アコースティックエンジニアリングが手がけた“理想の音楽制作を実現する”環境
- 2024/11/25
Fender / Brian May Guitars / ESP
憧れのギタリストが弾くギターが欲しい。 弾きたい。触りたい。部屋に置いてみたい。夢で会いたい......そんな夢に近づくことができるギター、それがアーティストのシグネチャー・モデル。そんなアーティストのシグネチャー・モデルから今回は5本をピックアップして宮脇俊郎さんが試奏、その魅力を伝えます。試奏は宮脇さんの私物アンプPositive Grid Sparkにギターから直結で行ないました。若い頃はお財布的に無理だったけど今なら買えちゃいそうな人、ん〜もう少し買えそうにない人、みなさん当時の憧れ気分を思い出しつつお読みください!
[Specifications]
主な特徴●ジミー・ペイジがボディに描いた特徴的な絵柄の再現●当時のサウンドを再現したジミー・ペイジ・カスタム PU●ネックの握りはジミー所有のテレを再現したオーヴァルCシェイプ●反射素材を用いた個性的なピックガード●ボディ裏、ブリッジ後ろ、どちらからも弦を通して張れる仕様●ビンテージ・スタイルのブラック・ハード・ケースが付属●出荷時の弦はフェンダー USA 250R Nickel Plated Steel (.010 〜 .046) ●価格:234,740円(税込) (問)0120-1946-60/フェンダーミュージック︎
ジミー:ペイジがツェッペリン・サウンドを作る礎となったテレキャスター
ジミー・ペイジ愛用ギターといえば、『狂熱のライヴ!』の映像のレス・ポールの印象が強いのですが、「天国への階段」のギター・ソロや1st アルバムにおける峻烈なギター・プレイの多くはこのテレキャスターで演奏されていたのです。このモデルはジミーが自ら描いたアートワーク柄を見事に再現しています。ボディ材は比較的軽量なアッシュがチョイスされ、構えた時のバランスも非常に良好でした。サウンドの傾向は、極めて王道なテレキャス・サウンド。 シングルコイルならではの美味しいザラ味が、フロント、リア共に クランチ・サウンドに絶妙なハスキーさを与えています。3弦7fの1音チョーキングの色気などはまさにあのサウンド! アッシュ材ということもあって低音成分も十分かつ締まっているので、弾いていて最高に気持ち良いです。ツェッペリンの楽曲はもちろん、セッションなどにも幅広く対応しそうなバランスの良いサウンドでした。
[Specifications]
主な特徴●Uシェイプ・ネックの指板はえぐられたスキャロップ仕様●ポールピースが太い高出力ピックアップをリアとフロントに搭載●センター・ピックアップはダミー※ PUセレクターはR/R&F/Fの3点●ヘッドは70 年代のストラト同様のラージ・ヘッド・タイプ●Fロゴ刻印入り、ネック角調整可能な Micro-Tilt 採用の3点止めネック・プレート●トラスロッドはブレット・タイプ●リア PUとフロントPUはセイモア・ダンカンSSL-4で逆磁極(R&Fでハムキャンセル)●ストラップ・ピンはロック仕様●出荷時の弦はフェンダー USA Bullets 3250L Nickel Plated Steel (.009〜.042) ●価格:222,530円(税込) (問)0120-1946-60/フェンダーミュージック︎
レインボー中期以降からリッチー・ブラックモアの代名詞となったストラトキャスター
高校時代に国産白ストラト・タイプの指板を彫刻刀で削ってどうにかあのテイストを手に入れたいと思った昭和世代(自分含む)には、まさにドンピシャな1本。全フレットに施されたスキャロップ指板の迫力がまず圧倒的で、粘っこいようなレインボー時代のリッチーのサウンドを追求するならコレで決まりでしょう。またダミーのセンター・ピックアップが泣かせます。ネットもなかった昭和のギター・キッズ達は雑誌や口コミで「リッチーはセンター・ピックアップを下げてて結線もしていないらしい」という情報を手に入れてはこぞって真似たものです。そしてリッチー・モデルらしくクォーターパウンダー PUを搭載、ビンテージ・タイプではない力強いサウンドが得られます。まさに“治療不可”時代のあの音です。その他、ラージヘッドや黒のパーツ類など、気持ち的にもアガりまくるモデルに仕上がってますね。これを持てば全員スポットライト・キッド!
