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- 2024/11/16
Hughes & Kettner / SPIRIT StompMan
Hughes & KettnerのSPIRIT StompManは、真空管アンプのような生々しいサウンドが味わえるSpirit Tone Generator回路を備えた、132(W)x 52(H)x 153(D)mmというコンパクト・サイズのギター・アンプです。改めてSpirit Tone Generatorについて説明すると、真空管アンプの複雑な挙動や回路同士の相互作用をアナログで再現した、Hughes & Kettner独自の画期的なテクノロジーとなります。SAGGINGツマミでコンプレッションと倍音を調整できるため、真空管のオーバーロードの状態を好みに設定できるのが強みですね。
SPIRIT StompManは最大50Wの出力を備えるほか、ライン・アウト端子も搭載しているため、自宅練習、スタジオでのリハーサル、ライブなど、場所やシチュエーションを選ばずに使えるのが魅力です。筐体上部にはバイパスとFXループのモード切り替えスイッチを搭載。FXループを使用する場合はスイッチを“FX Loop”に設定し、筐体正面右側のフット・スイッチを踏めば、FXループ端子に接続したディレイやリバーブなど、お気に入りのエフェクターのサウンドを一緒に楽しめます。モード切り替えスイッチを“Bypass”にしてフット・スイッチをオンにすると本機のプリ部がスルーされ、パワー・アンプとして使用が可能。外部のプリアンプを組み合わせるなど、様々な使い方ができる1台です。
今回は12インチのスピーカーが一発搭載されたキャビネットに接続してサウンドチェックをしてみました。まず、クリーン・サウンドはかなり余裕のある印象で、骨太なサウンドをしています。各コントロールにより音の太さの調節はできますが、生バンドやバックトラックの音圧に埋もれず、前に押し出してくるような強さを感じました。また、本機をクリーンにセッティングし、オーバードライブやディストーションなどのエフェクターを前段につないで一緒に使うということも可能です。
GAINツマミを上げるとクランチ〜オーバードライブまで歪みます。リッチな歪み方で、まるでビンテージ・アンプを鳴らしているような上品な質感でした。倍音成分が豊かに出ているので、少ない歪み量でも心地良く弾けます。
筐体左側のSOLOスイッチは、クリーン・ブーストのオン/オフ。最大6dBまでクリーン・ブーストの音量を調節できる“SOLO VOL.”ツマミが背面に装備されており、ブースト量を細かく設定できるのが嬉しいポイントでした。名前のとおり、ギター・ソロなどで存在感を出したい時などに重宝しますね。
音作りのポイントは、まずMASTERツマミで全体の音量を決め、GAINツマミで歪み量を設定します。次にTONEツマミでブリティッシュ・サウンド(ツマミを左に回す)かアメリカン・サウンド(ツマミを右に回す)を調整し、RESONANCEツマミで音の立ち上がりを決めます(ツマミを左に回すと甘めのサウンドに、右に回すと立ち上がりのハッキリしたサウンドに)。そしてPRESENCEツマミで高音域の調整をし、最後にSAGGINGで真空管のオーバーロードの状態を決めていきます。このように、MASTER→GAIN→TONE→RESONANCE→PRESENCE→SAGGINGの順番でサウンドメイクしていくと、それぞれの役割がわかりやすいと思います。
本体重量が約650gと軽量のため、ペダルボードの中にSPIRIT StompManを組み込み、ほかのエフェクターと一緒に使うのがオススメです。コンパクト・エフェクター感覚でアンプ・ヘッドを持ち運べるので、いつでもどこでも自分のサウンドが出せるのは大きな魅力だと感じました。
価格:¥32,780 (税込)
野村大輔(のむら・だいすけ)
1975年、東京都出身。エレキ・ギター、アコースティック・ギターのどちらも得意とし、歌の良さを引き出し曲に溶け込むようなギターアレンジを得意としている。また、幅広いジャンルをカバーしつつもブルースをベースにしたプレイ・スタイルを持ち味としたギタリスト。15歳からビートルズに憧れアコースティック・ギターを弾き始め、その後ジミ・ヘンドリックス、エリック・クラプトンなどに影響を受けエレキ・ギターを弾くようになる。様々なバンド活動をしながら10代でギター講師の仕事を開始し、現在ではレコーディング・サポート、ライブ・サポート、作曲、編曲、プロダクト・スペシャリスト、ギター講師、執筆活動など幅広く活動を続けている。