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  • "夢の空間"を実現した自宅スタジオに大接近!

アコースティックエンジニアリングが手がけた"ドラムが叩ける"プライベート・スタジオ Vol.29

アコースティックエンジニアリング

“自宅で思いきり音を出したい!”、“いつでも楽器を鳴らせる環境を手に入れたい!”……自分のスタジオを持ちたい願望は、楽器を演奏する人ならば誰もが思うこと。そんな“マイ・スタジオ”の夢を実現してくれるのが、プロ用のスタジオやライヴ・ハウスの防音/音響工事も行う、アコースティックエンジニアリングだ。ここでは同社が手がけた“ドラムが叩ける”プライベート・スタジオにフォーカス! 今回はプロ・ドラマーとして活躍する能村亮平の自宅スタジオを活用法含め、2回に渡り紹介していく。

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CASE:29 東京都 能村亮平邸スタジオ〜前編〜

のむらりょうへい:Musicians Institute, Hollywoodへ留学。首席で卒業し、卒業生の中で最も優れたプレイヤーに贈られるOutstanding Player Awardを受賞。卒業後は同校でインストラクターを勤めながら、LA周辺のさまざまな演奏、レコーディングに参加。2005年に帰国後、ライヴ、レコーディング、TV収録など、幅広い活動をしている。カノウプスのエンドーサー

スタジオつきの家を建てても自分は10年くらいで元が取れる

 “家を建てるからドラム部屋を作る”という話はよく聞くんですが、僕の場合は、いつでもドラムが叩ける場所がないと、仕事に支障をきたすと思ったのが、スタジオを作ろうと考え始めたきっかけです。僕は今、プロ・ドラマーとして活動していますが、例えばレコーディングの話が来たら、以前はそこからスタジオを予約してドラム・セットを運んで組み立てて、ようやく練習してまた片づけてという流れで仕事の準備をしていたんです。それでも実質練習できる時間は限られていますし、他にもスケジュールがいろいろとあるわけで、環境の制約のせいで自分のパフォーマンスのクオリティが低くなることが悔しかったんです。それであるとき、具体的にひと月に払うスタジオ代や交通費を計算していったら、今と同じような状態でスタジオ代を払い続けた場合、スタジオつきの家を建てても自分は10年くらいで元が取れることがわかったんです。そこからいろんな選択肢を考えて、今、自分の条件に合うのは土地を買ってそこにスタジオつきの家を建てることだということに辿り着きました。それでいろいろなメーカーに連絡を取って調べていったんですが、最終的にアコースティックエンジニアリング(以下AE)さんの価値観と僕が優先したかったことが合致したのでAEさんにお願いすることにしました。

スタジオの床面積は約9畳。吸音パネルはドラム・セットが置かれた3面の壁にのみ取りつけられている

スタジオがある/ないで僕の人生の豊やさが違ってくる

 この家の土地は隣家との壁の間が1m以内なんですが、僕が第一に優先したかったのは、その条件でも24時間ドラム・セットをフル・ボリュームで叩けることだったんです。その難しい要望でもAEさんは大丈夫と答えていただき、さらに“いらない”というところと、“ここはこだわりたい”という僕の要望を柔軟に受け入れてもらって、コスト面に反映していただきました。あと、スタジオの面積はなるべく広くしたいということも伝えました。大雑把に言えば、部屋の中の空気の体積で残響が決まるんです。狭い部屋ですごく良い音と思っていても、仕事の現場に行くと違って聴こえることもあるんです。だからあくまで可能な限り良い音環境で叩くことを考えて部屋は広い方がいいと考えました。でも壁を厚くすれば遮音性能は上がるわけで、そのせめぎ合いもあるんですが、僕はこの敷地、この環境で今日本でできる最高の施工をしてもらったと思っています。このスタジオは入念な下調べをしてイメージして作っていったので、事前に想定していた通り、快適に使えています。ドラムをフル・ボリュームで叩いても、隣りの家が窓を閉めていれば24時間、何も聴こえてこないですよ。スタジオを手に入れたことで、今後仕事は充実していくと思いますが、それとは別に、スタジオがあるのとないのとで僕の人生の豊やさが違ってくると思っています。(後編に続く)

デスクや棚を置いて書斎としても使えるように考えていたため、天井面には一部凹凸のある材を取りつけていることでスタジオ内の音の響きを良くしている

2重ドアは外側(玄関側)が木製、内側がスティール製。出入り口のスペースがやや狭いため、外側のドアを180度開くようにして搬入/搬出をスムーズにできるよう工夫されている

都内の住宅密集亭にある能村さんの自宅スタジオは木造住宅の1階部分

隣家の壁との距離は1mもないが、壁厚に工夫をしたため音は外に漏れない。深夜にフル・ボリュームでドラムを叩いても外にはほとんど聴こえないほど

ドラマーが自宅練習スタジオを実現するには?

 ドラマーの方が自宅スタジオを建設するには集合住宅よりも戸建て住宅の方が良いということはこれまで紹介した通りです。では戸建て住宅の中でもどのようなタイプが優れており、なおかつ現実性があるのでしょうか。

 戸建て住宅の遮音性能は、地下室および鉄筋コンクリート造の方が木造よりも優れていますが、建設費は木造よりもはるかにコスト高になる上、地下室でもどのみち遮音工事は必要になります。建設費がローコストな木造にスタジオを造った場合でも外壁前でD-70等級の遮音性能は実現可能です。仮に近隣住戸との距離が1メートル足らずであったとしても、通常の外壁、サッシの遮音性能が木造でD-25等級以上とすればトータルでD-95等級以上になります。ドラムの音量が110dB前後とすれば近隣住戸内では15dB以下となるので、近隣に対して問題となる可能性は低いと言えるでしょう。そして住宅密集地や狭小地における建ぺい率ギリギリの木造建物であってもスタジオは十分実現可能です。このように考えれば、木造住宅にきちんとした遮音工事をすることがコスト的に最もリーズナブルと言えます。(設計担当:入交研一郎/アコースティックエンジニアリング)

 ※本記事はリズム&ドラム・マガジン2010年1月号の記事を転載したものです。

後編はこちらから!

CASE:30 東京都 能村亮平邸スタジオ〜前編〜

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アコースティックエンジニアリングとは?

 株式会社アコースティックエンジニアリングは、音楽家・音楽制作者のための防音・音響設計コンサルティングおよび防音工事を行う建築設計事務所。1978年に創業して以来、一貫して「For Your Better Music Life」という理念のもと、音楽家および音楽を愛する人達へより良い音響空間を共に創り続け、携わった物件の数は2,000件を超えている。現在も時代の要請に答えながら、コスト・パフォーマンスとデザイン性に優れ、「遮音性能」、「室内音響」、「空調設備」、「電源環境」、「居住性」というスタジオの性能を兼ね備えた、新しいスタイルのスタジオを提案し続けている。

株式会社アコースティックエンジニアリング

【問い合わせ】
TEL:03-3239-1871
Mail:info@acoustic-eng.co.jp
住所:東京都千代田区九段北2-3-6九段北二丁目ビル

HP:http://www.acoustic-eng.co.jp

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株式会社アコースティック・エンジニアリング TEL:03-3239-1871 http://www.acoustic-eng.co.jp
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