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- 2024/11/16
Fender / Made in Japan Junior Collection
フェンダーより、日本人の体型や特徴に合わせて設計された軽量かつ体に馴染みやすいボディで、本格的なサウンド・クオリティを追求した新シリーズがリリースされた。その名も“Made in Japan Junior Collection(メイド・イン・ジャパン・ジュニア・コレクション)”。エントリー・モデルとして手にとってもらえるような仕様を採用するだけでなく、挫けずに練習を続けられるだけの弾きやすさ、そしてレコーディングやステージ用の一本としても活用できる高い品質を併せ持った新モデルだ。フェンダーが誇る王道の3モデルがラインナップされたこの新シリーズを、マスダミズキ(miida)によるデモ演奏を通して紐解いていこう!
“こんなギターがあったらいいのに”……そんな思いがまた具現化された。欧米人に比べて平均的に小柄な日本人に向けて、小型軽量化したシリーズが日本国内で登場したのだ。しかも、いわゆる“ミニ・ギター”や“トラベル・ギター”とは違う本気のクオリティで、だ。これは小柄な体格の方や手の小さい方にとっても吉報に違いない。
ストラトキャスター、テレキャスター、ジャズマスターというフェンダーが誇る王道の3モデルがラインナップされ、それぞれボディは94%にサイズ・ダウンされている。スケールは24インチ(通常は25-1/2インチ)と一般的なショート・スケールと同様だが、ナット幅は42mmを維持。つまり、フレット間が短くなっているので指が届きにくかったコードを楽に押さえられるのと同時に、ショート・スケールにありがちな“うっかり隣の弦に指が触れてしまう”といったことを気にしなくても良いのだ。さらに、スケールが短いと弦のテンションが下がるので、押弦やチョーキングにかける力がぐっと少なくて済む。
ダフネ・ブルー、ヴィンテージ・ホワイト、サーフ・グリーン、シェル・ピンクといったSNSでも映えそうな可愛らしい新カラーに、柔らかな色合いのサテン・フィニッシュが採用されている。さらに、ストラトには3カラー・サンバースト、テレにはバタースコッチ・ブロンドといった定番カラーがあるのも嬉しい。
気になる品質だが、日本製のクオリティで細部までこだわりの仕様を採用している。新設計のピックアップは、各モデル王道のスタイルを受け継ぎつつ、ゲインを高めながらもはっきりした輪郭の本格的フェンダー・サウンドを実現。ネックは、フェンダーで最も支持されているモダンCシェイプと9.5インチ・ラジアス指板を採用しており、ほどよい握り心地で⻑時間の演奏でも疲れにくい。各モデルとも、指板はローズウッドとメイプルの2種が用意され、カラーによってカスタムできるのも魅力。なお、ピックアップやブリッジなどパーツ類は標準サイズだ。
自宅のソファやベッドに腰掛けながら、肩肘張らずにいつまでも弾いていたくなる新シリーズ、ジュニア・コレクション。部活やサークルなどで楽器を始める学生、小柄で手が小さいと自認している人、コードが上手く押さえられなくて挫折してしまった人……そんな人にもぜひ手にとってギターを楽しんでほしい。もちろん、この本気のクオリティは、プロのステージ・ユースも可能だ。
ジャズマスターはその名のとおり、もともとはジャズ市場に向けてリリースされたものだが、キャッチーなデザインによりロック界隈で人気に火がついた。複雑なスイッチ類を使いこなすのが難しいというイメージもあるが、このシリーズでは操作系を大胆に再考。3ウェイ・ピックアップ・セレクター、マスター・ボリューム、マスター・トーンだけというシンプルな構成となったことで、エントリー・モデルとしてのハードルがグンと下がった。新設計のピックアップは、ジャズマスターならではエフェクターとの抜群の相性をキープ。また、ジャズマスター独自の機構であるフローティング・トレモロもしっかりと採用されている。フレットは近年主流のナロートールで、22フレット仕様だ。
【Specifications】●Series:Made in Japan Junior Collection ●Body Material:Basswood ●Body Finish:Gloss Polyester, Satin Polyester ●Neck:Maple, Modern “C” ●Neck Finish:Satin Urethane ●Fingerboard:Maple or Rosewood, 9.5” (241 mm) ●Frets:22, Narrow Tall ●Position Inlays:Black Dot (Maple), White Dot (Rosewood) ●Nut (Material/Width):Bone, 1.650” (42 mm) ●Tuning Machines:Vintage-Style ●Scale Length:24” (610 mm) ●Bridge:6-Saddle Vintage-Style Adjustable with “Floating” Tremolo Tailpiece ●Pickguard:3-Ply Eggshell (306, 356), 3-Ply Mint Green (304, 357), 4-Ply Tortoiseshell (300, 