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- 2024/11/16
Gibson Generation Collection
ギブソンから新たなアコースティック・ギターのシリーズ“ジェネレーション・コレクション”が2021年9月に発表された。モンタナ州ボーズマンの工場で製作されるUSAメイドでありながら、ハイ・コストパフォーマンスを実現。さらに“プレイヤーポート”と呼ばれる独自開発した第2のサウンドホールをボディ・サイドに設けたことで、プレイヤーがより自身の音をモニタリングしやすくなり、高揚感を高めてくれる。伝統と革新を融合した魅力的な新モデルを、ギブソンも愛用するフィンガー・スタイリスト、松井祐貴にインプレッションしてもらった。
ジェネレーション・コレクションの一番の特徴であるプレイヤーポート。ギブソン社が独自開発した、サイド板に設けられた第2のサウンドホール。これがあることで、自分が鳴らした音をまるで耳元で鳴っているようにモニタリングできる。そのため演奏時の高揚感を高めてくれることにも繋がり、また自身の音も細かにチェックできる。このプレイヤーポートの発想は、すでに1964年にギブソンで作られた設計図に描かれ、そこからインスパイアされジェネレーション・コレクションで実用化されたというから驚きだ。
この試奏の収録ではサウンドホール前と演奏者側の2ウェイでサウンドの違いを検証してみたので、動画でぜひ聴き比べてしてほしい。
■ Generation Collection Line UP
ギブソンで最も人気の高いモデルと言える、ラウンド・ショルダーの“J-45”がベースになったG-45。なで肩のボディ・シェイプは抱えやすく演奏性も高い。また音色には新しいイメージもありながら、トラディショナルなJ-45のサウンド・ニュアンスもあり、既存のギブソンらしさも感じさせてくれるモデルに仕上がっていた。そのためポップな音楽から、ロック、ブルースまでさまざまなジャンルで重宝しそうな1本だ。
ギブソンで最も有名で、トラディショナルなモデルのJ-45と比べると、新しいサウンドになっていると思います。ただJ-45に近いイメージも感じさせてくれながら、高音寄りの新しい音になっている印象です。ハーモニックスも美しく響いてくれて、それが心地良かったですね。またプレイヤーポートが付いているので、音をモニタリングしやすく自分の音に酔いながら演奏でき、気持ちよく弾けます。ハイがしっかりと伸びてくれるので、メロディもとても綺麗に響いてくれていると感じました。フィンガーピッキングにも向いたサウンドですね。
カッタウェイ付きのボディ・シェイプが印象的なG-Writer EC。ハイ・ポジションまでの演奏性も高く、フィンガーピッカーからシンガーソングライターまで、幅広いプレイスタイルに対応できるモデルだ。音のレンジも広く、バランス良く鳴ってくれる。L.R.バッグスのピックアップも内蔵しているため、ライブでも重宝するだろう。汎用性の高さも魅力で、1本でさまざまな音楽に対応したいユーザーには特にオススメしたい。
これは音のバランスが良いモデルですね。低域もしっかり鳴ってくれますし、それによって高域をスポイルしてしまわず、うまく低域が高域をカバーしてくれる印象です。僕みたいなソロ・ギターでも、レンジが広いため使いやすいですし、弾き語りでもコードがバランス良く鳴ってくれるので使いやすいモデルだと思います。またピックアップはボディ・ヒッティングの音も拾ってくれて特殊奏法にも向いています。それにカッタウェイもありヒールの仕上げも良くて、ハイポジションまで弾きやすく、幅広いプレイヤーに対応できるモデルですね。
フラッグシップ・モデルであるJ-200譲りのジャンボ・ボディから生まれる、迫力のある低音が魅力的なG-200EC。このモデルはボディ厚がやや薄く、音のレスポンスが高められている。またカッタウェイがあり、指板もフラットにデザインされ、アドバンスド・レスポンス・プロファイルでネックが仕上げられ、高い演奏性を確保。またL.R.バッグスのピックアップも内蔵し、練習からライブまでシチュエーションを選ばない。
