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- 2024/11/16
サックス
前回からスタートした初心者に役立つサックス入門! 第2回はサックスの種類や素材について紹介します。楽器の素材には目を引くものがたくさんありますが、サックスはどんな素材でできているのでしょうか?
サックスというと最初に思い浮かぶのがアルトサックス、もしくはテナーサックスでしょう。ほかにもソプラニーノサックス、ソプラノサックス、バリトンサックス、バスサックスとたくさんの種類があります。
アドルフ・サックスは開発した当時、なんと14種類もの楽器を作ったそうです。すでに確立されたオーケストラに入ることは難しかったからでしょう。サックス属だけでオーケストラやアンサンブルをできるように考えたと思われます。
一般的にはソプラノ、アルト、テナー、バリトンサックスの4種類が使われることが多く、クラシックのサックス四重奏ではおなじみですし、ビッグバンドでもアルトとテナー、バリトンをメインにセクションを担い、曲によっては、持ち替えでソプラノも多用されます。
それぞれのサックスの音域を知る前に、サックスが移調楽器であることを説明しておきます。ピアノでドを弾いたときに、サックスでドを吹くと、違う音が鳴ってしまいます。もともとピアノの音と同じC調やF調のサックスもあったのですが、現在使われているアルトとバリトンの調子はミ♭(E♭)、ソプラノとテナーはシ♭(B♭)です。マーチングや吹奏楽などで必要性の高いE♭管とB♭管が残り、C管は定着することなく現在ではほとんど見かけなくなりました。
ピアノで出る音を「実音(じつおん)」(ドを弾いたらドの音が出ます)と言いますが、サックスはなぜ調子を変えるような面倒なことをしたのでしょうか?
管楽器は管の長さによって音の高さが変わります。そのためピアノなどの実音表記の楽譜を演奏する場合、アルト、バリトンではピアノのドの音がラに、ソプラノ、テナーではドがレになるといった具合に、ピアノの楽譜をそのまま演奏すると違う音、違うキーになってしまいます。
そこで楽譜に書かれた音と同じ指使いで吹けるよう、サックスなどの移調楽器は「記譜音(きふおん)」で書かれます。
管楽器で実音の楽器は少なく、フルート、オーボエ、ファゴット、C菅のトランペット、チューバぐらいなのです。
ソプラノからバリトンまで使うとかなり広い音域レンジが得られます。同族楽器ならではの音の融合、美しいハーモニーが持ち味のサックス四重奏は、弦楽カルテットのような豊かな表現力が魅力です。ジャズ、ポップスにおいてもサックスセクションの力強く迫力のサウンドといった具合に、どんなジャンルにおいても人気の楽器ということがうかがえますね。
※ソプラノは機種によってはG音まで出ます
まるで宝石のようなプラチナで作られたフルートから、動物の皮で作られた打楽器、木の温もりを感じさせるヴァイオリンなど、楽器の素材には目を惹くものがたくさんありますが、さて、サックスはどんな素材でできているのでしょうか。
まず、圧倒的に多いのが真鍮(しんちゅう)と呼ばれる銅合金です。「ブラス」と言う場合もあります。これは銅と亜鉛を混ぜたもので、互いの混合比率によって強度や色に変化が出てきます。
メーカーによっては持っている技術力を生かして、こだわりの材質で楽器を製作することもあります。
このほか、サックスに限らず管楽器に使用される金属については、銅、亜鉛、ニッケルの合金であるニッケルシルバー、金と銅などの合金である金合金(よく18K、14K、9Kなどと呼ばれ、アクセサリーなどで目にすることも多い高価な金属ですね。ちなみに24Kは金100%です)。また、純プラチナ製のフルートもありますが、素材自体が大変高価です。重量的にも値段的にも、この素材でサックスを作るのは難しいでしょう。
楽器の表面の仕上げにもいろいろあります。表面にラッカーやメッキの加工をしたり、逆になにも加工しない(材質のまま)ノーラッカー(アンラッカーとも言います)などです。
ラッカーは本体に使われた金属の表面を「塗装」して焼き付けます。メッキは金属に金属を「付着」させる仕上げです。
ラッカーは素材自体が持つ音色を尊重しつつ、余分な拡がりを抑えた響きが特徴です。ラッカーには、素材を保護するという重要な役目があるので、メッキの上にラッカーをかける、という機種もあります。
本体に使われた金属とメッキに使われた金属の両方の良さを併せ持つ音色となります。また金属に金属を付着させるので、ラッカーより管体の厚みと重量がほんの少し増します。
メーカーの特徴が見た目でわかりやすいのがベルにある彫刻です。上位モデルやエントリーモデルによってメーカーでも違いがありますから、いろんなメーカーや機種を見比べても面白いですよ。また自分の好みの絵や画像をオーダーメイドで彫刻するプレイヤーもいます。
次回は8月13日(金)公開予定