AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
タブレット&スマホ・ツール
音楽制作を始めてみたいけど何が必要なのか分からない……。そんなビギナーの方へ向けて、パソコンで曲作りを始めるために役立つ知識とツールを紹介する本特集が『Sound & Recording Magazine for Beginners』です。サンレコ本誌にも登場しているサンレコさんとビギナーちゃんとともに、制作機材について学んでいきましょう! 最後となるセクション5では、外出先でタブレットやスマホなどを使った音楽制作に便利な、モバイル・レコーディング・ツールを紹介します。
今や生活に欠かせない存在であるタブレットやスマートフォン。年々そのスペックも向上し、パソコンに匹敵するスペックを持つものまで登場しています。音楽制作系のアプリやハードウェアも多くリリースされており、ミニマルな制作環境を構築することも可能です。
どんな音楽制作アプリがありますか?
DAWや音源、エフェクトなど、今はさまざまな種類のアプリがリリースされているわ。タブレットやスマホの特徴であるタッチ・ディスプレイを生かし、直感的な操作が可能になっているの。アプリ間で連携して音声データのやり取りが可能だったり、パソコンのDAWソフトウェアへそのままプロジェクトを引き継げるものもある。外出先で思い付いたアイディアをスマホでスケッチしておいて、自宅のパソコンでそれをブラッシュアップする……というのもいいかもしれないわね。
タブレット/スマホ用のハードウェアはどうつなげばいいですか?
パソコン用のオーディオI/OなどはUSBタイプAやタイプCが多いけど、それらが備わっているのスマホやタブレットは少ないわね。例えばAPPLE iPhoneやiPadはLightning端子だし、AndroidデバイスであればmicroUSBが多い。自分の持っているデバイスの端子を確認しておきましょう。また、APPLEデバイスはiOSやiPadOSというシステムで、AndroidデバイスはGOOGLEのAndroid OSというシステムを搭載しているんだけど、どちらかにのみ対応しているハードウェアもあるから注意してね。
スマホで動画配信をやりたいです!
そんなときにもタブレット&スマホ・ツールは大活躍するわ。例えば、対応するマイクをスマホに取り付けて、スマホ内蔵カメラを使って自分が歌う様子を撮影すれば、スマホのみで撮影したときと違ってより高品質な音声で録画ができるの。ほかにもタブレット&スマホ対応のオーディオI/Oを使って、歌と同時にギターを入力して弾き語り動画も録れるわね。今ではビデオ・カメラなどの撮影機材を使わず、スマホのみで動画配信をする人もいるから、“配信者になりたい!”という人にとってもタブレット&スマホ・ツールはとても重宝すると思うわ。
iRig 2は、ギター/ベース用のモバイル・オーディオI/O。フォーン入力端子は、ハイ・インピーダンスのギター/ベースだけでなく、ライン・レベルの楽器にも対応する。iOSデバイスなどに接続するためのステレオ・ミニ端子のほか、ヘッドフォン・アウト、アンプ接続用のフォーン出力端子、入力ゲイン調整用ダイアルを装備。バンドルされるAmpliTube Freeを用いた演奏や、レコーディング・アプリでの録音が可能だ。またFX/THRU切り替えスイッチも装備し、AmpliTubeを通したエフェクト・サウンドとバイパス音を切り替えてのプレイも可能。
対応機種:[iOS]
製品情報・問合せ:www.ikmultimedia.com
iRig HD 2は、Mac/Windows/iOSに対応したモバイル・オーディオI/O。ポケット・サイズながらも最高24ビット/96kHzに対応する高品位なADコンバーターを装備。また、モニター音量も調節可能なヘッドフォン出力端子、エフェクトのウェット/ドライを切り替え可能なFX/THRUスイッチなどを搭載している。Mac/Windows/iOSで動作するAmpliTube 4のフル・バージョンがバンドルされているのもうれしいところだ。さらに、同社のiRig BlueBoard、iRig PowerBridgeなどと併せて使用することで、よりモバイル性を高める機能拡張が行える。
対応機種:[Mac] [Win] [iOS]
製品情報・問合せ:www.ikmultimedia.com
