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- 2024/11/16
HEADWAY EDB-2 H.E/UNIVERSAL AUDIO Volt 276
アコースティック・ギターにおいて、ライブはもちろん宅録や動画制作でもライン音の必要性が爆上がり中だ。特にSNSを駆使するフィンガースタイリストにとって、ピックアップ・システムは必需品と言ってもいい。そこで今回は、井草聖二に注目のプリアンプを2モデル試してもらった。そのサウンドや感想を参考に、より楽しいアコギ・ライフを実現してほしい!
※使用ギターは井草愛用のメイトン70th Anniversary Dreadnought。録音はすべてギター直、なおかつライン音のみです。
ヘッドウェイEDB-2 H.Eは、プリアンプ/DIとして好評を得ていたEDB-2の後継機種。プリアンプ部はノイズ耐性に優れ、クリアな音質が得られるクラスA回路を採用。独立した2ch(ch1はフォーン入力、ch2はフォーン&XLR入力のふたつを装備)それぞれに、緻密に音作りできるイコライザーが付き、アコギで定番のデュアルピックアップで使用する際にも便利だ。また自然な倍音を付加する新機能H.E.A.T(エンハンサー)、ノッチ・フィルター、フェイズ・スイッチなど、幅広い使い方に対応できる。
Volt 276は、プロ・ユースのレコーディング機材を数多く手がけるユニバーサル・オーディオが開発した2chのオーディオ・インターフェイスだ。コンパクトなインターフェイスとして注目が集まっているが、各chに質の高いヘッドアンプを搭載。またチューブ・エミュレーション回路によるビンテージ・マイク・プリアンプ・モードと、同社の名機 “1176”のサウンドをシミュレートしたアナログ・コンプレッサーも備わっており、アコギ用プリアンプとして使用しても重宝する。
EDB-2 H.Eは、まさに万能なプリアンプという印象です。どんな状況にも対応できるインプット、各種コントロールが付いています。使い方はいろいろ考えられて、エレアコ1本でもいいですし、デュアル・ピックアップなら2系統のまま入力できます。それからファンタム電源も供給できるので、エレアコ以外に外部マイクを立てるセッティングもできて、シチュエーションに左右されずに使えます。
音質はナチュラルですが、ローにガッツがあるように感じました。EQが細かくセッティングできるので、音もかなり作り込めますね。レンジというボタンを使えば、高音域の出方が変わります。あとH.E.A.Tというハーモニック・エンハンサーが搭載されているので、これを使うことで倍音成分がすごく綺麗に立ち上がってくれます。一段階上のアコギの音を目指す方にオススメしたいプリアンプです。
Volt 276は、InstというスイッチでDIを介さずアコギを直接入力できる点が便利ですね。それを生かし、ギター用のプリアンプとしても使えます。例えばch1にライン、ch2に外部マイクの信号を入力。それをミックスして、より生音に近い音作りも可能です。音質は温かみのある音ですね。ビンテージ・マイク・プリアンプ・スイッチを押すと、すごく音楽的でギターにとっておいしい部分が出てくれます。コンプレッサーが内蔵されているのも嬉しいし、かなり効果的です。操作がシンプルで、初見でも使えるくらい親切な設計だなって思います。フォーンのアウト端子もあり、ライブでプリアンプ的にも使えますし、動画撮影などでも重宝しますね。
本記事は、『アコースティック・ギター・マガジンVol.91』(1/27発売)の特集記事を転載したものです。“基本知識のおさらい&導入ガイド デュアルピックアップ・システム2022”と題し、ふたつのピックアップでリアルな音像を実現するデュアル・システムについてご紹介。井草聖二や松井祐貴へのインタビュー、プリアンプやDIを含めた基礎知識のおさらい、ピックアップ&プリアンプのバイヤーズガイドに加え、システムのトータル・オーダーに関してアンフィニカスタムワークス、M-factory、TRIALに取材をしています。そのほか巻頭のエリック・クラプトン特集を始め、盛りだくさんの1冊です。ぜひチェックしてください!
価格:¥40,700
価格:オープン
井草聖二
ソロ・ギタリスト。特殊奏法を含めたフィンガースタイルやピック弾きなど、多様なスタイルを得意とする。SNS動画や配信などでライン音も積極的に活用している。