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- 2024/11/16
BOSS / HM-2W
1983年から1991年にかけて生産されたBOSSの伝説的ディストーション・ペダル=HM-2 Heavy Metalが、“技 WAZA CRAFT”シリーズにてHM-2Wとして蘇った! オリジナル機の過激さはそのままに現代的アップデートが施された本モデルを、丸山漠(a crowd of rebellion)の試奏とともに紹介していこう。
BOSSの歴史的名機を現代の技術でビルドアップさせ、その高い品質で多くのギタリストから人気を集める“技 WAZA CRAFT”シリーズに、アナログ・ディストーション・ペダルのHM-2W Heavy Metalが加わった。オリジナルのHM-2は1983年から1991年の間に生産され、過激な歪みを求めたスウェーデンのメタル・シーンや、“音の壁”を作り上げるシューゲイザー・ギタリストなど、世界中に熱狂的な愛用者が存在するモデル。生産終了から約20年が経った今、そうしたファンからのリクエストに応える形で待望の復活を遂げたのだ。
技 WAZA CRAFTとしての基本的な特徴はシリーズの他モデルと同様で、高品位なバッファの搭載に加え、オリジナル機のサウンドを突き詰めたスタンダード・モード(S)と、さらに攻撃的な歪みを創出するカスタム・モード(C)の切り替えが可能だ。ちなみにこのS⇄Cを切り替えるスイッチは、従来の技シリーズではツマミと並んでトップ・パネルに配置されていたが、本モデルは筐体上部側の側面に移動。オリジナル・デザインの維持に一役買っている。
スタンダード・モードはオリジナル機のトーンとレスポンスを完全に再現しつつ、LEVELの最大値を3dB拡大し、ノイズも低減することでより優れた歪みへと正統進化。そしてカスタム・モードはそのキャラクターを維持したまま、ゲイン回路に特別なチューニングを施すことでさらに強力な歪みを生み出し、音の鋭さやアタックも強調。低域と中高域の特性も再調節され、高い密度と明瞭さを兼ね備えたサウンドをアウトプットする。
そんな本機の最大の持ち味は、すべてのツマミをMAXまで回し切った際に得られる通称“チェンソー・トーン”だ。極悪なキレ味を誇るこのサウンドはまさに唯一無二と言えるもので、オリジナル版HM-2が熱狂的な支持を集めた最大の要因でもある。楽器店などで本モデルを試奏する機会があれば、ぜひ真っ先に全ツマミを回し切り、その真価を味わってみてほしい。
極悪なリフを刻みまくる人はぜひ試してほしい!
──HM-2Wを弾いてみた第一印象は?
とにかく激しいサウンドですね。ローもすごく出てるし、ハイの劈(つんざ)くようなところもあって、全方位にエネルギーが出てる感じ。本当に攻撃的なサウンドだなという印象です。チェンソー・トーンは弾き心地がすごく良くて、ゲインが高いのでピッキング・ハーモニクスとかも出やすいですし、速弾きにも合うのかなと思います。
──スタンダード・モードでの各ツマミの使用感を教えて下さい。
まずCOLOR MIXのLは、上げていくとものすごく太いサウンドが得られますね。超ヘヴィです。COLOR MIXのHのほうはもちろんハイも上がるんですが、それよりもミッドが特徴的に変わっていく感じがあります。アンサンブルの中でも抜けるサウンドなんじゃないかなという印象です。DISTツマミは全開にしても音が破綻しないし、全然使える音だなと。逆にゼロくらいに絞るとオーバードライブくらいのサウンドで、ロックにも使えるし、幅が広いなと思います。個人的には10時くらいが心地良い歪み感です。
──続いて、カスタム・モードのサウンドについては?
こっちはさらに迫力が出ますね! 歪みの粒もスタンダード・モードよりも細かい感じになって、より現代のヘヴィなサウンドに合うのかなという印象があります。このサウンド、カッコいいですね。最高です。
──どんなギタリストにオススメですか?
飛び道具かと思いきや、このままで実戦投入できるクオリティがあるんですよ。だからラウド・ミュージックを愛するすべてのギタリストに使ってほしいですね。DISTツマミを下げることでロックにも使えると思うんですけど、真髄はチェンソー・サウンドにあると思うので、極悪なリフを刻みまくる人にはぜひ一度試してもらいたいですね。
丸山が動画内で使用しているシールドは、BOSSから発売されているBIC-Pシリーズ。高品位な素材を採用し、独自のバランスでチューニングを施した最高峰のケーブルだ。プラグがストレート-ストレートの3m(BIC-P10)と5.5m(BIC-P18)、そしてプラグがL型-ストレートの3m(BIC-P10A)と5.5m(BIC-P18A)をラインナップしている。
価格:オープン
丸山漠
まるやま・ばく/スクリーモをメインにした音楽性と、ツイン・ボーカルが特徴の新潟出身5人組ロック・バンド、a crowd of rebellionのギタリスト。作曲家・編曲家、サウンド・エンジニアとしても活動中。