イケベ楽器店 イケシブ（IKEBE SHIBUYA）
音楽・楽器の次世代型ストア「イケシブ（IKEBE SHIBUYA）」特集の後編は、3階のベース専門店「グランディベース東京」とドラム＆パーカッション専門店「ドラムステーション渋谷」、リペア＆カスタム工房「WSR」、そして4階のアコースティック専門店「ハートマンギターズ」と電子ピアノ専門店「あのぴあの」を紹介する。
エントリー・モデルからプロ・クオリティ・モデルまで、幅広いラインナップが自慢のベース専門店。コンセプトは “Music Circus”。音楽をグルーブさせるベースのように、空間そのものをグルーブさせるメリーゴーラウンド型ディスプレイが独自の存在感を放っている。お立ち台や吊り照明などの内装も、このお店ならではの非日常とワクワク感を演出。また、広々とした試奏室“boost booth”にはミニ・ステージも備え、セミナーやイベントにも対応する。
3階のグランディベース東京（ベース専門店）
店のコンセプト “Music Circus” を体現したきらびやかな展示
ミニステージも完備する試奏室“boost booth”
グランディベース東京のスタッフ、須藤さんに話を聞いた。
グランディベース東京のスタッフ、須藤さん
「ビギナーの方から現場の最前線で活躍するプロの方まで、幅広い層の方に来ていただけるような商品展開やお店作りといったところは、旧店舗から変わらず継承しています。新しい点としては、店のコンセプトでもある “Music Circus” を表現した、キラキラした展示ですね。展示本数は以前と変わらず常時300～400本ほどそろえていて、アンプやエフェクター類も現場感覚で「使える」モデルを多数セレクトしています。内装はもちろん、商品のセレクトも「ココが強い！ココにしかない！」という尖り感を意識しています。」
「渋谷駅から近隣ビルを通ればほぼ直通の立地になっていますので、常連のお客様からにも初めて来店される方にもよりアクセスしやすくなったと好評ですね。新規のお客様が増えたことも実感しています。以前は目的意識を持っていらっしゃる方が多かったのですが、会社帰りや学校帰りなどにふらっと寄っていただく方もすごく多くなりましたね。」
「接客に関しては、どのようなものをお探しなのか、どんな音が出したいのか、あるいはどんなことをしたいのかといったご要望をしっかりと理解して、ご提案していくということを常日頃から心がけています。ビギナーの方からベテランの方はもちろん、プロの方のご要望／疑問にお応えできるよう意識をしています。私も学生の頃はワクワクしながら楽器店に足を運んだりしていたので、そんな気持ちで来ていただけるようなお店でありたいですね。」
国内外メーカーのドラム・セットをはじめ、スティック、シンバル、各種アクセサリーなど多彩な品ぞろえが魅力のドラム専門ショップ。古い歴史を持つ打楽器へのリスペクトを込めて、木や鉄などのプリミティブな素材をふんだんに用いた空間に仕上げている。シンバルタワーやドラムが規則正しく並ぶディスプレイなど、独創的かつ無駄のない内装デザインが魅力だ。
3階のドラムステーション渋谷（ドラム＆パーカッション専門店）
スネアの品ぞろえには特に力を入れているという
シンバルの独特な展示レイアウトも目を引く
ドラムステーション渋谷のチーフ、嶋本さんに話を聞いた。
ドラムステーション渋谷のチーフ、嶋本さん
「新たにオープンして一番大きく変わったことは、アクセスが良くなってビギナーの方や若い方のご来店が多くなったことですね。何かのついでに寄ったりというのも、以前よりしやすくなったんだと思います。商品の見せ方やレイアウトも、円形の什器を導入するなどして、これまでとはまったく変えていますので、ご来店いただいて展示を見ていただくだけでも楽しめるようになっています。特に、シンバルやスネアの品ぞろえは、以前よりも大幅に増えていますので、是非じっくりと見ていただきたいですね。」
「床がフローリングからカーペットに変わったので、足への負担が軽減されて長時間立ったままでも疲れないんですが、そこに気づいてくださるお客様も結構いらっしゃいます。もちろん、吸音の面でも良い効果があります。試奏室も完備しているのですが、やはりその場で鳴らすこともありますので。」
