Positive Grid Spark LIVE meets Toshiki Soejima & Naho Kimama
- 2024/12/13
Ibanez / AZ Essentials
Ibanezがもつ技術の全て=“A~Z”を詰め込んだ、高い演奏性と音作りの幅広さが人気のAZシリーズ。このたびそのファミリーに、ビギナーに最適なエントリー・クラスであるAZ Essentials(AZES)シリーズが加わった! リーズナブルな価格帯と納得のクオリティを両立させた本シリーズの実力を、ギタリスト有賀教平による試奏動画とともに紐解いていこう。
上位ライン譲りのハイ・クオリティを
リーズナブルな価格帯で実現!
高い演奏性と良質なサウンドで、モダン志向のプレイヤーを中心に高い人気を誇るIbanezのAZシリーズ。当然ながらそのクオリティの高さに比例して、従来の“AZ”の価格帯といえば新品価格で約15万円前後~30万円前後(市場実勢価格)とハイエンド寄りのラインナップが主流。プロがそのままステージで使える品質であることを考えれば決して高価すぎはしないが、ビギナーにとっては中々手が出しづらいのも事実だった。
そこでこのたび、“AZのサウンド、演奏性、汎用性をこれからギターを始めるビギナーに届ける”ことをコンセプトとして登場したのがAZ Essentials(AZES)シリーズだ。このシリーズ名には“初心者の方がギターを楽しみながら、しっかり基礎を学び習得するために必要な楽器の本質(エッセンス)を詰め込む”という、Ibanezのポリシーが表われている。新品価格は3万5千円~4万円前後(市場実勢価格)であり、まさに初心者が初めて手にするギターとしても最適だろう。
最大のポイントはもちろん、AZシリーズ上位ライン譲りのクオリティが随所に取り入れられていること。バランスに優れたボディ・シェイプやジョイント部のヒールカット加工はもちろん、なんとサウンド・バリエーションを増やす“dyna-MIX スイッチング・システム”まで踏襲しているのだから驚きである。その一方でビギナーに向けて変更された仕様もあり、例えばネック・スケールはやや短めの25インチ(635mm)、指板Rにはほどよい丸みの250mmを採用して弾きやすさを重視。木材は中高域を意識してネックにメイプル、指板にジャトバ、ボディにポプラという構成だ。
シリーズ内ではピックアップの配列とトレモロの有無によって、SSS配列・トレモロなしの“AZES31”と、SSH配列・トレモロありの“AZES40”の2種にわかれる。基本的なスペックはほぼ同じだが、前者AZES31はAlterスイッチによって計8種類、後者AZES40は計9種類のサウンド・バリエーションが得られる。またカラーリングはAZES31がVermilionとIvoryの2種、AZES40はPurist BlueとMint Green、Blackの3種だ。このように2モデル間で少々機能が異なるが、ビギナーの場合は直感的に見た目が好みな1本を選んでしまってもよいだろう。
弾き心地やサウンドなど、
実践的に使えるギターです。
──AZ Essentials(AZES)を弾いた第一印象を教えて下さい。
抱えてみて、まずバランスがめちゃくちゃ良いなと思いましたね。安い価格帯のギターってボディとネックのどっちかが重かったりすることもあるんですが、コレはそんなこともないし、しかも軽いんです。ギターを始めたばかりの人でも負担なく弾けるギターなんじゃないかなと思いました。あと、スケールも普通と少し違うんですよね? スケールが短かいとローが出ないことが懸念されると思うんですけど、サウンド面でもフル・スケールのギターと遜色なく弾けて気持ち良かったですね。
──演奏性はいかがでしたか?
ネックの握りがほどよいですね。本当にちょうど良いというか、小さすぎず太すぎず。女性にもオススメできるかなと思いました。いい意味でクセがないネックですね。指板のラディアスもチョーキングの時に音詰まりがないですし、かといって平らすぎることもないのでコードも弾きやすいんです。あと、ヒール部分のカットのおかげでハイ・ポジションが弾きやすい! ここがちゃんと考えられているのはさすがだなと思いました。
──サウンドのクオリティについても教えて下さい。
AZES40のほうはピックアップがSSH配列で汎用性が高いですよね。ハーフトーンなども文句ナシに音が良いです。それぞれのピックアップがクリアで、ハーフトーンではそれが混ざったことで濁りの少ないサウンドが出せていると思うので、すごく好きですね。ファンクをやるのにはもちろん、暖かい音も出るのでジャズ系のフレーズにもすごく合うと感じます。
──Alterスイッチの使い勝手は?
効きがすごく良いです。トラッドなピックアップ配列とは別に、普通のギターでは出せないような音も出せるので、これ1本でなんでも弾けるような万能さがあると思うんですよ。Alterのバリエーションも含めて、全部が使える音でオススメできます。
──AZES31(3S配列・アームなし)とAZES40(SSH配列・アームあり)の違いについてはいかがでしょうか。
リア・ピックアップが違うのでサウンドの違いはあるんですけど、単純に“アームを使ってみたい”という人はAZES40を選んでみるとか、それくらいの考え方でいいのかなと思います。どちらのギターもボディの抱えやすさや弾き心地、そしてサウンドは実践的に使えるものなので、初心者・中級者の方にすごくオススメできますね。僕は普段もっと上の価格帯のギターを使ってはいるんですけど、今日弾いてみて単純に僕も欲しくなりました(笑)。そういう、サブで使うギターを探している人にも勧められるかなと思います。
価格:オープン
価格:オープン
有賀教平
ありが・きょうへい/セッションやレコーディング、サポートを中心に活躍するギタリスト。ネオソウル系統の洒脱なプレイ・スタイルが多くのギタリストやリスナーから支持を集めている。著作の教則本『ネオ・ソウル・ギター・フレーズ・レシピ』(株式会社アルファノート)が発売中。