これだけしっかりした低音が出てくれると、気持ち良く感じるプレイヤーは多いと思いますし、低音好きの方にはたまらないモデルですね。ベース感を出しながら、しっかりとメロディを際立たせることもできますし、ソロ・ギターでも演奏の幅が広がると思います。デモ演奏ではその低域をさらに生かし、低音弦を下げたオープン・チューニングで演奏しました。特に低域を強調したい曲で使ってみたいですね。それからジャンボ・ボディではありますが、ボディの厚さが薄く作られているため抱えやすくて、音のレスポンスも良かったですね。
ブルースやラグタイムを楽しむミュージシャン、さらには弾き語りのシンガーソングライターからも人気の高い小型ボディの“L-00”。そのボディ・シェイプをベースに作られたのが、この新たなG-00。抱えやすいボディ・サイズは、女性や子どもでも弾きやすい。音にバランスとまとまりがあり、ピックアップとの相性も良さそうだ。基本的な仕様はジェネレーション・コレクション共通で、プレイヤーポートも、もちろん取り付けられている。
このモデルは、細かな音までしっかりと描き出してくれる印象があり、フィンガースタイルの曲で使ってみたいなと思いました。音のレスポンスも速くて、反応も素晴らしいですね。それからギブソンならではの短いスケールのためか、まろやかな音のまま伸びてくれるので、そこもすごくいい。僕はなで肩なので大きなボディのギターは使いづらいのですが、これはボディも小さく抱えやすいためとても演奏もしやすいですね。それからいい意味で、高音域も低音域も出過ぎず音にまとまりがあるので、歌の伴奏にも適していると思います。
ジェネレーション・コレクションは、ギブソンの新しいサウンド・イメージが感じられるシリーズですね。どのモデルも高域がシャキッと鳴る傾向があり、モデルごとに低域の出方などが違っていましたね。その音を生かしてフィンガーピッキングからストロークまで弾きやすく、さまざまなジャンルで使いやすいモデルだと思います。それに大きな特徴でもある“プレイヤーポート”があることで、弾いている際に耳元で自分の音が鳴っているような感覚があり、自分の演奏に酔いしれながら気持ち良く弾くことができます。それに自分の音がハッキリと聴き取れることは、細かなミス・タッチやノイズなどにも気づけるので、ギターの上達にも役立ちます。そういう意味でもプレイヤーポートは大切ですね。何より、憧れのUSAメイドのギブソンを手頃な価格で購入できるのが素晴らしい。僕はこのギターを、家での練習からライブまで使ってみたいですね。
1月28日(金)からギブソン公式YouTube“ギブソンTV日本版” にて豪華アーティスト出演の動画が順次公開されている。時代をつむぐ女性シンガーソングライターとして音楽シーンをリードし、世代を超えて愛される数々のヒット曲を持つmiwa、迫力あるアレンジと、繊細で芸術的な演奏で世界中で活躍するギター・マエストロ押尾コータロー、卓越したソングライティング・スキルでこれまで数々の時代に残る名曲を生み出し、唯一無二の歌声を持つシンガーソングライター山崎まさよしの3アーティストが、ジェネレーション・コレクションの魅力を語り、パフォーマンスを披露していく。
miwa
『ボディ・サイドにホールがあることで、歌っていてもギターの鳴りや響きが損なわれずにダイレクトに感じられるのが素敵だなと思います』
押尾コータロー
『ギブソンのノウハウが生かされているギター。ギブソンのオールドの良さも出しつつ現行モデルとして、この価格で実現できるギブソンの技術に圧倒されました』
山崎まさよし
『ギターには珍しいウォルナット材が使われているのは画期的。ギターにホールがふたつあることでモニターしやすいし、面白いなって思いますね。ずっと楽しんで弾けるし、ビギナーの人が始めるには向いていると思います』
価格:¥174,900 (税込)
価格:¥231,000
価格:¥287,100 (税込)
価格:¥144,100 (税込)
まつい・ゆうき
1986年、神奈川県横浜市生まれ。14歳からギターを独学で弾き始め、音楽専門学校に在学中、南澤大介に師事。ボディ・タッピングなどを駆使した特殊奏法を巧みに取り入れたパーカッシブでテクニカルな演奏は、YouTube動画でも話題となり、その総再生回数は3,000万回を超えている。2011年にはデビュー・アルバムをリリースし、2020年に発売された『You Made My Day』までオリジナルを4枚制作。また昨年はベスト盤『Trajectory of My Decade』や楽譜集『松井祐貴〜最新ヒットJ-POPソロ・ギター』も発表するなど精力的に活動している。