「ドラムはシンプルな楽器ではありますが、わからないことが多い楽器でもあるので、それをひも解いて、どれだけわかりやすい言葉でお伝えするかというのが、私たちの重要な仕事だと思っています。お客様と会話をして、その方の習得度などを察知した上で、専門用語のチョイスを含めわかりやすい説明をするということに気を遣っています。今はインターネットで何でもすぐに調べることができますけど、逆に情報があふれ返っていて、どれが正しいか判断できないこともあると思うんです。そういったことも含めて、疑問に思っていたことがお店で解決できるとうれしいですね。その積み重ねから、ここに来れば何か新しい発見がある、新しい情報があるという思いで、また足を運んでいただける…そんな接客を心がけています。展示を見ていただくだけでも単純に楽しんでいただけると思いますので、ぜひお気軽にご来店ください。」
熟練の職人技と信念を持つリペアマンによる、楽器のリペア＆カスタム工房WSR。ギター＆ベースの調整やパーツ交換、リペア、改造など、幅広いオーダーに対応。エレベーター・ホールから「グランディベース東京」に向かう通路の左側に位置しており、ガラス越しにリペアマンの作業風景を見ることができる。工具やパーツなどがディスプレイされた壁面も含め、秘密基地やガレージ、あるいはオープン・キッチンを思わせる、ワクワクとクリエイティブが詰まった空間となっている。
3階のWSR（リペア＆カスタム工房）
前面がガラス張りで、通路から作業の様子を見ることができる
製作や修理の現場を見ることは普段なかなかできない貴重な体験になるだろう
WSRのチーフ、額田さんに話を聞いた。
WSRのチーフ、額田さん
「イケシブがオープンして、目の前を通るお客様からガラス越しに見ていただけるというのが、これまでとは違いますね。製作や修理の現場って、普段なかなか見ることができないので、良いことだと思います。演奏するだけではなくて、楽器の構造や仕組みを理解するというのも大事なことかなと思いますので、ぜひお気軽に見ていただきたいです。もちろん技術ありきですが、お客様とのつながりが大切なので。そういったこともあって、お客様とじっくり対話するための専用のテーブルも新たに設けました。お客様と直接コミュニケーションして、何かを決めていったりするというのが大事だと思うんです。」
「私自身は、この仕事を30年くらいやっている中で、イケベの秋葉原、池袋、渋谷と移ってきたのですが、どこにいてもついてきてくださるお客様がいらっしゃるので、本当にありがたいです。お客様の好みや履歴は頭の中に入っていますが、パソコンにも残してありますので、これからも対面でお話をして、信頼関係を積み重ねていきたいと思っています。やはり家電製品とは違って楽器なので、原状復帰的な修理ももちろんありますけど、もっと良くしたい、好みの状態にしたいというカスタマイズ的なオーダーが多いんですよね。そういったご要望にお応えする経験や技術、知識がありますので、ぜひご相談いただければと思います。」
3階の奥にあるグランディベース東京から、エレベーターホールに向かって左側がドラムステーション渋谷、右側がWSR
アコースティック・ギターからウクレレまで幅広くそろう、日本最大級のアコースティック専門ショップ。国内外の人気ブランドやハイエンド・モデルなど、豊富に取り扱っている。2本のシンボル・ツリーと天井を覆う木のひさしが、やわらかな木もれ日が降り注ぐような、心地よい癒しの空間を演出。自然の素材から生まれるアコースティック楽器がアースカラーの内装に溶け込み、温もりに包まれたイケシブの “オアシス” となっている。
4階のハートマンギターズ（アコースティック専門店）
店の雰囲気を司るシンボル・ツリーがとにかく印象的だ
シンボル・ツリーの下はPhotoスポットとしてもオススメだ。試奏する際はぜひ
ハートマンギターズのスタッフ、秋田さんに話を聞いた。
ハートマンギターズのスタッフ、秋田さん
「以前は隠れ家的なお店という面もあったのですが、今回の移転でアクセスも良くなって誰でも入りやすいお店になったと思います。展示している本数は以前と同等ですが、スペースが広くなって、より見やすく展示できるようになりました。もっとも大きな違いは2つの試奏室です。じっくり弾いていただける通常の試奏室と、アコースティック用プリアンプやアンプに特化した試奏室を用意しています。やはりエレアコやプリアンプにも強いお店ということで、専門の部屋を設けました。他店にはなかなかないと思います。」
「もう1つの強みは、低価格帯から高価格帯まで豊富にそろえ、間口を広げていることです。王道のマーティン・ギブソン・テイラーから、フィンガーピッキング／ソロギター向きのモデル、エレガットなど、取り扱っているブランド数も多く、ウクレレも含め幅広く取りそろえていますので、これから始めようという方から楽器にこだわりを持っている方にもご満足いただけると思います。」
