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SampleRobot MONTAGE Editionでビンテージ・シンセをサンプリング! feat. 佐藤純之介

SampleRobot MONTAGE Edition

SampleRobot MONTAGE EditionはMONTAGEユーザーに無償で提供されるサンプリング・ソフトウェア。MIDI対応シンセサイザーの音色を全自動でサンプリング、そのサウンド・データをヤマハMONTAGE用に書き出し弾けてしまうという画期的なものだ。今回は、多数のビンテージ・シンセを所有する音楽プロデューサーの佐藤純之介氏に、Prophet-5、Emulator II、さらにはFairlight CMI IIIといった貴重なシンセをサンプリングしてもらった。往年の名機の音色がMONTAGEでどのように再現されるのか。ぜひ最後までご覧いただきたい。

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SampleRobot MONTAGE Editionでビンテージ・シンセをサンプリング!

SampleRobot MONTAGE Editionとは?

サンプリング・ソフトウェア「SampleRobot MONTAGE Edition」

 SampleRobot MONTAGE Editionは、ベルリンに本拠を置くSKYLIFE社が開発・リリースするサンプリング・ソフトウェア「SampleRobot」をヤマハMONTAGE用にカスタマイズしたもの。MIDI対応シンセサイザーであれば全自動でサンプリング、その音色をMONTAGEのユーザー/ライブラリー・ファイルとしてエキスポートできるので、サンプリングしたシンセの音色をMONTAGEで弾けてしまうのだ。その仕組みは以下の通り。

1. サンプリングしたい機器のオーディオ・アウト、MIDIインを、オーディオ・インターフェースのオーディオ・イン、MIDIアウトに接続(※接続方法の一例)。

SampleRobotの接続例。この例では、SampleRobotからオーディオ・インターフェースを介してMIDI信号をシンセに送り、シンセから発せられたサウンドをSampleRobotでサンプリングする仕組みだ

2. SampleRobotのウィザードに沿ってサンプルする音の長さや鍵盤数などを設定し、サンプリングを実行。

設定ウィザード画面。Sampling Rangeでは鍵盤数を選択

設定ウィザード画面。Note Lengthではサンプル秒数を設定

3. MONTAGEユーザー/ライブラリー・ファイルを書き出し、USBメモリー経由でMONTAGE本体に取り込む。

サンプリング実行中の画面。サンプリングごとにウェーブ・フォームが生成される

エキスポート画面。MONTAGEのユーザー・ファイル、またはライブラリー・ファイルとして書き出しが可能

 このようにシンプルなステップで一連の作業が完了する。本ソフトは英語対応のみだが、10ステップ程度のウィザードに沿って設定を進めれば特に難しいことはない。サンプルする音の長さやキーの幅などによってサンプリングにかかる時間は変わるが、早ければ数分で完了する。まずはデフォルトの数値や、ヒントで推奨されている設定に従って進めていけば問題ないだろう。

 実践面においては、ライブなどでMONTAGE以外のシンセを使いたいときでも、SampleRobotでMONTAGEに音色を取り込んでしまえば、複数のシンセを持ち込む必要がなくなる。また、モノフォニック・シンセのサウンドをポリフォニックで弾いたり、本体の音色とのレイヤー、実機にはないMONTAGEならではのエフェクトを用いてまったく新しいサウンドを創り出す、といったクリエイティビティを刺激する使いかたもできてしまうのだ。

 SampleRobot MONTAGE Editionは、米国Yamaha MusicSoftウェブサイトを通してすべてのMONTAGEユーザーに無償提供されているので、ぜひこの機会にダウンロードして、本ソフトの実力を確かめてみてほしい。

SampleRobot MONTAGE Edition ダウンロード方法

Yamaha MusicSoftウェブサイトのSampleRobot MONTAGE Editionダウンロード・ページ

 まずはYamaha MusicSoftウェブサイトにアクセスしてアカウント登録(無料)しよう。サイトは英語対応のみだが、メールアドレス、パスワード、氏名を入力し、プライバシー・ポリシーなどに同意するだけ。ログイン後、登録フォームにMONTAGEのシリアルナンバーなどを入力、送信すればダウンロード可能になる。