341) ●Pickups:Junior Collection Modified Single Coil Jazzmaster® (Bridge), (Middle), Junior Collection Modified Single Coil Jazzmaster® (Neck) ●Pickup Switching:3-Position Toggle:Position 1. Bridge Pickup, Position 2. Bridge And Neck Pickups, Position 3. Neck Pickup ●Controls:Master Volume, Master Tone ●Control Knobs:Vintage White Plastic ●Hardware Finish:Nickel/Chrome ●Strings:Nickel Plated Steel (.009-.042 Gauges) ●Case/Gig Bag:Gig Bag
どのPUポジションで弾いても
各音域がバランス良く出てくれますね。
パッと見た印象は、私がいつも使っているジャズマスターとあまり大差なく、堂々としている感じがしました。手にとってみると、もうひょいっと持ち上げられちゃいます! でも、安定感はあって演奏するための重みは残っているんです。サウンドにもジャズマスターならではのフィーリングがあって、どのPUポジションで弾いても各音域がバランス良く出てくれます。ピックアップをリアにしてもジャキジャキしすぎず、歪ませた時の荒れた感じがしっかりと出るので、弾いていて気持ち良いです。ジャズマスターってチューニングが安定しない印象もあるんですけど、6サドル・ブロックなのでその点でも安心ですね。チューニングが上手くいかなかったり、途中で狂っちゃう心配もなく、安心してプレイできます。
エレクトリック・ギターと聞いて、多くの人が真っ先に思い浮かべるであろう代名詞的モデル=ストラトキャスター。本機は、最も人気のある1960年代のモデルをベースにしており、ピックアップもオーソドックスなSSS配列。コントロール・ノブはマスター・ボリューム、フロントのトーン、ミドルのトーンという伝統的な仕様で、5ウェイ・ピックアップ・セレクターにより多彩なサウンド・バリエーションが得られる。また、ビンテージ・スタイル・サドル付きの2点支持トレモロ・ブリッジにより、チューニングの安定性が確保されているため、安心してアーミングが行なえるのも嬉しい。フレットは近年主流の背が高く押弦に有利なナロートールで、22フレット仕様だ。
【Specifications】●Series:Made in Japan Junior Collection ●Body Material:Basswood ●Body Finish:Gloss Polyester, Satin Polyester ●Neck:Maple, Modern “C” ●Neck Finish:Satin Urethane ●Fingerboard:Maple or Rosewood, 9.5” (241 mm) ●Frets:22, Narrow Tall ●Position Inlays:Black Dot (Maple), White Dot (Rosewood) ●Nut (Material/Width):Bone, 1.650” (42 mm) ●Tuning Machines:Vintage-Style ●Scale Length:24” (610 mm) ●Bridge:2-Point Synchronized Tremolo with Vintage-Style Stamped Steel Saddles ●Pickguard:3-Ply Black (380), 3-Ply Eggshell (300, 304, 306, 356), 3-Ply Mint Green (300, 304, 341, 357) ●Pickups:Junior Collection Modified Single Coil Stratocaster® (Bridge), Junior Collection Modified Single Coil Stratocaster® (Middle), Junior Collection Modified Single Coil Stratocaster® (Neck) ●Pickup Switching:5-Position Blade:Position 1. Bridge Pickup, Position 2. Bridge and Middle Pickup, Position 3. Middle Pickup, Position 4. Middle and Neck Pickup, Position 5. Neck Pickup ●Controls:Master Volume, Tone 1. (Neck Pickup), Tone 2. (Middle Pickup) ●Control Knobs:Vintage White Plastic ●Hardware Finish:Nickel/Chrome ●Strings:Nickel Plated Steel (.009-.042 Gauges) ●Case/Gig Bag:Gig Bag
プレイ・スタイルをもっと練り上げて、
伸びしろを広げられそう!
