BOSS / SY-1000
BOSSから、フラッグシップ・ギター／ベース・シンセサイザー兼モデリング・プロセッサー「SY-1000」が登場した。サンプリング・レート48kHz、AD/DA変換32bit、内部演算32bit float（浮動小数点）による次世代のシンセ・エンジンや、処理能力がSY-300の6倍にも達したカスタムDSP、進化したGKテクノロジーを搭載し、BOSS史上最も豊富なサウンド・バリエーションとフレキシブルなセッティングを実現。アナログ・スタイルの図太いシンセ・リードや温かみのあるパッド、躍動感あふれる16ステップ・シーケンス、生々しいエレクトリック／アコースティック・ギター・モデリングなど豊富なサウンドを内蔵し、それらを自由に組み合わせて、変幻自在にサウンドを構築可能だ。
SY-1000はギター／ベースに取り付ける13ピンのGKピックアップ（別売り）とともに使用することで真価を発揮。そのサウンドはINSTと呼ばれる楽器ブロックにシンセサイザーやモデリング・ギターなどを割り当て、それらを組み合わせることで構築していく。別々のタイプを組み合わせるのはもちろん、同じタイプを複数重ねて厚みのあるサウンドを作ることが可能。また、GKピックアップからの信号は各弦の独立した処理が可能で、すべてのINSTでトーンの調節やミックス・バランス、チューニングなどを緻密かつフレキシブルに行なうことができる。
内蔵された音色の中で興味深いのは、新開発のDynamic Synth。今までにないまったく新しいギター・シンセサイザーで、各弦独立信号処理のGKインプットと超高速DSPが楽器の持つ特性を忠実にトラッキングし、重厚なシンセ・サウンドを創出。オシレーターの波形は10種類から選択でき、サイン波や矩形波、のこぎり波といったオーソドックスなタイプに加え、Roland独自のSUPER SAWなど幅広くカバーしている。さらに、Dynamic Synthは2基の16ステップ・シーケンサーを駆使することで、さらなる真価を発揮する。シーケンサーは、16ステップで個別にピッチとフィルター、音量の設定ができ、さらに各ステップのエンベロープ・カーブは13種類から選択できる。3つのDynamic Synthをレイヤーし、オシレーターとステップ・シーケンサーを操れば、異なる3つの波形のシンセ・サウンドが複雑に重なり合った強力なサウンドを構築可能だ。そのほかにも、アナログ・スタイルのポリフォニック対応のオシレーター・シンセサイザーOSC Synth、また、1980年に生まれ、数多くの著名なギタリストが愛した伝説的なアナログ・ギター・シンセサイザー“Roland GR-300”のサウンドも完全再現し搭載。加えて、往年のBOSS/RolandのGKプロダクトに搭載されたモデリング・ギターもブラッシュアップして搭載されており、弓で弾いたようなサウンドを想起させるVIO GUITAR、高い解像度と豊かな質感のエフェクト・サウンドPoly FXなども組み込まれている。なお、Roland GKピックアップを使わない場合は、GUITAR INPUTを活用すれば、一般的なギター／ベースでもDynamic Synthと内部エフェクトは使用可能だ。
豊富な入出力も魅力で、そこに加えて自由にアサインできるフットスイッチ、外部コントロールを駆使することで、その可能性は無限大に広がるだろう。本機の膨大なサウンド・バリエーションと高い表現力は、必ずやプレイヤーの創造力や発想力を刺激してくれるはずだ。発売は2020年2月、市場想定価格は100,000円（税別）を予定している。
価格：オープン
