“ONE DAY GUITAR SHOW”で発表された桜モデルの注目機種を総ざらい!
- 2025/01/07
ESP / SNAPPER Ohmura Custom -Twinkle Pink / R-
ESPを愛用するギタリストに登場してもらい、自身のこだわりがつまった名器について語ってもらう新連載“ESP Lovers Gallery”。第2回はソロ活動、C4やDC/PRGといったバンド、その他サポートなど幅広く活躍する超絶派、大村孝佳が登場!
【Specifications】●ボディ:アルダー ●ネック:ハード・メイプル(CTシステム) ●指板:ローズウッド(ハーフ・スキャロップ) ●フレット:22 ●スケール:648mm ●ピックアップ:セイモア・ダンカンSTK-S1b(リア)、同STK-S1n(センター/ダミー)、同STK-S1n(フロント) ●コントロール:マスター・ボリューム、マスター・トーン、トーン(ダミー)、3ウェイ・ピックアップ・セレクター ●ブリッジ:ESP Flicker-Ⅲ Gold ●ペグ:ゴトーSG360-07 H.A.P.M. ●カラー:トゥインクル・ピンク
ESPを代表するSTタイプ、スナッパーをベースに作られたシグネチャー・ギターを何本か使い分ける大村だが、今回紹介するのはトゥインクル・ピンクが強烈な6弦モデルだ。カラーはもちろん、ボディ裏表に貼られたステッカー、ネコの足跡をあしらったポジション・マークのシールなど、とにかくド派手な本器。しかし、実は指板のハーフ・スキャロップ加工を除けばシンプルなギターで、あえてPUセレクターを3ウェイ仕様にしているほど。己の技巧で自在にトーンを操る大村ならではの1本だ。
仕様は意外とシンプル、でもセッティングはシビアです。
普段の現場では7弦モデルを使う場面が多いんですが、ソロ名義の曲、特に昔から弾いている曲は6弦で作ったものも多いので、そういう時に使うのがこのギターです。7弦ギターって、やっぱり演奏面も音作りも特殊なんですよ。だから全然別モノのスタンダードなギターとして、持ち替える意味は大きいんです。
もとになっているスナッパーは多機能なモデルなんですが、自分のモデルはあえて機能を絞ってあります。ミニ・スイッチ類を付けていなかったり、センターPUがダミーでセレクターも3ウェイ仕様だったり、トーンも片方はダミーだったり。使える音が多いと、逆に弾いている時に気になって演奏に集中できなかったりするんですよね。だから見た目に反して、ギターとしてはシンプルだと思います。ただしその分、コントロールが難しいシビアなセッティングになっていて、ナットやスプリングをミュートしたり、ピックガードやジョイントのネジも強めに締めて、タイトな音を狙っているんですよ。
ちなみに、表に貼ってあるステッカーは“招財進寶(しょうざいしんぽう)”という言葉が合わさった一文字で、中国の旧正月なんかにお店に貼るものなんです。最初は現地で買ったのがきっかけなんですが、横浜中華街あたりにも売ってますね。ほかにはファンの方からいただいたステッカーや、ガネーシャ(インドの神様)のシールや古銭のような、ご利益がありそうなものを貼っています(笑)。
本記事は、8月12日(水)に発売されたリットーミュージック刊『ギター・マガジン 2020年9月号』にも掲載されています。表紙巻頭特集は「シティ・ポップと夏。〜とろける極上ギター・ソロ篇」。ぜひチェックしてみてください!
大村孝佳(C4/DC/PRG)
おおむら・たかよし◎1983年生まれ、大阪府出身。ソロ活動のほかC4やDC/PRGといったバンド、サポート・ワークなど多方面で活躍。デビュー15周年を記念したベスト・アルバム『I・RI・S』が発売中。