ストラトキャスターって自分の中では少し弾きづらさを感じてきたんですよ。ジャズマスターに慣れてしまったせいか、手のニュアンスが出やすい繊細な楽器だなと思っていて。でもこれを弾いてみて、“あ、弾きやすいかも”と感じたんです。自分のプレイ・スタイルをもっと練り上げて、伸びしろを広げられそうな予感がしました。それから、ピッキングの感じがダイレクトにくるような、ストラトキャスターらしさもしっかりとあります。甘み成分とチャキっとした部分がちょうどよく混ざりつつ、粒立ちの良さもあって。エフェクトを乗せてもその音色のカラーを素直に出してくれます。ストラトキャスターを使うならアームで遊んでみたいという人も多いと思うんですけど、これは2点支持のトレモロ・ブリッジなので、思いっきり演奏できる可能性を感じるのがいいですね。
ロックからブルース、シンガーソングライターのバッキング用だけでなく、近年ではジャズやネオソウル系のユーザーも増えるなど、その愛用者の幅の広さはほかの追随を許さないテレキャスター。本モデルは、大小2基のシングルコイルや3ウェイ・ピックアップ・セレクターなど伝統的なスペックを踏襲する一方で、現代的な要素も組み込まれた。例えば、6連サドル・ブリッジが採用されたことでピッチの安定性が確保でき、ピックガードを外さなくともフロント・ピックアップの高さ調節が可能になった点だ。そして目玉はボディの軽量さ(約2.88kg! ※当社調べ、重量には個体差があります)。背面の大胆なバックカットにより、まさに身体に吸い付くようなフィット感が得られる。こちらも22フレット仕様のナロートールのため、押弦がしやすくなっている。
【Specifications】●Series:Made in Japan Junior Collection ●Body Material:Basswood ●Body Finish:Gloss Polyester, Satin Polyester ●Neck:Maple, Modern “C” ●Neck Finish:Satin Urethane ●Fingerboard:Maple or Rosewood, 9.5” (241 mm) ●Frets:22, Narrow Tall ●Position Inlays:Black Dot (Maple), White Dot (Rosewood) ●Nut (Material/Width):Bone, 1.650” (42 mm) ●Tuning Machines:Vintage-Style ●Scale Length:24” (610 mm) ●Bridge:6-Saddle American Standard Strings-Through-Body Tele® with Bent Steel Saddles and Stamped Brass Plate ●Pickguard:3-Ply Black (350, 380), 3-Ply Eggshell (304, 356), 3-Ply Mint Green (300, 304, 306, 341, 357) ●Pickups:Junior Collection Modified Single Coil Telecaster® (Bridge), (Middle), Junior Collection Modified Single Coil Telecaster® (Neck) ●Pickup Switching:3-Position Blade:Position 1. Bridge Pickup, Position 2. Bridge and Neck Pickups, Position 3. Neck Pickup ●Controls:Master Volume, Master Tone ●Control Knobs:Knurled Flat-Top ●Hardware Finish:Nickel/Chrome ●Strings:Nickel Plated Steel (.009-.042 Gauges) ●Case/Gig Bag:Gig Bag