[Specifications]
主な特徴●オリジナル同様、一部が空洞となっているチェンバー・ボディ●ワイアリングから忠実に再現されたシングルコイル PU●搭載された3つのPUは各々がオン/オフ式●3つのPUはフェイズのオン/オフもできて音色が多彩●ナット幅45mmのネックはマホガニー、エボニー指板で24f●ペグはグローバーのロック式●ナットはグラファイト●ブリッジはウィルキンソン●コントロールはマスター・ボリューム&マスター・トーン) ●価格:159,500円(税込) (問)黒澤楽器店 BS フジ ショッピング https://www.bsfuji.shop/shopbrand/ct93/
※QUEEN50周年展-DON'T STOP ME NOW-開催中!2022年5月9日(月)まで https://dmdepart.jp/museum/
文字どおり、すべてがブライアン・メイ・オリジナルの1本
これまでにもクリソツ仕様〜ある程度似せたモデルまでいろいろと発売されてきたブライアン・モデルですが、このギターは本人自ら監修しているだけあって、細部まで超こだわりまくられています。 まず、本物と同じチェンバー構造により見た目よりも軽くて、持った時のバランスも良好です。ネックは平均的なエレキ・ギターよりも太めのグリップで、チョーキングやビブラートが非常にかけやすいと思いました。塗装はつや消しタイプのマットな落ち着いた仕上がりです。アームはオリジナルとは異なりますが、チューニングの安定性は抜群で何の不満もありませんでした。最も気になるのが、他のギターではあまりお目にかかれないフェイズ・イン or アウトの切り替えスイッチでしょう。これはON/OFFのスイッチの下側に あり、切り替えることでピックアップの位相が逆になります。ドンシャリ気味でブライトな“あの”往年の独特な音色が得られました。
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主な特徴●ピックガードに刻まれた頭文字SRV●フレットはナロートール(6105)を採用●太くコシの強いサウンドを生み出すTexas Specialピックアップ●アーム位置が逆になる左利き仕様のトレモロ●60 年代初期のストラトと同じネック・シェイプ●指板材はパーフェロー●金属パーツはゴールド●ネック・ シェイプは厚めのオーヴァル●出荷時の弦はフェンダー USA 250R Nickel Plated Steel (.010〜.046) ●価格:352,670円(税込)(問)0120-1946-60/フェンダーミュージック︎
スティーヴィー・レイ・ヴォーン夭逝直前に完成、愛器“No.1”が基本となったストラト
ピックガードに描かれたSRVの文字が、本モデルのすべてを物語っています。なんと言っても魅力的だったのが“音の太さ”です。1〜2弦開放のギラギラ&ワイルド感。弾いていて実に楽しかったです。 またネック・シェイプが絶妙で手になじんで弾きやすく、ナロートールのフレットも押弦のしやすさと確実性が秀逸で、チョーキングやビブラートがすごくやりやすい。リア・ピックアップでのサウンドも十分に太いのですが、特にフロント・ピックアップをチョイスしてクランチで弾いた時の感じが、まさに SRVを彷彿! 何時間でも弾いていられます。この繊細かつワイルドなサウンドは、コイルが多めに巻かれているTexas Specialによるところも大きいと思いました。左利き用のトレモロ・ユニット、ゴールド・パーツもめちゃそそります。強く弾いても弱く弾いてもしっかりそのニュアンスの違いを出してくれるので、SRVファンならずともオススメできるギターです。
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主な特徴●ボディ&ヘッドの個性的なグラフィック●ボディ材が重いハード・メイプルならではのサウンド●ネックの握りはジョージ・リンチ・カスタムのUシェイプ●大きなビブラートもかけやすいナット幅45mmの幅広仕様●SH レイアウトのPU切り替えはポットのプッシュ/プル●ピックアップはセイモア・ダンカンのシグネチャー“The Hunter”(リア)、ESP SS-120(フロント)●サイド・ジャックは斜め差しタイプ●出荷時の弦はエリクサー NANOWEB(.009 〜.042) ●価格:583,000円(税込) (問)0120-1946-60/ESP ︎
見た目のインパクト大が強烈!なジョージ・リンチの“神風”
LA メタルの黄金期を象徴する“神風”モデル。長めのヘッドと共に、まさにジョージ・リンチといえばコレでキマリです! ピックアッ プが2基搭載されているのにピックアップ・セレクターが見当たらず最初焦りましたが、ボリューム・ポットをプル(=引っぱる)することでフロント・ピックアップに切り替わります。このギターで特徴的なのは、ネックとボディが共にハード・メイプルである点です。かなり重量級ですが、その意味は歪ませて弾いた時にはっきりわかりました。深く歪ませてもしっかり芯が残っているのです。今回試奏した中でも、メタル系リフを弾いた時の低域の安定感はダントツでした。またギター・ソロを弾いてもローがしっかり残っているので、下支え感があって速弾きも余裕です。特に、深く歪ませた時ほど音の太さが際立ってくるイメージですね。ジョージ・リンチ愛好家のみならず、当時の LA サウンドを再現したい人にも最適な1本です。
本記事は、ゆる〜くギターを弾きたい大人ギタリストのためのギター専門誌『ギター・マガジン・レイドバックVol.9』の記事から一部を転載したものです。今号は、工藤晴香を表紙に、『あの頃、ギターは泣いていた』と題した“泣きのギター”大特集、泣きのギターと泣ける映画がテーマの年表『泣きクロニクル』、昭和世代には懐かしい『成毛滋や竹田和夫のロックギター・レッスン』にまつわるルポなど、ユニークかつマニアックな特集を多数掲載。大人のギタリストにぜひ読んでいただきたい1冊です!
■詳細はこちら → https://www.rittor-music.co.jp/s/gmlb/
宮脇俊郎
みやわき・としろう◎1965 年、兵庫県生まれ。23 歳頃からプロ・ギタ リストとしてセッション活動を開始。知識・技術ともに、ロック、フュー ジョン、ジャズ......幅広いジャンルを網羅しており、『できる DVD と CD でゼロからはじめるエレキギター超入門』といったギター初心者の定番 教本、やさしく理論が学べる『最後まで読み通せる音楽理論の本』、日々 のギター練習に役立つ『究極のギター運指トレーニング』など、多彩な 視点・切り口からの音楽教則本/映像なども多数手がけている。現在 は著名人も通う自身のギタースクールを東京・下北沢にて開講中。