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- 2024/11/25
ESP / RANDOM STAR “THE RED LEGACY”
ESPを愛用するギタリストに登場してもらい、自身のこだわりがつまった名器について語ってもらう新連載“ESP Lovers Gallery”がスタート! 記念すべき第1回は日本が誇るトップ・プレイヤー、高崎晃の登場だ。
【Specifications】●ボディ:アルダー ●ネック:ハード・メイプル ●指板:ローズウッド(240R) ●フレット:21 ●スケール:648mm ●ピックアップ:セイモア・ダンカン CS THUNDER IN THE EAST(フロント/リア) ●コントロール:ボリューム(タップでコイル・スプリット・スイッチ)、ピックアップ・セレクター、ON/OFFスイッチ ●ブリッジ:ESP FLICKER-I w/FR NFT Modify ●ペグ:シャーラー M6 mini ●カラー:Distressed Red ●付属品:オリジナル・ハード・ケース
今回紹介するのは、LOUDNESSの35周年を記念して2016年に制作されたランダムスター“レッド・レガシー”。もととなったのは1980年前後、LAZYの後期から使われ始めた赤ボディにミラー・ガードのランダム・スターである。当時多くのギター・キッズが憧れた伝説の名器を、仕様はもちろん細部の傷まで忠実に再現した1本というわけだ。特筆はブリッジがオリジナル器のフリッカーⅠ(プロトタイプ)を再現していること。初期曲「LOUDNESS」のアームダウン・サウンドはこれでないと出せないという本人談もあるほど、重要なスペックである。
ステッカーまで同じに再現されてるんですよ。
これはLOUDNESの35周年に合わせて、僕の赤のランダムスターを傷から何からすべてそのまま再現した1本です。貼ってあるシールからアーミングでできたボディのへこみ傷まで、そっくりなんですよね。僕自身、遠くから見たら見わけがつかないです。ライブではこれとKillerを併用していて、「LOUDNESS」や「In The Mirror」など、それこそまだKillerが誕生してない初期の曲で使うことが多いですね。あの頃の曲はランダムスターで作ったものもあるから、やっぱりこっちで弾くほうがしっくりくるんですよ。
80年代当時、僕がランダムスターを使い出した時は、よほどの変わり者でもない限り変形ギターを使う人はいなかった。フライングVでさえ変わった形だと思われていて、右も左もストラトかレス・ポール、たまにテレキャスターがいるくらいだったんです。でも、僕は“もっといろんなギターの形があってもいいんじゃないかな?”と思っていたんですよ。
それから40年近く経った今、こういうものがスタンダードなロック・ギターの形になってきたし、世界中のギタリストがいろんな形のものを当たり前に使うようになっている。それがすごくうれしいんです。そして、個性というのはギタリストにとって本当に大事だと思う。ギターがうまい人は一杯いるけど、やっぱり個性がないと埋もれちゃいますからね。僕のように形から入ってもいいし、ギタリストのみんなには何より個性を大事にしてほしいと思います。
本記事は、4月13日(月)に発売されたリットーミュージック刊『ギター・マガジン 2020年5月号』にも掲載されています。表紙巻頭特集は「ファンキー・ブルース」。ぜひチェックしてみてください!
高崎晃(LOUDNESS)
1961年2月22日生まれ。1981年にLOUDNESSを始動し、以降、日本を代表するギタリストとして第一線で活躍中。最新の映像作『LOUDNESS JAPAN TOUR 19
HURRICANE EYES + JEALOUSY Live at Zepp Tokyo 31 May, 2019』では、今回紹介したランダムスターの音を聴くことができる。