とにかく軽い! 持ちやすさのギャップは
全モデルの中で一番衝撃でした。
わぁ〜軽いなぁ! トラベル・ギター並みじゃないですか? イメージしていた持ちやすさとのギャップは3つのモデルの中で一番衝撃を受けました。ボディのうしろがコンター加工されているので体にも馴染みやすくて、これなら家で長時間座りながら弾いても快適です。音も弦の鳴りがしっかり出てくれる“ザ・テレキャス”な感じが気持ち良くて、特にリアで単音ピッキングした時のハイの煌びやかな感じが大好きですね。フロントに切り替えてみるとロー感もしっかりとありました。歪ませた時の荒々しさもいい感じです。バンドの中で豪快にファズをかけて、太めの音色でガツンと弾くのも想像できましたね。あんまりミスタッチとかを気にしないで、“自由にアドリブしちゃえ!”って弾くのもいいと思います。フレーズに応じてこの1本で色んな弾きわけができそうですね。
いつでも使いたくなるような親しみがありつつ、
それぞれの個性や魅力をちゃんと持っていますね。
初めて見た時、とにかくこの可愛らしい見た目にグッときました。サテン・フィニッシュも相まってパステル・カラーが映えます。サンバーストなどのスタンダードなカラーがあるのもいいですよね。見た感じ、ボディはもともとのサイズ感とそれほど変わらないと思ったんですけど、実際に抱えてみると……体への収まりも凄く良いんです。手に持ってみた時の軽やかさには驚きました。長時間立って弾いていても疲れないし、リビングに置いておけばふとした時に弾きたくなるような手に取りやすさもあるので、ライブ用や家で練習する用に1本は持っておきたいです。
弾きやすさはもうダントツでした! どんなコードを弾いても押さえやすくて、ハイポジションも弾きやすい。例えば、ネックを握るようにして親指でルートを押さえてコードを弾くのって、ギターを始めた時に憧れたりするんですけど、手が小さかったりすると難しくて最初から諦めちゃうんですよね。でも、これなら色んなプレイを自分のものにできる可能性も感じました。私も何度か挫折を味わいつつ、ここまでギターを弾き続けていられているんですけど、周りでギターを始めてみた人たちの中には、とりあえず買ったけど結果的に弾けず終わってしまっている人もけっこういるんです。そういう人たちにも、このギターだったら薦めちゃいます。
肝心なサウンドについては、ジュニア・コレクションというくらいなので軽くなっているのかなと思っていたんですけど、まったくそんなことはなくて。それぞれのモデルに合わせて作ったオリジナルのピックアップが搭載されていることもあって、クリーンでも歪ませても本来の音色の個性がある、本格的なサウンドを出してくれます。
ジャズマスターとストラトキャスターはアームを使った時にチューニングの不安がないのは嬉しいですね。日本製ならではの丈夫さもあるし、自分も現場で使ってみたいと思いました。もの凄くフットワークの軽いギターだから、飛び入りでライブのアンコールにお邪魔する時にも活躍しますよね! そういう意味で、プロの人も使いたがる人は多いと思います。
どのモデルもいつでも使いたくなるような親しみがありつつ、それぞれの個性や魅力をちゃんと持っていましたね。どれもとても素敵だったけど……テレキャスの手軽さはヤバいですね(笑)。“とりあえず持ってみ?”って色んな人に薦めたいです!
価格:¥130,900 (税込)
価格:¥119,900 (税込)
価格:¥119,900 (税込)
マスダミズキ
1991年生まれ、千葉県出身のギタリスト/作曲家。2007年より4人組ロック・バンド、ねごとのギタリストとして活動を開始。2019年に解散した後は、自身のプロジェクトであるmiidaとして活躍するほか、アーティストへの楽曲提供やアレンジなども行う。また、プライベート・スタジオ=Studio KiKiを拠点とした作品制作を行い、Youtubeでスタジオ・セッション動画を公開するなど、精力的に活動している。