楽器探しのアシスト・メディア デジマート・マガジン

  • 特集
  • 技 WAZA CRAFTが再定義する究極のビンテージ・ファズ・サウンド

BOSS FZ-1W × 鷲山和希(Suspended 4th)

BOSS / FZ-1W

BOSSの技 WAZA CRAFTシリーズから完全新作のオリジナル・ファズ・ペダル=FZ-1Wが登場! 徹底的にビンテージ・ファズを探求し、BOSS独自の視点で“ビンテージの魔力”の核心に迫ったという本モデル。鷲山和希(Suspended 4th)によるレビュー動画とともに、その実力を紹介していこう。

このエントリーをはてなブックマークに追加

BOSS FZ-1W × 鷲山和希(Suspended 4th)

BOSS FZ-1W
“技”が解き明かすビンテージ・ファズの魅力

BOSS / FZ-1W

 FZ-1WはBOSSが思い描く“究極のビンテージ・ファズ・サウンド”を形にした完全新作のファズ・ペダルだ。従来の技 WAZA CRAFTシリーズといえば、一部例外はあるものの、BOSSによる歴代の名機群を現代の視点で再構築したものが通例だった。しかし過去の“FZ”といえばFZ-2、FZ-3、FZ-5の3モデルであり、このFZ-1Wはモデル名からしてそれらと一線を画すことがわかる。さらに、BOSSのコンパクト・エフェクターにとって“1”は特別な意味を持つ数字だ。SD-1やDS-1など、誰もが認める名機とも肩を並べる存在だというBOSSの自信が込められているのである。

 ちなみに本モデルのコンセプトである“究極のビンテージ・ファズ・サウンドの探求”には、2021年4月に発売されたBOSSとソーラサウンドのコラボレーション・モデル、TB-2W Tone Benderの開発経験が大きく影響したという。伝説的存在であるトーンベンダーのサウンドを再構築していく中で改めてビンテージ・ファズの奥深さに触れた開発チームが、そのノウハウをさらに推し進めるべく、より独自の視点でファズを探求した結果がFZ-1Wに結びついたというわけだ。

写真右がソーラサウンドとのコラボレーション・モデル、TB-2W Tone Bender

 基本的なコントロールはLEVEL、FUZZ、TONEとシンプルなので、直感的に好みのサウンドにたどり着けるだろう。さらに技 WAZA CRAFTらしい特徴としてビンテージ・モード/モダン・モードという2つのモードを切り替えることが可能だ。ビンテージ・モードはきらびやかな高域を備えたクラシック・サウンドで、ギター側のボリュームを絞った際に得られる独特の鈴鳴りが魅力。一方のモダン・モードはよりダークかつファットなキャラクターで、ブ厚いファズ・サウンドを好むギタリストに最適だ。両モードに共通するポイントはギター側のボリューム操作への追従性の高さ。激しい歪みから軽やかなクリーン~クランチまでをフレキシブルに行き来できる感覚はまさにビンテージ・ファズ特有のものである。

トップ・パネルのスイッチでビンテージ・モード(V)とモダン・モード(M)を切り替える

 そして古いファズといえば故障やトラブル、接続順によるインピーダンスの問題など悩ましい要素がつきまとうのが常だが、もちろんFZ-1Wはその点も解消する。BOSSならではの信頼性の高い筐体、シリコン・トランジスタによる安定した動作に加え、信号をピュアに保つ高品位なバッファも搭載。ビンテージ・ファズの“オイシイ”ところだけを楽しめる、全方位死角無しのモデルだと言えるだろう。

デジマートでこの商品を探す

Impression Of 鷲山和希(Suspended 4th)

ビンテージの“マジック”が再現されている。

──FZ-1Wの第一印象は?
 この筐体から出てる感じの音じゃないというか、いわゆる有名なビンテージ・ファズに近いニュアンスの音がアウトプットされているなという感じがしますね。でも操作感はビンテージと違ってトーンの効きが良かったり、セッティングのスイート・スポットが多いなというのが第一印象です。あと、ギター側のボリュームのコントロールへの追従性が高いことにも驚きました。今の自分のプレイスタイル的にこれ1台でなんとかなるなと思うし、常に自分のギグバッグに入っているようなエフェクターになるんじゃないかな。

──ビンテージ・モードのサウンドについて感想を教えて下さい。
 サクッと弾いてみますね……これヤバいですね(笑)。モダン・モードよりもビンテージ・モードのほうが、動画を通して伝えづらい、例えば倍音や部屋が揺れる感じを体感できる印象です。実際に弾かないとわからないような。皆さんには動画を通してマイクで録った音を聴いてもらっていると思うんですけど、このスタジオで聴いたら信じられないくらいローが出てますよ。いわゆるビンテージのファズもこういう部分が“マジック”の部分なのかなと思うので、それがしっかり再現されているというか、まさしく“ビンテージ”なモードだなと思います。それから自分はファズを使う時、ピッキングするポジションによって音が変わるということを研究しておりまして。ビンテージ・モードはそういうニュアンスの違いを想像以上にしっかり出してくれるなと感じました。

──続いて、モダン・モードについては?
 モダン・モードはめちゃくちゃ音が太いですね。自分もリフを弾く時はよくファズを踏むんですけど、オーバードライブじゃなくてファズを使う理由として、とにかくデカい音が欲しいときに踏むエフェクターだと思っていて。それにちゃんと応えてくれるモードだなと思いました。“デカい音”って自分の中で基準がありまして、プレーン弦から巻弦にかけてローの印象が変わらない感じ。どこを弾いてもある程度のロー感が存在しているというか。同じフレーズを6弦で弾いても5弦で弾いても遜色なく出せるので、ギタリスト的にはありがたいですよね。自分はギター・ボーカルなので、こうやってプレイが楽にできるペダルは助かります。歌いながら、弦のことを考えずに手元にあるトーンをパッと出せるので。

──どんなギタリストにオススメですか?
 まず筐体がBOSSなのがいいですよね。普通のビンテージ・ファズって電池がカラカラしたり、そもそも筐体自体が脆かったりして持ち運びに気を遣わないといけないんですけど、FZ-1Wはその点信頼が置けるペダルだなと思います。とにかく単音リフを弾く人とか、“俺のギター・ソロを弾け!”って人はコレを買ったらいいと思います。しかも、FZ-1Wって名前に“1”が入るんですね。“1”ってBOSSの製品の中でもなかなかない数字ですよね? 相当自信を持って出してきているペダルだなと。ファズに興味があってもなかなか踏み出せない人ってけっこういると思うんですけど、FZ-1WはBOSSからの太鼓判が“1”っていう数字に込められていると思うので、マストバイなんじゃないでしょうか。

このエントリーをはてなブックマークに追加

製品情報

BOSS / FZ-1W

価格:オープン

【スペック】
●コントロール:LEVEL、TONE、FUZZ、モード切り替えスイッチ●電源:9Vアダプター、9V電池●外形寸法:73(W)×129(D)×59(H)mm●重量:430g
【問い合わせ】
ローランドお客様相談センター TEL:050-3101-2555 https://www.boss.info/jp/products/fz-1w/
デジマートでこの商品を探す

プロフィール

鷲山和希
わしやま・かずき●2014年に結成された名古屋在住の4人組ロック・バンド、Suspended 4thのボーカル&ギター。65年製のビンテージ・ストラトキャスターを愛用する。

製品レビューREVIEW

製品ニュースPROUCTS