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- 2024/11/16
Fano Guitars
クラシックな雰囲気や独創的なアイディアを現代的な技術で体現するFano Guitars。そのユニークなラインナップの数々はどれもインパクト抜群でありながら確かな演奏性と音質を兼ね備え、世界中で愛用者が急増しているブランドだ。同社の代表であるジャック氏へ話を聞きつつ、Fanoの魅力に迫っていきたい。
──あなたのビルダーとしてのプロフィールについて教えて下さい。
11歳の時にプロ・ギタリストとしての活動を始め、16歳の頃にはギターの製作や修理も行なうようになりました。高校を卒業すると、バンドでツアーに出かける傍ら、ヴァン・ヘイレン、KISSといったコンサートのプロモーターも手がけたんです。そして1981年、CBS時代のフェンダーに入社しました。そこで2~3年間働いたあとにはアラスカに移ってバンドをやり、86年にフェンダーに戻り、さまざまな役職を転々としました。実はコロナ工場を立ち上げた人間のひとりでもあるんですよ。2014年まで働き、フェンダーを辞めた頃の私は副社長兼グローバル・クオリティおよびカスタマー・サービス担当という役職でした。
──Fanoには何人のスタッフがいるんですか?
現在は7人ですね。私が社長兼CEOですが、小さな会社なので全員が複数の役割を担っていて、デザインやマーケティングについては全員が関わっています。Fanoの社員が誇りに思っているのは、全員がミュージシャンだということです。ビジネス・センスを備えつつもクリエイティヴなアーティストであり、そして優れたビルダーでもあるんです。
──ユニークなギターが多いですが、Fanoのコンセプトとは?
もとのコンセプトは創業者デニス・ファノが考えましたが、3年半ほど前に私が引き継ぐと、Fanoにはもっと優れた定義が必要だと思いました。クラシックなエレキ・ギターからインスピレーションを得つつも、“別の音”を生み出すことをコンセプトとしたんです。ストラトキャスターの代わりを作りたいわけではありません。これまでのギターにはないユニークな音を生み出したいんです。
──長年弾き込んだかのようなルックスも魅力的ですよね。
私たちはこの加工を“ディストレス”と呼んでいますが、これがギターにストーリーを与えています。ビルダーは“この男はギターを低い位置で弾いていたから、ベルトのバックルがここに当たったんだ”、“太いカール・コードを使っていたから、ここがすり切れたんだ”といったことを想像して作るんです。
──それぞれで違うんですね。
そうですね。なぜなら、オールドスクールなギターの作り方に倣って、ライン生産ではなくひとりのビルダーが最初から最後まで1本のギターを作っているからです。ただ、それに加えてCNCといった現代のテクノロジーや新たな塗装技術も駆使していて、それによってギターのクオリティを保っています。
──これからFanoを手にしたいと考えている人へメッセージをお願いします。
ぜひともFanoを手に取り、弾いてみて、心に響くかどうか試してみていただきたいですね。そしてFanoを弾くことで自身の音を見つけるギタリストがひとりでも増えるのなら本望です。我々は、そのクオリティを備えるギターを作るため日々努力を重ねていますからね。
2001年頃、創業者デニス・ファノ氏がペンシルバニア州フリートウッドにて立ち上げたFano Guitars。氏の独創的なギター・デザインと確かなクオリティにより、ユニークなギターを愛するユーザーにとってはすでに名高いブランドである。そんな同社には2017年頃に転換期があり、現在は今回インタビューを行なったジャック・シュワルツ氏が代表を務める言わば“新生Fano Guitars”と呼ぶべき体制に。拠点もアリゾナ州スコッツデールに移ってはいるが、そのラインナップにはデニスが作り上げたデザインの数々が継承されている。
現在の製品は大きく分けてカスタムオーダー・ラインの“Alto de Facto”、ある程度スペックが固定されたセミオーダー・ラインの“Standard”のふたつで、本ページにてピックアップするのはいずれもAlto de Factoに属するものだ。JMシェイプやアルダー・ボディ、メイプル指板&ネックが特徴の“JM6”。マホガニー・ボディ&ネックと、リッケンバッカーを意識した独特なシェイプが魅力の“RB6”。フェンダーのレア・モデル、スターキャスターをモチーフにしたユニークな形状が目を引くセミアコ“GF6”。これらが基本的なベース・モデルでありつつ、カスタム/セミオーダーの内容によってスペックは個体ごとに千差万別。自分にマッチする1本を探求するのもFano Guitarsの醍醐味と言えるだろう。
※今後の入荷は店舗までお問合せください。
本記事は、11月13日(水)発売のリットーミュージック刊『ギター・マガジン 2019年12月号』の特集を転載したものです。本号の表紙巻頭はフェンダー・アンプ! 1940年代のビンテージ・アンプから2019年製の現行機種まで、フェンダー・アンプ愛用者のインタビューやヒストリーなどをとおし、その魅力を大特集。そのほか、福山雅治やカネコアヤノ&林宏敏のインタビュー、マニック・ストリート・プリーチャーズのライブ機材なども掲載。ぜひチェックしてみてください!
価格:オープン
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