AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
FACTION MUSIC
日本各地に点在するという、ハマったら抜け出せない機材の沼スポット。自他共に認める機材好きで1日に5回デジマートを見る男が、全国の沼を訪ねて歩く連載、それが「ニッポン沼めぐりっ」! 今回は、東京都大田区のFACTION MUSIC(ファクションミュージック)に突撃です!
昨年の暮れ、デジマート・マガジン編集部から連絡がきた。
「井戸沼さん、今度の沼めぐりは大田区のFACTION MUSICに決定です!」
ほほう、都内、しかも大田区……。
正直、普段はあまり行かない地域だ。
「商店街の中に、地域に密着してリペアに力を入れつつ
通販で全国に発送もしてくれるいい楽器店さんなんですよ!」
へえー、では久しぶりに大田区
行ってみようか。
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いざっ!
というわけで、東急池上線に乗ってみた。起点となる五反田駅では、なぜかデパートの中を通って改札に向かう。そういう構造なのだ。取材の初っ端からして、不思議。
途中、Charさんの地元でもある戸越銀座を通過し、やってきました石川台。この駅で降りるのは、生まれて初めてだ。
人生の初石川台で記念撮影!
この駅の近くにおいしいサンドイッチ屋さんがあるという。確かに踏切のそばに、それと思われる店が。
これか!
おしゃれパン屋が苦手な私も
安心のたたずまい!
どれどれ、何があるのかな……。
やや、これはうまそう!
このハムカツの分厚さよ!
隣のタマゴもおいしそう……ゴクリ。
もうね、早速食べちゃう!
すいませーん!
ひとつください〜!
この連載は楽器店や音に関するスポットめぐりをテーマとしています。
どうせなら、池上線を見ながら食べるか……。ということで、陸橋の上で、夕日を浴びてモグモグ。
むうう。これはうまいわ!
こんなところで食べたんだけど……
どうも不審者にしか見えなかったらしく、地元の方がわざわざ自転車を降りて、私をチェックしに来ました……。
一心に池上線を見る私と
↓ 釣られて線路を眺める地元の方 ↓
実は「FACTION MUSIC」は、駅の逆方向。寄り道ばかりしていないで、向かうか。
道中高架下にて、ちびっ子たちが描いた大きな絵を発見! まるで美術館の絵画のように鑑賞してみる。これが、ストリート・ミュージアム・テクニック!
そこから少し(2分くらい?)、商店街を歩くと……お、あれかな?
あ、看板出てる! ん? このイラストは……
フリー素材でよく見かける
彼じゃん!
扉を開けて、階段をトントントンと登ると……
2階にFACTION MUSICのドアが! いつも、この瞬間はドキドキです。
おお! 入ってみると、中は想像していたより広い! ビルの構造上、長細い感じで奥行きのあるお店だ!
入り口近くのモニターでは、FREEが熱演中! 楽器店で好きな音楽が流れていると、それだけでアガる!!
みんな大好き、エレキ・コーナー!
なるほど、何でもひと通りある感じだな〜。
私 ── そもそも、なんで大田区のこの場所で、楽器店を?
山口さん ── 実は、地元なんですよ。生まれは福島なんですけど、幼稚園児の頃にこの辺りに引っ越してきまして……。
私 ── あ、なるほど。お店を開く前は、どんな感じだったんですか?
山口さん ── ずっとバンドマン生活をしていまして、イラストレーター、デザイナーとして会社勤めも経験し、脱サラし地元で店を始めたって感じです。2020年で、開店してからちょうど10年になります。
私 ── 10年間、何かこだわってきたところとかあるんですか?
山口さん ── うーん、あまりこだわらないようにするというか、ニュートラルでいたいと思っています。
ちなみにイラストレーター、デザイナーという職を選び、最終的に脱サラしたのは「(普通に就職して)髪を切りたくなかったから」 だそう。そういうことを言う人はよく見るが、貫き通している人は少ない。
ニュートラル……なんとなく、わかるような……。でも、こだわりがないわけではないのでは?
例えば、リペア。
店の奥がリペア・ルームになっていて、週に2日は専門のリペア担当者の松戸浩さんが対応してくれる。簡単なリペアだったらその場で対応してくれる場合もあるとのこと(ただし、お店の混み具合やリペアの待ち状況にもよるので事前に確認の連絡をしよう)。
特に好評だという「スーパー・メンテナンス」は、ネジ1本まで徹底的に磨き上げ、まるで中古を新品の様によみがえらせるリペア。愛器がピカピカになったら、それはうれしいよね。
こんな風に、ネジを丁寧に磨くと……
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ピカーン!
そんな時、リペアに出していたギターを引き取りに来たお客さんが来店!
モノはすごく珍しいコア・トップのフェンダーのアコギ!!
結局、お客さんは「すごく弾きやすくなりました!」と大満足で帰って行った。うれしそうな姿に、ほっこり。改めて店内を見ると、面白い品が結構あったよ。
それにしても、10年かぁ。決して景気がいいわけではないこのご時世に、10年もお店を続けるって大変なことだよなぁ。
最後に、山口店長と記念撮影!
これにて取材完了!
お店を後にして、商店街をぶらりとするつもりが、お店のすぐ近くに「The 地元」という感じの定食屋さんを発見し、イン。早速、飲酒活動、開始!
ご飯は生姜焼き定食にしました!
それにしても今回のお店は、これまでの連載の中では変わっているよな……。
なにしろ、これまでが個性が強過ぎるお店ばかりだったので、こういう“ニュートラルな志向”のお店が逆に変わっているように感じるという……。
まぁとにかく、ヨシ! ミッション・コンプリート!
水深(ギターの品ぞろえ)★★★
水質(スタッフの対応)★★★★☆
沼の面積(フロアの広さ)★★★
周辺状況(近隣の飲食店など)★★★
判定:沼というよりは「地元の良店」という印象。
FACTION MUSIC
住所:〒145-0065 東京都大田区東雪谷2-13-2 2F
電話番号:03-6425-7769
営業時間:13:00〜20:00
定休日:火曜日、第2・4水曜日
デジマート・ショップページ
https://www.digimart.net/shop/4849/
井戸沼尚也(いどぬま なおや)
日本で唯一の、沼鑑定士(自称)。
1日5回デジマートを見る、機材大好きのギタリスト/レビュアー/ライター/ワウペダル奏者。
インスト・ファンク・バンドZubola Funk Laboratoryのメンバー。
2019年3月より、ドラムとギターのみの変態インスト・バンド「Ragos」を始動。マスクをするとデジマート地下実験室の室長に似ているらしい。