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- 2024/11/16
BOSS / VB-2W
プロ・ギタリストが愛用するBOSSコンパクト・エフェクターの魅力をアツく語ってもらう連載。第7回目は、おとぎ話のギタリスト、牛尾健太。
もともとはコレの前身モデル、VB-2の音が好きだったんです。VB-2を使っていたグレアム・コクソン(ブラー)のサウンドが特に好きで。僕も欲しかったのですが、VB-2は中古市場でも値段が高く、しばらくコピー・モデルで代用していました。で、このVB-2Wが発売されることになった時、とある企画で弾かせてもらったんです。やっぱりホンモノだと音が圧倒的に良くて、そこからはずっとコレを使っています。それが3年ほど前ですね。
気に入っているポイントはバンド・アンサンブルに自然に馴染んでくれるところ。使い方も“コーラス兼、トレモロ兼、レスリー・スピーカー”という感じで、飛び道具的な使い方はあまりしません。ツマミの設定(ライブ時)もRATEとDEPTHは深すぎない12時前後だし、RISE TIME(ビブラートの立ち上がり時間をコントロールする)も10時前後。“ガッ”と一気にエフェクトがかかるより、“フワ〜”っとゆるやかにかかるほうが好きなんです。モードはBYPASSにしていますが、そうするとハイが落ち着いて扱いやすいんです。VB-2Wと一緒にディレイとリバーブを薄くかけるともう最高ですよ。“温泉”に入っている時みたいに心地良い音になる(笑)。
VB-2Wを使った楽曲だと、以前参加した菅田将暉さんの「りびんぐでっど」では踏みっぱなしにしていました。おとぎ話でも「HOMEWORK」、「EARTHBOUND」(ともに『眺め』収録)で使いましたね。あとはセッションでちょっとだけ音の変化が欲しい時にも重宝しています。ナチュラルに音が変化するので、例えば“コーラスのキラキラ感が苦手”な人にもオススメですね。
本記事は、2月13日(木)に発売されるリットーミュージック刊『ギター・マガジン 2020年3月号』にも掲載されます。表紙巻頭特集はレッド・ホット・チリ・ペッパーズに電撃復帰した「ジョン・フルシアンテ」。ジョンの機材や奏法の解説はもちろん、過去のギター・マガジンに掲載されたインタビューをすべて掲載。ぜひチェックしてみてください!
価格:オープン
牛尾健太(おとぎ話)
うしお・けんた/1983年生まれ。広島県出身。2002年にロック・バンド、おとぎ話に加入。ビートルズ、レッド・ツェッペリン、ブラーといったブリティッシュ・ロックから影響を受けたメロディアスなフレーズ・ワークに定評がある。バンドはドレスコーズ、カジヒデキ、忘れらんねえよ、前野健太などのライブ/レコーディングにも参加。ライブ・バンドとしての評価の高さに加えて、映画や演劇など、多ジャンルにわたるアーティストやクリエイターからの共演を熱望する声があとをたたない。最新作は2019年にfelicityから配信限定でリリースした『REALIZE』。