Positive Grid / Spark
高級感あふれる外観、高音質、多機能、そして手が届きやすい価格と、何拍子もそろった卓上ギター・アンプの決定版「Positive Grid Spark」。クラシック・ロックの申し子であり、新しい機材に対しても造詣が深いROLLYにチェックしてもらった。
プロ／アマ問わず世界中のギタリストから注目を集めているPositive Gridの卓上ギター・アンプ、Spark。フルレンジでステレオのBlutoothスピーカーを搭載し、普段は音楽を聴いて楽しむこともできる。
アンプ・モデルはエレキギターのほかにベース、アコースティック・ギターも用意されている
Sparkをフルに活用するためにはアプリが必要だが本体だけでも十分アンプ・サウンドを楽しむことができる
近年、Blutoothスピーカーを搭載したアンプは珍しくなくなってきているが（ただしSparkは、フルレンジのステレオで、その音質が素晴らしい点は特筆ものだが）、本機のすごさはそこにとどまらない。
Sparkアプリを経由すると“トーンクラウド”上には10,000を超えるグッド・サウンドの宝庫、トーンライブラリを利用できる。中には有名ギタリストのドンズバなサウンドもあるのでかなり楽しめる。また、ライブラリはダウンロードすることなくプレビュー機能を使って瞬時にチェックできるのもありがたい。その中から本当に気に入ったものだけをダウンロードしてアプリに保存しておけば良いのだ。
トーンクラウド上にアップされているサウンドの数々。アイコンをタップするとダウンロードすることなく瞬時にサウンドを確認することができる。気に入ったサウンドにいいね（ハートマーク）をつけると“お気に入り”のリストに表示される
トーンクラウド上のサウンドはダウンロードするとデバイスのON/OFFやパラメーターを変更することができる
さらに保存したトーンライブラリは自分好みになるように簡単にエディットができるので、もうオリジナル・サウンド作りも迷わない！ しかも自分が作った最高のサウンドをトーンライブラリにアップして、世界中のユーザーと共有することも可能だ。
Gate（1種類）、Comp（5種類）、Drive（9種類）、Amp（30種類）、Mod（10種類）、Delay（6種類）、Reverb（9種類）を組み合わせてオリジナル・サウンドを作ることができる。各アイコンを上下にスワイプするとエフェクトのON/OFF、ダブルクリックでエフェクトの変更が可能
オリジナル・サウンドはトーンクラウド上にアップして世界中の人と教習することができる
リフやコードを弾くだけでAIがバッキングトラックを作ってくれるSmart Jam機能を搭載。オリジナル曲作りや、セッションの練習にも最適だ。
好きなドラマーを選択して「開始」をタップすると4拍後に聞き取りが始まる。カウントにあわせて8小節分のリフやコードを演奏しよう
解析が終了するとAIが作成したドラムとベースの伴奏が始まる。表示されたコードにしたがってセッションを楽しむことができる
無数にアップされているYouTube上の音楽のコード進行を、自動で解析しダイヤグラムを表示するオートコード機能を搭載。手軽にYouTubeに合わせて練習やセッションができる。
Sparkアプリ内でYouTube動画を選択するとコード進行を自動解析する。また曲にあわせて進行しダイヤグラムも表示される
YouTubeの曲に最適なトーンを紐づけることも可能。ここではすでにユーザーがオリジナル・トーンをシェアしているのがわかる。さらに自分が作ったトーンがあれば“プリセットをシェア”で追加可能だ
以上、Sparkはまさに最強の自宅練習用アンプと言っていいだろう。
Sparkは、今考えられる自宅用アンプの中では間違いなく最先端でしょう。まずアンプの基本である音質がいいんですけど、その上に世界中の人が作った無数の音色を楽しめるところが素晴らしいです。例えば、ブライアン・メイの音だけでもたくさんの人が作っているんで、好みのものを選べますし、さらに自分の音色をアップして“いいね！”がもらえるというのも、実に今っぽい楽しみ方ですね。ちなみに、トーンクラウド上には僕が実際に作ったサウンド（ROLLY 1981）もアップされています。ぜひ、そのサウンドを楽しんでみてください！
Smart Jam機能は実におもしろい！ 自分の好きなリフやコード進行を8小節入れるだけで、AIのドラマーがオリジナルのバッキングを作って「ROLLYさん、セッションしましょう！」って誘ってくるんです。ちゃんとベースも入っていますし、もう夢みたいな話ですよ。
それからオートコード機能も最高です。10年前もYouTubeはあったし、それに合わせて弾くことはできたのですが、Sparkはコードを解析して、載せてくれるわけです。これはすさまじい進化ですよ！ YouTubeから全然知らない曲を選ぶのも良い練習になるのでオススメですね。僕は昔、帰省すると後輩が経営しているスナックに行って、カラオケを歌う人に合わせてギターを弾いてあげていたんです。オブリガードとかを入れると、すごく喜ばれるんですが、それと同じことが家でもできる！ だから、自分が得意な曲だけでなく、例えばハードロックが好きな人ならレゲエとかもやってみるといいと思いますよ。レゲエをそのままやってもよし、レゲエをハードにやってもよし！ 知らない曲でも、とにかく何か弾くという訓練に最高です。
Sparkは、特にオススメするとしたら、そこそこ弾ける「卒業生みたいな人」。そういう人ならセッションや音作りを、より深く楽しめるでしょう。とはいっても初心者でも十分手が出せる手頃な価格なので、最初からSparkで練習するといっそう上達が早いかもしれませんね。とにかく自宅用のアンプとしては最高です。ぜひ試してみてください！
価格：￥37,400 （税込）
ROLLY
ローリー（本名：寺西一雄） 京都府生まれ／大阪府育ち。エンターテイナー、ミュージシャン、音楽プロデューサー。1990年、ロック・バンド「すかんち」のボーカル＆ギターとしてデビュー。1996年バンド解散後、ソロ活動を開始。音楽活動の他、唯一無二なキャラクター性をもってタレントや役者としても活躍しお茶の間での人気を博する。
