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- 2024/11/16
Udo-amps / Da Capo 75
30年以上に渡りアコースティック・ギター・アンプの設計に携わり、アンプ・メーカーAERの創業者としても知られるUdo Roesner(ウド・ロースナー)氏が、新たなブランド=Udo-ampsを立ち上げました。今回、自身の考える「理想のアコースティック用アンプ」を形にしたDa Capo 75をご紹介していきます。
Da Capo 75は2チャンネルのマイク/ライン入力端子、3バンドEQ、6種類のエフェクト(Reverb Short、Reverb Long、Chorus、Custom Delay、My Delay、Tap n' Delay)などを搭載。本体は7.5kgと軽量ながらも75Wの出力を誇り、カスタムメイドの8インチ・ツイン・コーン・タイプのスピーカーは高域から低域までをしっかりと出力する豊かなレンジ感が魅力です。端子類は、チャンネル独立のDIアウト、出力レベルが異なる2つのライン・アウト、AUXインプット、ファンタム・パワー、ヘッドフォン・アウトなど、さまざまな入出力が装備されています。
まずガット・ギターをつないで弾いてみると、アンプ自体の中低域がしっかりしていることもあり、ハリのあるサウンドが印象的でした。コード・バッキングと単音プレイのどちらに対しても押し出しが強く、ひとりで弾いていても十分な音像感、音圧感を感じます。また、細かいニュアンスのタッチもしっかりとアウトプットしてくれるので、臨場感のある生々しいサウンドが楽しめました。そして、リバーブのノリも心地良く、軽くかけるだけで十分に音楽的なサウンドを演出できるのがポイントです。
次にアコースティック・ギターで音を出してみました。Da Capo 75は3バンドEQの効きがかなり良く、高音域を多めに出すセッティングや、ミッド・レンジを強めにしたセッティングなど、ガラッと表情の違うセッティングを作ることが可能でした。どちらのセッティングもアコースティック・ギターではよく使われますが、高域を上げた時にはギラッとしたトレブル成分がハッキリとわかり、ストローク中心のプレイで重宝しそうです。中域を上げた時には音の太さがあるので、ソロ・ギターのプレイも楽しめそうです。
また、2つのチャンネルに独立したDIアウトが標準装備されているので、宅録やライン出しをする時にはうれしい装備です。DIのサウンドもかなり良質で、マイキングよりもノイズが少ない分、「こちらで録音するほうがアリなのでは!?」と思ってしまうほどのリアルなサウンドでした。
Da Capo 75は小型ながら、かなりパワフルなサウンドという印象でした。中域〜低域がこれまでのアコースティック用アンプよりも遥かに強化されており、「アコギやガット・ギターを弾く時に欲しいのは、コシのある中低域なんだ」という製作者の意図がしっかりと感じ取れます。中低域に余裕があるとプレイの質も変わってきますし、楽器単体だけでも十分勝負できるサウンドになります。さらに本体には専用のショルダー・バックが付属するので、持ち運びも簡単。さまざまな場所でこのアンプを楽しんでみてはいかがでしょうか。
価格:オープン
野村大輔(のむら・だいすけ)
1975年、東京都出身。エレキ・ギター、アコースティック・ギターのどちらも得意とし、歌の良さを引き出し曲に溶け込むようなギターアレンジを得意としている。また、幅広いジャンルをカバーしつつもブルースをベースにしたプレイ・スタイルを持ち味としたギタリスト。15歳からビートルズに憧れアコースティック・ギターを弾き始め、その後ジミ・ヘンドリックス、エリック・クラプトンなどに影響を受けエレキ・ギターを弾くようになる。様々なバンド活動をしながら10代でギター講師の仕事を開始し、現在ではレコーディング・サポート、ライブ・サポート、作曲、編曲、プロダクト・スペシャリスト、ギター講師、執筆活動など幅広く活動を続けている。