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- 2024/11/16
ZOOM / R20 Multi Track Recorder
懐かしのカセットMTR感覚で録音できてDAW並みに使える次世代MTR!、ZOOMの新製品R20を宮脇俊郎が試してみました!
[Specifications]
◎入力端子:XLR/TSRコンボ・ジャック×2(※INPUT 1のみHi-Z対応)、XLR×6(※INPUT 5~8はファンタム電源対応) ◎出力端子:TRSフォン・ジャック×2、Phones(標準ステレオ・フォン・ジャック)×1◎USB端子:USB Type-C(※USBバス パワー非対応)◎最大同時録音トラック数:8◎最大同時再生トラック数:16◎録音フォーマット:WAV(44.1 kHz、16/24- bit)※モノラル/ステレオ◎記録メディア:SDHC 規格対応カード(4GB~32GB)、SDXC規格対応カード(64GB ~1TB) ◎ディスプレイ:4.3"フルカラ―LCD(480 × 272/タッチ・スクリーン)◎外形寸法:378 mm(W)× 206 mm(D)× 58 mm(H)◎質量:1.33 kg(※本体のみ)◎電源:ACアダプタ(ZOOM ZAD-1220、12V/2.0 A)◎消費電力:最大11W ●価格: オープン(実勢価格:税込49,800円) (問)0570-078-206/株式会社ズーム
ズームから8トラック同時録音&16トラック同時再生が可能な最新のMTR“R20”が登場した。なんとタッチ・スクリーンが搭載され、さまざまな機能が盛り込まれた次世代のMTR。しかし、筐体に配置されたボタンの数は少なく、操作性はまるでカセットMTRのようにシンプル。最大8chまで同時に録音可能で、デモからバンドのレコーディングまで対応可能だ。本体には4.3インチのタッチ・スクリーンが搭載され、スマートフォンに近い操作感で使え、トラックの移動なども指先の操作で簡単に行なえる。また各トラックにはバンドEQ、リミッター、コンプレッサーなどのエフェクターもかけられる。その他にも、PC/Mac用アプリ“Guitar Lab”に対応したマルチ・エフェクトも内蔵し、ギターやベースの音作りもお手のもの。また150種類にも及ぶリズム・ループ、8ボイスのFMシンセ音源など多彩な機能が満載だ。これ1台で音源作りのほとんどの作業を完結でき、幅広いユーザーが満足できる最先端のMTRと言える。
僕が大学生の頃に使っていた4トラックのカセットMTRに比べると、当たり前ですがスゴい進化に驚きました。当時は、エフェクターなんて入っていなくて、4トラックしかなかったから、3トラック録音したら、それを1トラックにピンポン録音していましたからね。それを繰り返すと、どんどん音質が劣化していく(笑)。でも当時は、それでオリジナル曲のデモを作ってバンド・メンバーに聴かせていました。
このR20は、機能こそ当時のMTRと比べものにならないですが、シンプルなコントロールの配置はカセットMTRを意識していそうですね。説明書を読み込めば高度な使い方もできますが、簡単な録音であればカセットMTRに近い感覚で使えるはずです。何よりもタッチ・スクリーンで操作できる点が便利で使いやすい。操作に慣れれば細かなトラックの編集も、タッチ・スクリーンで楽にできるようになります。それに8トラック同時録音できるのに、軽くて薄い。持ち運びも便利で、バンドの一発録りでも役立ちそうです。録音してみた感じ、音質も素晴らしく、コンプレッサー、リミッターなどのエフェクターも内蔵していて、頑張ればミックスとかマスタリングまで可能ですね。曲作りをする際には、テンプレートのリズムから好みのパターンを選び、ギターとベースをレコーディングすれば、曲の雰囲気がある程度できてしまうと思います。
パソコンのDAWだと、起動やセッティングも含め手間がかかってしまいますが、これは煩わしいセッティングなしで、すぐに録音できるのが大きなメリットですね。パッと思い付いたフレーズを、すぐに録音したい時にも役立ちそう。これ1台で高音質なデモから音源作りまで完結できると思いますし、パソコンの苦手な人にもオススメなMTRです。
とてもシンプルなデザインのR20ですが、実はできることが数多くあります。テンプレートには、ロックやジャズなどのスタンダードなリズム・トラックが用意され、それに合わせて録音を即スタートすることができます。それから内蔵のシンセ音源をMIDI鍵盤で鳴らし、トラックにMIDIデータとして残せる機能には驚きました。
さらにスタンダードMIDIファイル(SMF)を読み込むこともでき、よりこだわった音源を作れます。あと何と言ってもタッチ・スクリーン。指先のスワイプでトラックを移動でき、まさにミニ・サイズのタブレットが搭載されている感じです。録音がこんなに直感的かつシンプルにできることは、とても魅力的ですね。
とにかく、つまみやボタンの数が少ないノスタルジックなデザインが秀逸です。録音を開始するにあたっての準備作業も簡単で、すぐに録音を始めることができました。PCのDAWであれば、入力のルーティングやらいろいろな設定作業が待っているわけで、このシンプルさは録音をとにかく始めたい人にとっては大きなメリット。
トータルの使い勝手においては、特に専用ボタンの恩恵が大きいと思いました。往年のMTRと近い操作感の再生、停止やメトロノームのオン/オフ専用ボタンがある点は使いやすく、操作を間違えることを防いでくれますし、録音に集中することができます。何より同時に8トラック録音できる点は、この価格ではスゴいことだと思いますよ。
本記事は、ゆる〜くギターを弾きたい大人ギタリストのためのギター専門誌『ギター・マガジン・レイドバックVol.9』の記事から一部を転載したものです。今号は、工藤晴香を表紙に、『あの頃、ギターは泣いていた』と題した“泣きのギター”大特集、泣きのギターと泣ける映画がテーマの年表『泣きクロニクル』、昭和世代には懐かしい『成毛滋や竹田和夫のロックギター・レッスン』にまつわるルポなど、ユニークかつマニアックな特集を多数掲載。大人のギタリストにぜひ読んでいただきたい1冊です!
■詳細はこちら → https://www.rittor-music.co.jp/s/gmlb/
宮脇俊郎
みやわき・としろう◎1965 年、兵庫県生まれ。23 歳頃からプロ・ギタ リストとしてセッション活動を開始。知識・技術ともに、ロック、フュー ジョン、ジャズ......幅広いジャンルを網羅しており、『できる DVD と CD でゼロからはじめるエレキギター超入門』といったギター初心者の定番 教本、やさしく理論が学べる『最後まで読み通せる音楽理論の本』、日々 のギター練習に役立つ『究極のギター運指トレーニング』など、多彩な 視点・切り口からの音楽教則本/映像なども多数手がけている。現在 は著名人も通う自身のギタースクールを東京・下北沢にて開講中。