CASE：32　東京都ミツイヒロマサさん邸スタジオ

中学生の頃にブラス・バンドの演奏会を見てドラムに興味を持ったミツイヒロマサさんは、高校の軽音楽部でドラムをスタート。最初は邦楽〜洋楽ロックをコピーしていたが、だんだんスタジオ系のドラマーに関心が移っていったという。「青山 純さんや沼澤 尚さん、ジェフ・ポーカロなど、ジャンルやバンドじゃなく“その人”を追うようになりました」

そのとき自分がやりたい練習を
できるようになったのは、この部屋のおかげです

2014年に建売の木造住宅を購入し、その１室をスタジオに改装したミツイヒロマサさん。高校の軽音部でドラムを始め、社会人になってからも自宅で練習パッドや電子ドラムを叩く毎日を過ごしていたが、やはり音の問題には悩まされてきたという。

　「苦情が来ない場所を求めて、何度か転居を重ねました。ここに引っ越してくる前に住んでいたところは、まあまあ長く住んだのですが、それでも遠慮しながら練習していて。でもやっぱり好きな時間に好きなだけ叩きたいと思ったのと、住宅ローンを組むタイミングも考えて、家を買ってスタジオを作ることを決めました。業者はいくつか調べた中で、アコースティックエンジニアリングさんが一番ドラムの防音に詳しくて実績もあり、こちらの要望をわかってくれそうだったのでお願いすることにしました」。

4畳半＋押入れでトータル約6畳だった部屋を約4畳のスタジオに改装。「音の聴こえ方もすごく綺麗で、自然な感じがします。周りに鏡を置いているのは、曲を練習しているときでもストロークが気になると基礎練習に戻りたくなるから」と話すミツイさん。サイド・スネアの上に置いたトレーニング・パッドを使って行うストイックな練習も苦にならないそうだ

物件探しの段階からアコースティックエンジニアリングにも相談し、防音に有利な条件の家を予算内で見つけることができたとミツイさんは話す。念願だったドラム・セットも購入し、日々の練習からレコーディングまで、ドラム生活を満喫している。

スタジオに入るとすぐにドラム・セットがある必要最小限の空間だが、セットの置き方は何通りも試した結果、今の位置に落ち着いたという

　「今お手伝いしているバンドが３つほどあって、その曲のドラム・パートを考えたり、シンプルな基礎練習をしたり……そのとき自分がやりたいことをできるようになったのはスタジオを作っていただいたおかげです。レコーディングはまだ勉強中ですが、録って聴いてを繰り返しているとすぐに時間が過ぎてしまいます。日によっては、ほとんど１日中ここにいることもあります（笑）」。

ドラム・セットの後ろにはデスクを置いて作業スペースに

隣室からスタジオへのドアは、木製防音ドア（外側）と鉄製防音ドア（内側）

「自分のドラムを買うならパールと決めていました」とのことで、スタジオ完成時にマスターズ・プレミアムのセットを購入。メイン・スネアは同社のMR、シンバルはセイビアンで統一

※本記事はリズム＆ドラム・マガジン2020年2月号の記事を転載／再編集したものです。

アコースティックエンジニアリングとは？

　株式会社アコースティックエンジニアリングは、音楽家・音楽制作者のための防音・音響設計コンサルティングおよび防音工事を行う建築設計事務所。1978年に創業して以来、一貫して「For Your Better Music Life」という理念のもと、音楽家および音楽を愛する人達へより良い音響空間を共に創り続け、携わった物件の数は2,000件を超えている。現在も時代の要請に答えながら、コスト・パフォーマンスとデザイン性に優れ、「遮音性能」、「室内音響」、「空調設備」、「電源環境」、「居住性」というスタジオの性能を兼ね備えた、新しいスタイルのスタジオを提案し続けている。

株式会社アコースティックエンジニアリング

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