「接客は、お客様の“弾きたいタイミング”を重視しています。自分がお客様だとしたら、すぐそばに付きっきりでいられるとプレッシャーを感じてしまうので、そうならないような距離感で。どのような楽器をお求めなのかというところに耳を傾けつつ、ご要望にお応えできるよう努めています。」
初心者からプロまで、納得できる品ぞろえを実現した電子ピアノ専門店。白を基調にした内装と壁面ミラー、天井を飾るゴールドのリングから上質感が漂う。また、店内のピアノはすべて試奏可能で、さらに自宅の部屋に設置した際のイメージが確認できる「あのぴあのルーム」も完備。
4階の、あのぴあの（電子ピアノ専門店）
店内のピアノは、すべて試奏OK
自宅の部屋に設置した際のイメージが確認できる「あのぴあのルーム」
あのぴあののスタッフ、佐藤さんに話を聞いた。
あのぴあののスタッフ、佐藤さん
「渋谷で、これほどの規模で電子ピアノを置いているお店は、なかなかないと思います。以前は、電子ピアノは鍵盤堂で取り扱っていたのですが、面積の都合でそれほど台数は置けず、お客様からもっと弾き比べがしたいというご要望もいただいていました。今回新たに “あのぴあの（ANNEAU PIANO）” としてオープンして、電子ピアノに特化した幅広い品ぞろえになっていますので、初級者から上級者まで年齢を問わず多くのお客様にご利用いただいています。初めてのご購入で、どれを買えば良いのかわからないというご相談が1番多いのですが、エントリー・モデルもメーカーごとに置いているので比較がしやすくなっています。例えば、場所を取りたくないけどタッチはしっかりしたものがいいなど、お客様のご要望に応じて、ご案内差し上げやすい環境になっていますね。」
「“あのぴあの” のANNEAUは、フランス語で “輪” という意味で、つながりやご縁を大切にして輪を広げていきたいということと、日本語の“あの”を掛けています。私自身は、これからピアノを始めてみようというお客様が、より意欲的になれるような接客を心がけています。ボタンが多いとわからないというお客様も多いので、そこは操作や機能などをわかりやすく、そして購入した後を楽しく想像できるような紹介を心がけています。」
イケシブのオープンに当たっては、以前のプロショップタワーのような専門店が集合した形から、エンターテインメントとして音楽を楽しんでいただくスペースを作ろうというところに発展していきました。旗艦店として、これまでにないくらいの1年以上の時間をかけてデザインしました。細かいところは、現在もスタッフで話し合い、日々継続的に改善を重ねています。
配信専用の「イケシブ スタジオ」も完備。ライブやセミナー、クリニック、製品レビューなどに活用されている
1番大切にしたのは “リアルな音を体験していただく” ということ。そのために1階の1番良い場所にステージ「イケシブLIVES」を作りました。また、配信専用の「イケシブ スタジオ」も設け、ライブやセミナー、クリニック、製品レビューなどに活用しています。この様子は1階の「イケシブLIVES」で流すことも可能で、吸音設備や照明などの面でも改善を重ねて、バンドでのライブにも対応可能になりました。
私自身、音楽が好きだからここで働いているわけで、音楽に救われたこともたくさんあります。しかも音楽を通じて、いろんなことを学びました。そういったことを伝えていくのも、私たちの役割、使命だと思っています。だからこのイケシブから「音楽を始めたい」「楽器を始めたい」という人を増やしたいんですよね。そのためにも、初めての方も入りやすい雰囲気づくりを頑張ってやっていきたいと思っています。おかげさまで、大勢のお客様にご来店いただいています。まだコロナ禍での制約はありますが、今後はイベントをどんどん増やして、新しいアーティストも応援していきたいですね。
LITE×イケシブ＝「Tuning」【イケシブ・コンセプトムービー】
住所 ：東京都渋谷区道玄坂1-7-4 渋谷スクエアB
営業時間 ：11:00～20:00
Webサイト：https://www.ikeshibu.com/
デジマート店：https://www.digimart.net/shop/5331/
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利用条件
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