“ONE DAY GUITAR SHOW”で発表された桜モデルの注目機種を総ざらい!
- 2025/01/07
MJC Ironworks
2015年に設立されたアメリカのギター/ベース弦ブランド、MJC Ironworks。楽器本来のピュアなサウンドと防錆を両立したコーティング弦をラインナップし、その優れた性能は本国のミュージシャンからの支持を集めている。今回、GLIM SPANKYの亀本寛貴に2週間ほどMJC Ironworksのエレキ・ギター弦を試してもらい、そのインプレッションを聞いた。
金属弦では、耐久性と錆などによる劣化が常に問題になる。これまでも各メーカーがさまざまな素材や技術を駆使してその解決法を探ってきたが、今回Rolandによる国内販売が決まったMJC Ironworksのコーティング弦は、その問題に新たな解決策を提供する画期的な製品だ。
ディーン・マークレーを始めとする弦メーカーに携わってきた経験を持ち、自身もミュージシャンであるマイク・コノリーが2015年に設立したMJC Ironworks。その最大の特徴は、“RN PROTECTS”と呼ばれる防錆処理にある。テフロン樹脂などを使用する従来の方式は、厚みのあるコーティング膜が弦振動を阻害するという問題があった。それに対して、RN PROTECTSによるコーティング膜は分子レベルの薄さで、弦振動にほとんど影響しない。さらに、この膜には自己修復作用もあり、防錆効果もより長く保つことができるという。
MJC Ironworksの弦は、ワウンド弦の芯線に巻線を巻く時の張力や、ベース弦のような太いワウンド弦で2~4重に使用される巻線の直径比率の追い込みといった、弦製造の基本的な部分はもちろん、そのパッケージにも強いこだわりがある。丈夫で再利用可能なブリキ缶を採用し、中には弦と一緒に気化性のRN PROTECTS防錆剤を染み込ませたスポンジも入っているのだ。このスポンジと密閉性の高いブリキ缶の相乗効果で、弦の防錆効果が長期にわたって維持されるわけだ。
ラインナップは、高強度スズメッキの芯線に80/20ブロンズ(真鍮)の巻線を使用したアコースティック・ギター用、同じく高強度スズメッキの芯線にニッケルメッキの巻線を使用したエレキ・ギター用、そしてベースは4弦用から7弦用までが用意されている。ベース弦はそれぞれ、スズメッキの芯線にニッケルメッキの巻線を使用したニッケル弦と、スウェーデン製のスズメッキ六角芯線にステンレスの巻線を使用したステンレス弦がある。素材から製法、パッケージにいたるまで、細かい神経の行き届いたMJC Ironworksの弦を、ぜひとも試してみてはいかがだろう。
【Line Up】
■LT(.009-.011-.016-.024-.032-.042)
■CUST LT(.009-.011-.016-.026-.036-.046)
■REG(.010-.013-.017-.026-.036-.046)
■LTHB(.010-.013-.017-.030-.042-.052)
■MED(.011-.013-.018-.030-.042-.052)
■MEDX(.012-.015-.026-.034-.044-.054)
以前、コーティング弦を使ったことがあったんですけど、弾いた感じがしっくりこなかったんですよ。僕、手汗がすごくて。それで指が滑りすぎちゃうことがあったし、弦の感触も“膜が一枚張っている感じ”がすごかったんです。普通の弦と音色も違うので、あんまり好きになれなくて。
でも、今回試させていただいたMJC Iroworksは、コーティング弦なのに音が良かったんです。普通、弦を張り替えたら音がギラギラして、けっこう暴れるじゃないですか? 意外とそういう感じにならなくて、しっかり落ち着いていましたね。上も下も上品な感じにまとまって、真ん中がグッと出てきてくれるんです。今回はギブソンUSAのレス・ポール・スタンダードに張ってみたんですけど、音がまとまってバランスが良くなったので、ギブソンUSAがカスタムショップっぽくなったようなイメージでした(笑)。ギターの一番おいしい部分が出てきてくれるので、音作りがしやすくなりますよ。弾き心地も、“嫌な滑らかさ”がなかったので好印象ですね。
ツアーをまわる時、普通の弦だと消費量がハンパじゃなくて。常にフレッシュな状態を保とうとすると、リハ前と本番前で弦を2回替えなきゃいけないくらいなんですよ。だからライブ用のギターに使うのが良いんじゃないかなと思いましたね。それと、レコーディングの時も音色の選択肢としてMJC Iroworksの弦を張ったギターを用意しておくのもいいかもしれないです。押し出し感や、ギュとした部分があるので、そういう音を出したい時に選べるのは良いですよね。
こういうご時世なので、あまりいないと思いますけど、やっぱりツアーをまわる人にオススメしたいですね(笑)。値段はちょっと高いかもしれませんが、張り替える回数が減るので、トータルで見ると逆にコスパが良いんじゃないかな。
価格:オープン
亀本寛貴(GLIM SPANKY)
かめもと・ひろき◎60〜70年代のロックやブルースを基調にしながらも、新しさを感じさせるサウンドで大きな注目を集めている男女2人組のロック・ユニットGLIM SPANKYのギタリスト。最新作は『Walking On Fire』。