ピッチは5度上など細かく設定することもできますが、今回は定番のオクターブ・セッティングにしてみましょう。EFFECT LEVELは“100”とMAX値になっているので、かなり深くかかっている状態です。

 その後段に入れたステレオ・ディレイやルーム・リバーブは味付け程度に軽くかける状態ですが、ここのリバーブをもっと深く設定して、洞窟で鳴っているような壮大な広がりを演出するのも楽しいかもしれません。慣れてきたらこのあたりを調節して、さらに心地良いサウンドを探究してみましょう!

NOISE SUPPRESSORの設定

X COMPRESSORの設定

JC-120の設定

SPACE ECHOの設定

DIVIDERの設定

SHIMMER REVERBの設定

OVERTONEの設定

DELAY PLUSの設定

REVERB PLUSの設定

レシピ3:往年のサウンドが蘇るゲート・ファズ

編集画面

 “60's FUZZ”と名付けられた、ビンテージ・ファズの中でも特に名機とされるファズ・ペダルを再現したエフェクトをメインに音を作っていきます。このファズはブツブツと音が途切れる特徴があり、そのサウンドがギターのフレーズやプレイに良い影響を与えることで有名です。

 まず初段にFUZZを入れて、内部パラメータのTYPEで60's FUZZを選択します。ゲイン量を調整するFUZZ(パラメーター)は“107”とやや高めのセッティング。そして、DIRECT MIXを“0”にして原音を出さないことが重要です。アンプには“BRIT STACK 4×12”を選択し、アンプ自体もホットな状態になるように全体的にツマミを上げ気味にしてあります。また、アンプのMIC TYPEはDYN57が最も相性が良いかと思います。基本的にはこの2つでサウンドの大半は仕上がっています。

 残りのリバーブなどは軽くかける程度で問題ないでしょう。このエフェクターはブツブツと音が途切れるところがカッコ良く、リフを弾いたり、アグレッシブなソロを弾くプレイにハマりやすいです。フレーズも速いパッセージより、ゆったりとロング・トーンを歌わせるような弾き方のほうがこのエフェクトの味を楽しめるでしょう。

'60S FUZZの設定

BRIT STACKの設定

NOISE SUPPRESSORの設定

REVERBの設定

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製品情報

BOSS / GX-100

価格:オープン

【スペック】
●サンプリング周波数:48kHz●AD変換:24ビット+AF方式 ※AF方式(Adaptive Focus method)=ADコンバーターのSN比を飛躍的に向上させるローランド/ボス独自の方式。●DA変換:24ビット●内部演算:32ビット浮動小数点●エフェクト・タイプ:154種類●最大同時使用エフェクト数:15+3(DIVIDER/MIXER、SEND/RETURN、PHRASE LOOP)※使用状況により異なる。●メモリー:200(ユーザー)+100(プリセット)●フレーズ・ループ:38秒(モノ)、19秒(ステレオ)●チューナー内部検出精度:±0.1cent●規定入力レベル:INPUT=-10dBu、RETURN=-10dBu●最大入力レベル:INPUT=+18dBu、RETURN=+8dBu●入力インピーダンス:INPUT=1MΩ、RETURN=1MΩ●規定出力レベル:OUTPUT L/MONO、R=-10dBu、PHONES=-10dBu、SEND=-10dBu●出力インピーダンス=OUTPUT L/MONO、R=1kΩ、PHONES=44Ω、SEND=1kΩ●推奨負荷インピーダンス=OUTPUT L/MONO、R=10kΩ以上、PHONES=44Ω以上、SEND=10kΩ以上●コントロール:BANK▼スイッチ、BANK▲スイッチ、CTL1スイッチ、CTL2/TUNERスイッチ、1~4スイッチ、POWERスイッチ、EXP1スイッチ、GND LIFTスイッチ、EFFECTSボタン、CTL/EXPボタン、MENUボタン、EXITボタン、WRITEボタン、IN/OUT SETTINGSボタン、PAGEボタン、1~4つまみ、SELECTつまみ、OUTPUT LEVELつまみ、EXP1ペダル●ディスプレイ:カラーグラフィックLCD(480×272ドット)タッチ・スクリーン付●接続端子:INPUT端子、OUTPUT(L/MONO, R)端子、SEND端子、RETURN端子(標準タイプ)、PHONES端子(ステレオ標準タイプ)、CTL3, 4/EXP2端子、AMP CTL1, 2端子(TRS標準タイプ)、MIDI IN端子、MIDI OUT端子、USB COMPUTER端子(USB Bタイプ)、Bluetooth ADAPTOR端子(専用タイプ)、DC IN端子●電源:ACアダプター●消費電流:1.2A●外形寸法:460(幅)×193(奥行)×73(高さ)mm●外形寸法(ペダル傾き最大時):460(幅)×193(奥行)×94(高さ)mm●質量(電池含む):3.5kg●付属品:ACアダプター(PSB-1U+ACコードセット)、取扱説明書、「安全上のご注意」チラシ、保証書、ローランド ユーザー登録カード●別売品:フットスイッチ(FS-5U、FS-5L、FS-6、FS-7)、エクスプレッション・ペダル(EV-30、FV-500L、FV-500H、Roland EV-5)、Bluetooth(R)Audio MIDI Dual Adaptor(BT-DUAL) ※0dBu=0.775Vrms
【問い合わせ】
ローランド株式会社 https://roland.cm/contact
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プロフィール

野村大輔(のむら・だいすけ)
1975年、東京都出身。エレキ・ギター、アコースティック・ギターのどちらも得意とし、歌の良さを引き出し曲に溶け込むようなギターアレンジを得意としている。また、幅広いジャンルをカバーしつつもブルースをベースにしたプレイ・スタイルを持ち味としたギタリスト。15歳からビートルズに憧れアコースティック・ギターを弾き始め、その後ジミ・ヘンドリックス、エリック・クラプトンなどに影響を受けエレキ・ギターを弾くようになる。様々なバンド活動をしながら10代でギター講師の仕事を開始し、現在ではレコーディング・サポート、ライブ・サポート、作曲、編曲、プロダクト・スペシャリスト、ギター講師、執筆活動など幅広く活動を続けている。

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