アコースティックエンジニアリングが手がけた“理想の音楽制作を実現する”環境
- 2024/11/25
Ibanez / JGM10-BSN
アイバニーズより、英国ヨークシャーを拠点とするアコースティック・シンガーソングライター、ジョン・ゴンのシグネチャー・モデル(受注後生産製品)が登場した。
ジョンのプレイ・スタイルは、1本のアコースティック・ギターでドラム・サウンド、ベース・ライン、そしてひねりのあるメロディーまでを同時に奏でる、実に革新的なもの。ソウルフルなボーカルとソングライティングに重きをおいた楽曲も相まって、これまでにオーストラリア、北米、南米、ヨーロッパから中国、南アフリカでヘッドライン・ツアーを開催するなど、世界中で支持を得ている。
今回発表された「JGM10-BSN」は、そんな彼のプレイ・スタイルに合わせて設計。ボディの高音弦側がやや小さめになっており、高音弦側のボディ・サイドへのアプローチが容易でタッピングしやすい形状になっている。大きくなだらかな形状のカッタウェイは、ハイ・ポジションへのアプローチを考慮したものではなく、パーカッシブなパフォーマンスのために叩く面積を大きく確保するための設計だ。また、低音域のフリケンシー・レスポンスに重きを置き、ボディの大きさはアイバニーズのどのモデルよりも大型となっている。
ボディ・トップには、サーモ・エイジド材のシトカ・スプルース単板を採用。サーモ・エイジドとは、真空高温環境下で加熱することにより木材内に含まれる不要な樹脂と水分を取り除く処理を施すことで、熟成の進んだ材のような豊かなトーンが特徴。タップのしやすさと手触りを考慮したシルキーなマット仕上げも魅力となっている。サイド&バックは、グロス・フィニッシュが施されたパーフェロー単板。大型のボディを支える強靭な材で、グロス仕上げによりタイトかつ粒立ちの良いサウンドを実現している。
ブレーシングには、トップ材と同じサーモ・エイジドのシトカ・スプルースを用いた、モディファイドXMブレーシング・パターンを採用。アイバニーズ・オリジナルのXMブレーシング・パターンと比べ、トーン・バーを下げて配置することでトップが動きやすくなり、中音域が減衰、逆に低音域は一層強化されている。
ネックは、中低音域特性に優れるアフリカン・マホガニーと硬質なパーフェローを組み合わせた5ピースとなっており、ネック裏はサテン・フィニッシュ仕上げ。シェイプは、厚みが1フレット位置で20.5ミリ、7フレット位置で22ミリ、ナット幅は45ミリ。スケールは、一般的なエレキ・ギターよりもやや長い655ミリ。広い音域をフィンガー・スタイルで駆使する、ジョンならではの個性的なスペックと言える。指板は、硬質で立ち上がりが良いマカッサル・エボニーを採用(ブリッジも同様)。そして、指板サイドのドット・ポジション・マークには、高品質かつ高性能な蓄光素材ルミンレイを採用。暗いステージでの視認性も抜群だ。
サウンド・システムは、フィッシュマンと共に専用のものを開発。トリプル・マイク仕様となっており、フィッシュマンのレア・アース・マイク・ブレンド・アクティブ・サウンドホール・ピックアップを装備。こちらは、ネオジム・マグネットのハムバッキング・ピックアップとコンデンサー・マイク(単一指向性)を組み合わせた、多くのフィンガー・ピッキング・プレイヤーが太鼓判を押す定番システム。さらにブリッジ下には、タップ・サウンドのみにフォーカスしたフィッシュマン製タップ・ピックアップを装備。サウンドホール低音弦側に設置されているコントロール・ホイールで、そのブレンド量が調整できる。
出力はデュアル・アウトプット仕様で、エンドピン・ジャックのみにケーブルを接続した場合、レア・アースとタップをミックスして出力。エンドピン・ジャックとオープン・ジャックの両方にケーブルを接続した場合、エンドピン・ジャックからはレア・アースが、オープン・ジャックからはタップが出力される。
なお、納期は受注から約6か月後で、専用ハードシェル・ケースが付属。
価格:¥495,000 (税込)