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- 2024/11/16
BOSS / GX-100
スタイリッシュな見た目と高品位なサウンドで、自宅からライブまで様々な環境で活躍するマルチ・エフェクター、BOSS GX-100。 独自のAIRDテクノロジーによりチューブ・アンプのサウンドと弾き心地を実現しており、さらに接続先の機器に合わせて挙動を変えることで、生々しい楽器の響きが体感できるのが大きな特徴だ。
23 種類のAIRDプリアンプと150種類以上のエフェクトを搭載。これらの接続順や組み合わせを自由にカスタマイズできるエフェクト・ブロック・システムは、実際のペダルを並べていくような直感的なサウンドメイクを実現。タッチ・パネルとツマミの組み合わせでコントロールが可能という、シンプルな操作感も魅力だ。
リング・モジュレーターはユニークなエフェクトですが制御が難しく、かけすぎると音程感がなくなり、アンサンブルで浮いてしまいます。今回はノイズや飛び道具としてではなく、楽曲の中でしっかりと“使える”リング・モジュレーター・サウンドを目指してみました。
まず、初段にX-ODを入れて基本の歪みを作ります。ここで歪んだ状態の音がリング・モジュレーターに入力されるので、暴れた感じのサウンドを作ることができます。リング・モジュレーターはEFFECT LEVELが“45”と、やや抑え気味にした設定のほうが使いやすいサウンドに仕上がります。また、音程感がハッキリ出るようにDIRECT MIXは“26”に。このようなセッティングにすると、低音弦を弾いている時にはノーマルな歪みサウンドになり、3弦〜4弦を弾いた時にリング・モジュレーターが暴れ出すような音になります。
今回のセッティングの肝は以上の2つのエフェクターで、このあとにかかっている様々なエフェクターは味付け程度のイメージです。PEQやデイレイ、リバーブはうっすらかかるくらいがちょうど良いかと思います。アンプ・タイプは“RECTI”を選びましたが、ここはお好みでコンボ・タイプなどを選択してもよいでしょう。
シマー・リバーブの浮遊感を全面的に押し出した、1人で弾いていても心地良いサウンドを目指しました。アルペジオを弾いた時に、粒立ちの良い原音はそのまま聴こえ、その背後で教会のパイプ・オルガンがワイドに鳴っていようなイメージです。
まずは初段にノイズ・サプレッサーを置き、続いてX-COMPとJC-120のアンプ・モデルで基本のクリーン・サウンドを作り、そのあとにシマー・リバーブをかけていきます。シマー・リバーブのセッティングは“PITCH 1”が“+12”で1オクターブ上のサウンド、そして“PITCH 2”は“+24”でさらに1オクターブ上のサウンドが鳴るようにしています。ピッチは5度上など細かく設定することもできますが、今回は定番のオクターブ・セッティングにしてみましょう。EFFECT LEVELは“100”とMAX値になっているので、かなり深くかかっている状態です。
その後段に入れたステレオ・ディレイやルーム・リバーブは味付け程度に軽くかける状態ですが、ここのリバーブをもっと深く設定して、洞窟で鳴っているような壮大な広がりを演出するのも楽しいかもしれません。慣れてきたらこのあたりを調節して、さらに心地良いサウンドを探究してみましょう!
“60's FUZZ”と名付けられた、ビンテージ・ファズの中でも特に名機とされるファズ・ペダルを再現したエフェクトをメインに音を作っていきます。このファズはブツブツと音が途切れる特徴があり、そのサウンドがギターのフレーズやプレイに良い影響を与えることで有名です。
まず初段にFUZZを入れて、内部パラメータのTYPEで60's FUZZを選択します。ゲイン量を調整するFUZZ(パラメーター)は“107”とやや高めのセッティング。そして、DIRECT MIXを“0”にして原音を出さないことが重要です。アンプには“BRIT STACK 4×12”を選択し、アンプ自体もホットな状態になるように全体的にツマミを上げ気味にしてあります。また、アンプのMIC TYPEはDYN57が最も相性が良いかと思います。基本的にはこの2つでサウンドの大半は仕上がっています。
残りのリバーブなどは軽くかける程度で問題ないでしょう。このエフェクターはブツブツと音が途切れるところがカッコ良く、リフを弾いたり、アグレッシブなソロを弾くプレイにハマりやすいです。フレーズも速いパッセージより、ゆったりとロング・トーンを歌わせるような弾き方のほうがこのエフェクトの味を楽しめるでしょう。
価格:オープン
野村大輔(のむら・だいすけ)
1975年、東京都出身。エレキ・ギター、アコースティック・ギターのどちらも得意とし、歌の良さを引き出し曲に溶け込むようなギターアレンジを得意としている。また、幅広いジャンルをカバーしつつもブルースをベースにしたプレイ・スタイルを持ち味としたギタリスト。15歳からビートルズに憧れアコースティック・ギターを弾き始め、その後ジミ・ヘンドリックス、エリック・クラプトンなどに影響を受けエレキ・ギターを弾くようになる。様々なバンド活動をしながら10代でギター講師の仕事を開始し、現在ではレコーディング・サポート、ライブ・サポート、作曲、編曲、プロダクト・スペシャリスト、ギター講師、執筆活動など幅広く活動を続けている。