AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
MAHALO
ハワイ語で“ありがとう”の意味を持つ言葉をブランド名を冠した“MAHALO”。バラエティに富んだデザインやお手頃な価格設定などで世界中に購買層を拡大。近年はインドネシアに工場を設け、ハイ・コストパフォーマンスはそのままに高品質な楽器作りを目指している。そこでウクレレ・プレイヤーのTomoki Satoを試奏者に迎え、MAHALOの特徴的な3モデルを試した。
伝統的なハワイメイドのようなシンプルな作りを求めたKAHIKOシリーズ。センゴンやジャボンといった東南アジアに多く見られる木材をボディやネックに用いつつ、指板やブリッジにマホガニーを採用。ギアペグ仕様や、ソプラノ・サイズの本器は重量260gという軽さも魅力。
【Specifications】●サイズ:ソプラノ ●ボディ:センゴン ●ネック:ジャボン ●指板:マホガニー ●ブリッジ:マホガニー ●カラー・バリエーション:全4色 ●実勢市場価格:2,700円前後
まず、値段を聞いて“安いな!”って思いました。この価格だけどギアペグになっているので、チューニングのストレスが少ないのがいいですね。だから安心感もあるし、潔く12フレットだけにしているというのも気持ち良い。全体が軽いというのもあってか、音色は軽やかな印象ですね。ジャカソロみたいな感じの演奏に合うんじゃないかと思います。フレットの処理もそれなりにされているし、ネックのシェイプは太過ぎず、若干平べったいU状で、しっかりカーブもあるので、セーハしてもストレスはないです。
夏をコンセプトにサウンド・ホールやカラーをダイナミックに彩った“デザイナー・シリーズ”の1本。ハワイの島々を模したサウンド・ホール(サイドにも!)にボディに太陽と空を描いた本器の他、ハイビスカス型のホール・デザインのモデルなど計4色がラインナップ。
*動画ではMD1HBとなっておりますがMD1HAが正しい品番となります。
【Specifications】●サイズ:ソプラノ ●ボディ:センゴン ●ネック:ジャボン ●指板:マホガニー ●ブリッジ:マホガニー ●カラー・バリエーション:全4色 ●実勢市場価格:3,920円前後
塗装の影響か、材構成はKAHIKOとほぼ同じだそうですが、響き方が違いますね。しまりのある音というか、ちょっとコンプレスされた印象があります。こちらもギアペグというのがいいですね。ネック形状の感じもKAHIKOと同じですが、塗料が違う分、若干こちらの方が吸いつく感じがあります。これも安い。はじめての楽器としてウクレレをやってみたいという子どもが、クリスマスの朝に起きてこれが届いていたら、めちゃめちゃテンション上がりますよね。万が一、飽きられてもインテリアとして可愛いです(笑)。
ナトーやサママなどインドネシア産の最高品質トーンウッドを用いたアーチバック・ボディに、サドルには音量と広がりのあるサウンドに定評があるカナダ製のNubone XBを採用したJAVAシリーズ。本器はそのバリトンで同社のオリジナル・ピックアップを内蔵。
【Specifications】●サイズ:バリトン ●ボディ:ナトー ●ネック:サママ ●指板:ティーク ●ブリッジ:ティーク ●ピックアップ:MVT2 ●コントロール:ボリューム、トーン、チューナー ●カラー・バリエーション:全3色 ●実勢市場価格:11,250円前後
第一印象はふくよかな音色。見た目もスロッテッド・ヘッドが採用されていたりとシンプルでありながら、値段に対して高級感がありますね。しかも20フレットまであって、ピックアップ内蔵。生音とピックアップの音、どちらも試しましたが、音色の差はあまり感じませんでした。しかもこれ、ピックアップはアクティブ(9V電池駆動)だから音圧もしっかり出る。バランスもいいし、トーンの効きが良くて、いい感じのところが持ち上がるので、音作りはしやすいです。幅広く使えそうな印象。そういう意味でも遊べる楽器だと思います。
コストパフォーマンスがすごいですね。いわゆるおもちゃウクレレくらいの価格帯だけど、おもちゃじゃなくて、ウクレレとして見れる。そういうのは、これまではありそうで意外となかったように思います。ギターには低価格だけど使える、というものがすでにあるようですが、ウクレレ・ブームと言われていたのが今もジワジワ続いていて、ウクレレもこれからはこういう価格帯で使える楽器が増えてくる時代になったのかなと思いました。いちウクレレ・ファンとしては、これからもっとウクレレが広まってくれればいいかなと思っていて、そういう意味でこのブランドの貢献度は大きいと思います。
価格:オープン
価格:オープン
価格:オープン
Tomoki Sato
1992年生まれのウクレレ・プレイヤー、シンガー/ソングライター。16歳でウクレレと出会う。当初はインストによるソロ・ウクレレのスタイルで活動していたが、2012年頃より弾き語りも始め、以降は両方のスタイルでの演奏を続けている。留学経験をもとに国内外での自身の演奏活動の他に中西圭三のツアーなどにも参加。先日、3年ぶりの2曲入り新作「オレンジ」「MOONLIGHT」を発表したばかり。