Product Overview
Solid State Logic SSL 2 / SSL 2+

Solid State Logic SSL 2 （※）

Solid State Logic SSL 2+（※）

　2チャンネルのアナログ入力に、ローノイズでワイドなゲイン・レンジのマイクプリを搭載したUSBオーディオ・インターフェース。各チャンネルに新たなアナログ回路によって SL4000シリーズのサウンドを再現できるエンハンス・エフェクト「Legacy 4K」も装備し高品位なサウンドを提供する。ラインナップは2イン／2アウト仕様の“SSL 2”、2イン／4アウトに加えMIDIイン／アウトを備えた“SSL 2+”。Mac／Windows両対応でバスパワー駆動が可能。

USB電源アダプターを使用して単体のマイクプリとしても起動可能

　SSL2/SSL2+は、外部USB電源アダプターから電源を供給することで単体のマイクプリ、モニター・コントローラーとしても使用ができる。

パソコンにつながなくても本機のマイクプリや4Kなどのオイシイ部分だけを使うことができる（すべてのUSB電源アダプターが使えるわけではありません。十分な電源容量のあるものをご用意ください）（※）

Impressions
森元浩二. に訊く SSL 2/ SSL2+ の魅力

森元浩二.

── すでにSSL2+をお使いになっているようですが、第一印象はいかがですか？

　デザインがカッコ良くて値段も手頃で、持っておくと便利だなと思って購入しました。普段はもっと多入出力のオーディオI/Oを使っていますが、SSL2+はフィールド・レコーディングする時やプライベートなレコーディングなどで使っています。この値段が信じられないくらい本当に良くできている。これ出されちゃったらほかのメーカー大変だろうなって思いました。つまみがSSLのコンソールと同じデザインっていうところも気に入ってますね。

── 「Legacy 4K」（4Kボタン）の音質について感想をお聞かせください。　

　「4K」ボタンを押すとハイが足されて音抜けがよくなりますね。音楽的に前に来る感じがします。録音する段階でこういう処理をしておくと後処理が少なくなるんですよ。しかもアナログ回路で再現している。アナログ回路とデジタル回路でやるのでは全然違いますからね。

── ローノイズでワイドなゲイン・レンジのマイク・プリアンプも2基搭載していますね。

　ノイズ・パフォーマンスというのは、ゲインをあげる時に聴こえる“サー”というノイズがどのぐらい出るのかを表していて、低ければ低いほど良いです。SSL2のノイズ・パフォーマンスは-130.5dBですか……、ずいぶんと低ノイズですね。おそらくSL4000とあまり変わらないと思いますよ。ゲイン・レンジはコンデンサー・マイクでボーカルを録る場合だと30dBぐらい、ダイナミック・マイクで録る場合でも50dBぐらい使いますが、SSL 2は62dBもある。これなら何でも録れますね。

SL4000シリーズの特徴的なサウンドを再現する「4K」ボタン。押すだけでエッジの効いたパンチのあるサウンドを生み出せる

SSLコンソールを見てわかるようにSSL 2/2+のつまみはこれらのデザインが採用されている

── 森元さんなら“SL 2”と“SSL2+”どちらをオススメしますか？

　どちらも入力の数は同じですが、SSL 2+にはMIDIイン／アウト1系統と出力が4つ搭載されています。最近のMIDIキーボードは、USBでつなぐからMIDIはなくても良いかもしれませんが、出力が4つあるとスピーカー2個鳴らしたり、録音する人と歌う人にそれぞれヘッドフォン出力を分けたり、DAWで外部エフェクターを使えたりと、広がりが出てきますよね。値段の差は1万円ぐらいなんで、後々のことを考えるとSSL 2+を買っておくのがいいかもしれません。

SSL 2（写真左）とSSL 2+（写真右）。SSL 2+は出力に数が異なるのでトップパネルのレイアウトが若干異なっている

プラグインLMC+とFlexVerbについて

── ただいま SSLを購入してユーザー登録するとプラグイン LMC+とFlexVerb （398ドル相当）が無償提供されるキャンペーンが始まっています。（無償提供キャンペーンは終了しました）

　LMC+とFlexVerbって買うと合計4万円ぐらいしますよ。しかも、今までどおりVocalstrip 2 と DrumstripのプラグインやPro Tools | First、ソフト音源も付属してめちゃくちゃお得ですね！

LMC+　〜SL4000Eのリッスンマイクコンプレッサーを再現

SSL LMC+

　SSLコンソールには“Listen Mic”というブース側と会話をするためのボタンがあって、これを押すとブース側のマイクの音声がこちら側で聞けるんですけど、過度な入力があってもいいようにキツめにコンプがかかるようになっているんです。そのコンプのかかり方が独特だったので、海外のエンジニアが面白がっていろんなものにかけることが流行しました。LMC+はそのコンプのシミュレーションですね。

SL4000GのLISTEN MICボタン。プラグインSSL LMC+は、ここに搭載されているコンプレッサーをシミュレーションしている

　どちらかと言うと、例えばドラムのルームマイクやボーカルなどを歪ませたい時に効果的です。DRY／WETを調節して原音も混ぜて使うようにすると、コンプがかかったときに音量が下がらず歪み成分が足される感じで使えます。今ちょうど制作している女性ボーカル・トラックにLMC+をインサートしてみたんですが、ちょっと前にくる感じが出てとてもよかったです。

FlexVerb 〜高級感ある4つのリバーブを搭載

SSL Native FlexVerb

　FlexVerbは、バージョンアップしてからさらに密度が濃くなってすごく良くなりましたね。すごくリッチな音がします。リバーブってどんなものを使うかによって、音楽の格が全然違って聴こえるんですよ。例えば、ライブの音が悪く聴こえる場合って、実はリバーブの質が悪かったりします。だから私がPAする時はPro Tools持っていってプラグインのリバーブを使うんですが、FlexVerbもそんな感じで使えますね。これから積極的に使ってみようと思います。

SSL 2 / SSL 2+をオススメする理由

　オーディオ・インターフェース選びで大事にしたいのは、良い音質で録音できるものを選ぶことです。画素数が荒い写真をどれだけ加工しても良くならないのと同じように、音も元が良くないと加工しても良くなりません。

　出音も同様に重要です。聴いている音に反応して音を作っていくわけですから、出音が悪いと楽曲のクオリテイもそれなりのものにしかなりません。ソフト音源で制作しているので録音は不要という場合でも、良い音の出るオーディオ・インターフェースを使って制作した方が良いものができるはずです。

　以上の点からもSSL 2 / SSL 2+は良くできています。プロ用のハイエンド機器はさすがに家で使うことは難しいですが、それと聴き比べてもかなりいい線いってるので十分なクオリティは保てるはずです。おそらく皆さんもこのぐらいシンプルで音が良いものを望んでいたと思いますよ。見た目もかっこいいですし。

　予算3〜4万円で良い音で音楽制作したいなら、絶対SSL 2 / SSL 2+ですね。