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- 2024/11/16
VOX / WACATCON ZICCA
ファンキーなカッティングに使っても良し。エモーショナルなリード・プレイに使っても良し。独特のエフェクト効果でギター・プレイを表情豊かに彩ってくれるのがワウ・ペダルだ。そのワウ・ペダルの魅力や可能性を改めて問うプレイヤーズ・コンテスト『全日本ワウ選手権』の模様をお届けしよう。
ワウ・ペダルのオリジネイターであるVOXが主催したコンテストで、ワウ・ペダルを使用したパフォーマンスであればプロ/アマ、ソロ/バンド、楽器問わず誰でも応募可能。実際、キーボードや三味線での応募もあったそうだ。応募開始以降100名以上のエントリーがあり、YouTubeやTwitter、Instagramなどに投稿された演奏動画による予選を勝ち抜いた5名が選出。本来はライヴ・パフォーマンスによる最終審査が昨年3月に行なわれる予定だったが、コロナ禍により延期され、ようやく10月30日(土)に都内にあるコルグのスタジオ、G-ROKS 1st.でファイナル・イベントを開催することができた。Charを審査員長に迎えたこの最終決戦の模様を見ていこう。
ライヴ・パフォーマンスによる最終審査に進んだのはすべてギタリストで、坂本 学、冷泉モズク、Chayumu-ちゃゆむ-、みゅうとし、MOT GUITARの5名が順に演奏。トップ・バッターながら堂々のソロ・ギターで魅せてくれた坂本以外はバッキング・トラックに合わせた演奏だったが、ラテン風味の冷泉モズク、Charゆずりのロック・ギターを披露したChayumu-ちゃゆむ-、テクニカルなデジロック風のみゅうとし、シティ・ポップのMOT GUITARと音楽性はさまざま。その中でワウ・ペダルも様々な表情を見せてくれた。ワウの足さばきもよく見えたが、リズムやフレーズに合わせて操作するという、ワウ・ペダルならではの魅力も十分に伝わったのではないかと思う。
ファイナリスト5名のパフォーマンスが終了し、いよいよ最優秀賞の発表となったが、審査員長であるCharの「音楽で勝ち負けを決めることはできない」という提案もあり、急遽ジャンケンで決定することに! その結果、トップ・バッターとしてソロ・パフォーマンスを披露した坂本学が見事『全日本ワウ選手権』最優秀賞となった。ちゃぶ台返し的な展開ではあったものの、確かに5人のパフォーマンスに優劣はなく、また、指弾きのヒッティングやヴォリューム奏法に合わせたワウ・プレイなど、各人の自由なワウの使いこなしを堪能することができたかと思う。
最優秀賞の坂本 学には、賞状と“黄金のワウ”に加え、Charとのセッションという特典が与えられた。Charが何気なく爪弾くE7(♯9)コードにすぐさま反応し、澤田浩史(b)とZAX(dr)がゆるやかなグルーヴを紡ぎ出す。坂本はワウをからめたR&B風のコード・プレイからスタートし、ジャズ・ロック的なリード・プレイなどを披露。引き出しの多さが印象的だった。それを受けたCharはアームも駆使したリード・プレイや坂本へのフレーズ・パスなど余裕のプレイ。最後には坂本とCharが向かい合い、ギターで語り合うかのようなアドリブ合戦も披露された。
VOXとCharのコラボレーションにより誕生したカスタム・ワウ・ペダル。従来のモデルより可変帯域を低く設定したうえ、ゲインのアップや可変ピークの鋭さなどを調整したことで、パワフルかつ重心の低いサウンドを実現した。軽めのスイッチ感や、オフ時にはトゥルー・バイパスとなる点も本機の特徴。バック・プレートには和風の波型イラストと共に“脇役音”というデザイン・ロゴが記されているが、リズム/リード問わず多彩に活躍してくれるワウ・ペダルだ。
【曲目】
①Stylist
②You
③Creepin’
④Infant Elefant
⑤Walking On Air
⑥Gacha Gacha
⑦Rushing’ kiz
⑧Change
⑨Fret To Fret
⑩Mr. Liar
⑪Moving Again
【メンバー】Char(vo,g)、ロバート・ブリル(d)、佐藤準(k)、他
ZICCA ZRFF-01 3,000円 2021年9月29日発売
Char公式WEB『Fret to Fret』特設サイト https://www.zicca.net/fret-to-fret/#1