アコースティックエンジニアリングが手がけた“理想の音楽制作を実現する”環境
- 2024/11/25
DENON / AH-C830NCW
ヘヴィ・ミュージック・シーンの中でもサウンドには並々ならぬこだわりを持つCrossfaithのKoieとTeru。そんな彼らを驚かせたのが、オーディオ・メーカーの老舗、デノンが新たに発表したノイズ・キャンセル機能を搭載した初の完全ワイヤレス・イヤホン[AH-C830NCW]だ。今回は自身の楽曲を含むさまざまなヘヴィ・ミュージック+αを試聴したふたりに、本機の個性をレビューしてもらおう!
ハイエンドからエントリー・クラスまで、幅広いユーザーが求めるオーディオ機器を開発し続ける“デノン”。今回、アクティブ・ノイズ・キャンセリングを備えた完全ワイヤレス・イヤホン[AH-C830NCW]が新たに発売された。
本モデルには、デノンのサウンドマスターが試聴と調整を繰り返して開発したという、大口径ダイナミック・ドライバー(11×10mm)を搭載。ライヴのような臨場感、そして立体的のあるサウンドが魅力となり、音の輪郭はボヤけることなくシャープに立ち上がる。また深みのある低域も、自然で量感があるのだ。このあたりにデノンの技術力の高さが表われていると言えるだろう。
ノイズ・キャンセリング機能は、[AHGC30]などのノイズ・キャンセリング・ヘッドホンを手がけたエンジニア・チームが開発。次世代のアルゴリズムとフィードバック&フィードフォワード・マイクを用いて、外来ノイズを消去。もちろん、静かな場所でリスニングする場合はオフにでき、また周囲の音をミックスする機能もある。
本体はわずか5.3g と軽量で、長時間のリスニングでもストレスがない。日々のメタル・リスニングにオススメのモデルである。
ソリッドな低音が来るから、ツーバスとかもすごく気持ちいい ── Koie
Koie ── そもそもデノンの製品を使っているだけで“コイツ、音のことわかってるやん”ってなりますよね(笑)
Teru ── そうそう、“ちょっと音楽知っているな”みたいな(笑)。
Koie ── そしてこの[AH-C830NCW]ですけど、すごいコンパクトで、ケースのつや消し感もいいですよ。プラスチックの素材感がチープに見える機種もよくありますけど、これはテカリ感もあって、デザインに無駄がない感じがします。
Teru ── 実際に付けてみると、ビックリするくらい好きな装着感でした。そもそもワイヤレス・タイプって、しっかり耳にフィットしないと低音感や定位感がスカスカになっちゃうじゃないですか。これは付けただけでちゃんと音の定位感もわかるし、ローのむっちゃ気持ちいいところも聴こえてくる。
Koie ── しかも小さくて軽くて。俺はイヤホンを付けっぱなしにしていることが多いんですけど、寝ていたり頬杖をしても圧迫感がないのに装着感はしっかりあるのがいい。
Teru ── ライヴ前に聴くことも多いから、走っても取れないかとか、そういうところも気になりますね。これは頭を振っても、しっかりフィットしている印象です。
Koie ── 以前は“ノイズ・キャンセルいる?”みたいな感じだったんですけど、いざ外で使ったら、その後は普通の機種は使えない。車や電車のなかとかすごく気になって、ノイズ・キャンセル機能は手放せないです。
Teru ── ただモデルによってはけっこう真空状態みたいになるんですけど、これはめっちゃ自然やわ。しかもアンビエント機能で外の音も取り入れながら音楽を聴くこともできるので。誰かと会話をしたり、お店に入ったときとかにも便利だと思いますね。
引き込まれる息遣いというか、スゴく没入できる音になっている ── Teru
Teru ── 低音がしっかり鳴るんで、俺たちみたいな激しいサウンドの音楽にスゴく向いていると思う
Koie ── メタルにおいて低音の処理はすごく大事で、モコモコすぎたらわからなくなるけど、これはソリッドな低音がくるからツーバスとかもすごく気持ちいい。ほかにもメタルのミックスってヴォーカルが小さいことが多いんですけど、これはヴォーカルもスゴく出てきてくれる。エンジニアのような人ならば、もちろん全体のバランスでっていうのがあると思うんですけど、やっぱり普通はヴォーカルをメインに聴く人が多いので。
Teru ── 宇多田ヒカルさんのキレイな曲も聴いたんですけど、それも臨場感とヴォーカルの存在感がよくわかって。定位が広いな、空間が広いなと、正直ビックリしました。引き込まれる息遣いがわかるというか、スゴく没入できる音になっている。
Koie ── そう、定位感。ギターが“今左で鳴って、次は右で鳴ってる”とか、ライヴ感のある音で聴こえるんじゃないかな。
Koie ── デスコアでもガツンと来るし、ダンス・ミュージックでも気持ちいいところが出てくる……オールラウンダーとも言えますよ。価格帯のことを考えてもいい音が出ているので、例えば普段音楽を聴かない友達にも“これイイで”って薦めたいですね。
Teru ── いろいろ聴いてみて、結局いいところが全部出ているから、あえてどのジャンルに特化してるという印象はなかったかも。ソリッドな低音はあるけど、キャラクターが誇張されてはいないから、自分好みにイコライジングして楽しみたいという人にもすごく向いていると思いました。いや〜、俺はもう乗り換えようかなと(笑)。
Koie ── めっちゃエエやん!
当然のことながら弊社では特定の楽器やジャンルなどに特化した音作りをしているわけではありませんが、無難で平均的にならず、常に鮮明にソースの良さを発揮できるよう心がけています。
メタル系の音楽をより楽しむには、表現やプレゼンスに切れ味があることが重要だと思い、そういう意味で今回の製品はとても適しているように考えます。例えば、低音ひとつとっても単に量が多いだけではなく、音数が多いときや重なった際に分離が良く、心地いいエッジ感を伴い再現することも心がけたポイントのひとつです。
また、オープンなスペースのなかにあって音像がシャープにフォーカスするという要素は、弊社すべての製品で実践しているコンセプトで、スリリングな音響の世界へと自然に没入していけると考えています。
価格:オープン
Koie&Teru(こいえ&てる)
ストリングス/エレクトロニカを随所に織り交ぜ、ドラマティックに展開するユニークな発想を武器に、メタルコアや叙情系 ハードコア、スクリーモ要素のあるキャッチーなメロディーをバランスよく楽曲に取り込み、独自の世界観を造り上げているバンド、CrossfaithのボーカルのKoie(左)とヴィジョン・プログラム・ボーカルのTeru(右)。