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- 2024/11/16
Fender / AMERICAN PROFESSIONAL Ⅱ
音楽は時代を経るごとに変化するもので、それと同時に、エレクトリック・ベースの原点であるフェンダー・ベースもブラッシュアップを繰り返してきた。この度、そのフェンダーの新たな“顔”となるべく、“アメリカン・プロフェッショナルⅡ”シリーズが発表された。伝統と革新が共存するアメリカン・プロフェッショナルⅡのプレシジョン・ベースとジャズ・ベースを紹介しよう。
“アメリカン・プロフェッショナルⅡ”はその名のとおり、2017年にスタートした“アメリカン・プロフェッショナル”の後継となるシリーズだ。その快適な演奏性と各モデルの特徴を出しながらも扱いやすいサウンドで好評を得た前シリーズを、プロ・ミュージシャンたちの声を反映してさらにブラッシュアップ。ネック塗装とエッジ処理などを見直して演奏性を高め、ピックアップにも改良を加えてサウンドの向上も図り、フェンダーが見据える“今”を再定義したプロダクトとなった。ベースのラインナップは、大きくプレシジョン・ベースとジャズ・ベースに分かれている。
今回ブラッシュアップされたポイントとしては、ネック周りの仕上げ、ジョイント部分の加工、そしてピックアップが大きい。
ネックの形状は“アメリカン・プロフェッショナル”シリーズと同じく、プレべが“1963 C”、ジャズベが“Slim C”だが、よりなめらかな“スーパー・ナチュラル”サテン仕上げを採用。また、指板のエッジを丸みのある加工に仕上げることで、特に横移動の演奏性が格段に向上している。さらに、ヒールがカットされた5点止めボルト・オン・ジョイントは、ハイ・ポジションでの運指にもストレスがない。
ピックアップは先代の“V-Mod”が進化した”V-Mod II”ピックアップを採用し、、プレべは中低域の存在感が豊かな実のあるロー・サウンドを、ジャズベはタイトで抜けの良いトーンを実現している。
そのほか、表通しでも裏通しでも弦を張ることができる重厚なハイマス・ヴィンテージ・ブリッジ、軽量なオープン・ギア・タイプのペグなど、前シリーズから引き継いだスペックも演奏性を高めてくれる。
アメリカン・プロフェッショナルⅡのプレシジョン・ベースは、使用材は、ボディにアルダー、ネックにメイプル、指板はメイプルもしくはローズウッド(カラーによって変わる)というオーソドックスなもの。4弦プレシジョン・ベースのカラーは、3カラー・サンバースト/オリンピック・ホワイトはメイプル指板もしくはローズウッド指板、ブラック/マイアミ・ブルーはメイプル指板のみ、マーキュリー/ミスティック・サーフ・グリーン/ダーク・ナイトはローズウッド指板のみとなる。
アメリカン・プロフェッショナルⅡのジャズ・ベースは、使用材は、ボディにアルダー、ネックにメイプル、指板はメイプルもしくはローズウッド(カラーによって変わる)が基本となるが、ローステッド・パインをボディに採用したモデルがラインナップされているのがポイント(右利き用の4弦モデルと5弦モデルのフレッテッド)。パイン材は独特な音の温かさを持ち、甘く伸びやかなトーンが特徴だ。木目のパターンがはっきりしているため、見た目も美しい楽器に仕上がっている。。4弦ジャズ・ベースのカラーは、3カラー・サンバースト/オリンピック・ホワイトはメイプル指板もしくはローズウッド指板、ブラック/マイアミ・ブルー/マーキュリーはローズウッド指板、ミスティック・サーフ・グリーン/ダーク・ナイト/ローステッド・パインはメイプル指板となる。
アメリカン・プロフェッショナルⅡのプレシジョン・ベースには5弦モデルとレフティ・モデルが、ジャズ・ベースには5弦モデルとレフティ・モデルに加えてフレットレス・モデルも用意されている。これら5弦モデル、レフティ・モデル、フレットレス・モデルは2021年発売予定だ。
『ベース・マガジン 2020年11月号』でも、アメリカン・プロフェッショナルⅡの特集記事を掲載中。あきらかにあきら(THE ORAL CIGARETTES)と新井和輝(King Gnu)の対談、井上幹(WONK)、上杉研太(SUPER BEAVER)による試奏をとおして、フェンダーの魅力を再確認し、アメリカン・プロフェッショナルⅡに迫っています! 同号ではそのほか“歪んだベース・サウンド”を追求する“歪みベーシストという生き方”という大特集を実施しています。ぜひチェックしてみてください!
川崎哲平
かわさき・てっぺい●1980年10月16日生まれ、福岡県出身。中学3年からギターを始め高校3年時でベースに転向。音楽専門学校在学中より福岡でプロ活動を開始する。2005年からは活動拠点を関東に移し、槇原敬之、嵐、倖田來未、松田聖子などのポップス系からDIMENSION、伊東たけし(T-SQUARE)など、Jポップからフュージョン・インストまで幅広いアーティストをサポート。エレキとコントラバス、シンセ・ベースと低音楽器をこなす。現在はYouTubeチャンネルにて機材レビューを中心とした活動も展開している。