アコースティックエンジニアリング
“自宅で思いきり音を出したい！”、“いつでも楽器を鳴らせる環境を手に入れたい！”……自分のスタジオを持ちたい願望は、楽器を演奏する人ならば誰もが思うこと。そんな“マイ・スタジオ”の夢を実現してくれるのが、プロ用のスタジオやライヴ・ハウスの防音／音響工事も行う、アコースティックエンジニアリングだ。ここでは同社が手がけた“ドラムが叩ける”プライベート・スタジオにフォーカス！ 今回は東京都在住のMさんの自宅スタジオを紹介していこう。
スタジオがあるのはMさんが家族4人で暮らす木造住宅の1階。新築時に作った約5.9畳のスペースだ。独身時代は菅沼孝三ドラム道場に通い、今の家を建てる前から自分のドラム・セットも所有していたMさんは、自宅でドラムを叩ける部屋を作ることを夢見ていたという。
「ドラム・マガジンは20年近く読んでいて、この連載が始まったときは“待ってました！”と思いました（笑）。そして、2年前くらいにようやく家を建てるチャンスが巡ってきたので、もう迷わずアコースティックエンジニアリングさんにお願いしようと」。
ドラム・セットには本格的なマイキングが施され、マルチトラック・レコーディングも可能。バンド・メンバー同士で共通のDAWソフトを使い、録音したデータをメールで送り合ってオリジナル曲を作っているそうだ。「お互いにスケジュールを合わせてスタジオに入らなくても、それぞれ都合のいい時間を使って曲が作れる。このスタイルはお薦めですよ（笑）」
そんなMさんのドラムは、サイド・スネアやエフェクト・シンバル、パーカッション小物を組み込んだこだわりのセッティング。
「昔から多点派です（笑）。リハスタやライヴ・ハウスで常設のセットを叩くときも、なるべくそのスタイルを崩したくないと思って、持って行けるパーツを足して演奏していました。フル・セットを持ち出すライヴのときは、セッティングに1時間くらいかかって……結構大変でした。今ではいつでも自分好みのセッティングで叩けるので、最高です（笑）」。
今は仕事と子育てが生活の中心で、ドラムを叩くのは10〜20分くらいの細切れのペースになるというMさん。でも「空いた時間が無駄にならないので、すごく効率的です。これもリハスタではできないことですよね」と、自宅にスタジオがある暮らしを満喫しているようだ。
「太陽の光はぜひ入れたかった」というMさんの要望で、3重ガラスのFIX窓を2ヵ所に設置
出入り口は木製防音ドア×2枚。部屋の内外のインテリアに合わせて選んでいるのは定番の手法
※本記事はリズム＆ドラム・マガジン2016年4月号の記事を転載したものです。
株式会社アコースティックエンジニアリングは、音楽家・音楽制作者のための防音・音響設計コンサルティングおよび防音工事を行う建築設計事務所。1978年に創業して以来、一貫して「For Your Better Music Life」という理念のもと、音楽家および音楽を愛する人達へより良い音響空間を共に創り続け、携わった物件の数は2,000件を超えている。現在も時代の要請に答えながら、コスト・パフォーマンスとデザイン性に優れ、「遮音性能」、「室内音響」、「空調設備」、「電源環境」、「居住性」というスタジオの性能を兼ね備えた、新しいスタイルのスタジオを提案し続けている。
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