Gadget 2は、“ガジェット”と呼ばれる40個以上の小型シンセ/リズム・マシンを搭載し、それらを組み合わせて音楽制作が行えるソフトフェア&プラグイン。本バージョンで第2世代となり、iOS版、Mac版に加えてWindows版も登場(Gadget 2 Pluginsのみ対応)。メイン画面のカラーを見直し、各トラックの状況を一目で確認できる新デザインを採用することで、直感的なユーザー・インターフェースもさらに使いやすくブラッシュアップされた。
また、新たに6つのガジェットも追加された。ラインナップは、セミ・モジュラー・アナログ・シンセのMemphis、6ボイス・ポリフォニック・シンセのPompei、MIDIアウト・コントール・モジュールのTaipei、ベース・エフェクト・プロセッサーのDurban、SEGAの16ビット・ゲーム機を模したリズム・マシンOtorii、TAITOのアーケード・ゲーム機を模したシンセEbina。これらを含むすべてのガジェットがDAWのプラグインとしても機能する。さらに、直感的なガジェット・シーケンサーにフレーズを入力し、先述のTaipeiを使用することで、ハードウェアのシンセやリズム・マシンなど、さまざまなMIDI機器とシームレスな接続が行えるようになった。
対応機種:[Mac] [Win] [iOS] ※WindowsにはGadget 2 Pluginsのみ対応
製品情報・問合せ:www.korg.com/jp/
MV51は、スタンド・マウントが可能な大型ダイアフラム・コンデンサー・マイク。1インチ(25mm)のマイク・カプセル・エレメントでクラス最高の音質を実現した。MV88は、Lightning端子を備えたiOSデバイスに接続し、モバイルでの高品質レコーディングを可能にするステレオ・コンデンサー・マイク。特性のそろったカーディオイドと双指向性の10mm径カートリッジによりクラス最高の音質を実現。M/S方式による位相の整ったクリアなステレオ・イメージも特徴だ。画期的な90°の首振り/回転機構により、さまざまなシーン、角度での録音をサポートし、ビデオ収録にも対応する。新しいMV88+ ビデオキットは、アップデートされたDSPにより、さらに開放的で自然な音声録音が可能になり、ミニ三脚を含めた必要アクセサリーがすべてそろったオール・イン・ワンのセット。MV51と同様にリアルタイム・モニタリングができて使い勝手が良い。いずれも5つのDSPプリセット・モードを搭載している。また、これらをさらに使いやすくしてくれるShurePlus Motivアプリは、ゲインの調整や周囲の環境に合わせて指向性の最適化が可能。トリミングや分割、ファイル共有を直感的に行えるインターフェースも魅力的だ。
対応機種:[Mac] [Win] [iOS] [Android](一部非対応) ※MV88はiOSのみ対応
製品情報・問合せ:www.shure.com/ja-JP
Xkey Airは、軽量/コンパクトで、Bluetooth接続が可能なMIDIキーボード。美しさを追求したアルミニウム筐体のスタイリッシュなルックスが目を引く。Bluetooth接続ながら低レイテンシーを実現し、バッテリーの持ちの良さも特徴だ。コンパクトなボディにはフル・サイズの鍵盤を備え、専用アプリケーションXkey Plusで各鍵盤ごとのベロシティ・カーブなどプレイヤーに合わせたカスタマイズが可能となっている。オクターブ・チェンジやピッチ・ベンドといった操作子も充実。37鍵モデルと25鍵モデルが用意されている。
対応機種:[Mac] [Win] [iOS] [Android] ※WindowsおよびAndroidとの接続には別売のWIDI BUDがおよびOTGアダプターなどが必要
製品情報・問合せ:https://dirigent.jp
『Sound & Recording Magazine for Beginners』はいかがだったでしょうか? 音楽制作に使われる機材を数多く紹介してきましたが、もちろん人によって使うシステムは千差万別です。まずは自分が“面白そう!”“かっこいい!”など、直感で選んだものからスタートするのも一つの手でしょう。ぜひこれからもサンレコとともに音楽制作ライフを楽しんでください!
├ 音楽制作の中心的存在=DAW
├ オーディオI/Oは音が行き交うターミナル
├ 高音質での録音/再生に欠かせないマイク&モニター機器
├ 制作により深みを加えるMIDIコントローラー&シンセ&プラグイン
├ モビリティに長けたタブレット&スマホ・ツール