※SampleRobot MONTAGE Editionは米国法人であるヤマハ・コーポレーション・オブ・アメリカが運営するYamaha MusicSoftが取り扱っており、ヤマハ株式会社および国内ヤマハグループ各社による日本国内での取り扱い・製品サポートは行っておりません。製品に関するご質問はYamaha MusicSoftウェブサイトからお問い合わせください(英語のみ)。

佐藤純之介に聞くSampleRobot MONTAGE Editionの魅力

レコーディングで使った音色をそのままステージで演奏できる

──SampleRobotを使用した感想をお聞かせください。
 とにかく簡単で、自動的にループ・ポイントを設定してくれるのですが、その精度が良くて、想像以上にオリジナルの楽器の音を再現できるなと思いました。

──取り込んだ音色をMONTAGEで弾いてみてどのように感じましたか?
 MONTAGE自体のAD/DAコンバーターが良いというのもありますが、取り込んだ音の忠実な再生がすごくできていると感じました。簡単な設定をするだけで5〜10分くらいで1つの音色を取り込むことができ、しかも全鍵盤に対してノイズが出ないように自動でループしてくれるので、すぐに演奏ができるというのは本当に驚きました。

佐藤氏が所有するSequential Circuits Prophet-5はMIDI対応のRev.3

同じく佐藤氏所有のEmu Emulator IIは上段のフロッピーディスク・ドライブを取り外し、SDサウンド・カード仕様に改造してある

──多数のビンテージ・シンセをお持ちですが、次はどんなシンセをサンプリングしてみたいですか?
 MONTAGEはAWM2の最大同時発音数が128音あるので、タンス(moog IIIc)のようなモノ・シンセの音色を上手に作って取り込んで、モノ・シンセの音色で和音を弾くというような、本来アナログ・シンセでできないところを追求してみたいです。

──MONTAGEユーザーへのおすすめポイントを教えてください。
 MONTAGE以外のシンセサイザーでレコーディングした楽曲をライブで演奏する時に、似た音を作って再現する方はたくさんいると思いますが、このSampleRobotを使うことによって、レコーディング時に使ったシンセサイザーの音色を丸ごとキャプチャーして、そのままステージで演奏できるというのはすごくアドバンテージが高いと思いました。MONTAGEユーザーの方にはぜひ使ってみていただきたいです。

こちらも佐藤氏所有のFairlight CMI IIIだが、元オフィス・ インテンツィオの所有物で、高橋幸宏氏が使用していたものだとか…!

Fairlight CMI IIIのユニット部。筐体前面にはアート・オブ・ノイズ来日時のJ.J. ジェクザリック氏はじめとするメンバーのサインが…!

SampleRobot MONTAGE Editionをダウンロード!

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製品情報

YAMAHA / MONTAGE

価格:オープン

【スペック】
●鍵盤数:MONTAGE8=88鍵BH鍵盤(イニシャルタッチ/アフタータッチ付)、MONTAGE7/MONTAGE6=76鍵/61鍵FSX鍵盤(イニシャルタッチ/アフタータッチ付) ●音源方式:Motion Control Synthesis Engine(AWM2=8エレメント、FM-X=8オペレーター、88アルゴリズム) ●最大同時発音数:AWM2=128音(ステレオ/モノ波形いずれも)、FM-X=128音 ●マルチティンバー数:内蔵音源16パート、オーディオ入力パート(A/D、USB〜ステレオ・パート) ●波形メモリー:プリセット=5GB相当(16bitリニア換算)、ユーザー=1.75GB ●パフォーマンス数:約2,707 ●フィルター:18タイプ ●エフェクター:リバーブ×12、バリエーション×88、インサーション(A、B)×88(A/Dパート・インサーションは83)、マスター・エフェクト×26、マスターEQ(5バンド)、1stパートEQ(3バンド)、2ndパートEQ(2バンド) ●シーケンサー:容量=約130,000音、音符分解能=4分音符/480、テンポ(BPM)=5〜300、曲数=128曲、トラック=シーケンサー・トラック×16/テンポ・トラック/シーン・トラック、レコーディング方式=リアルタイム・リプレース/リアルタイム・オーバーダブ/リアルタイム・パンチ、再生=MONTAGEオリジナル・フォーマット、SMFフォーマット0,1 ●アルペジエーター:パート=最大8パート同時オン可、プリセット=10,239タイプ、ユーザー=256タイプ ●モーション・シーケンサー:レーン=最大8+1系統 ●ライブセット数:プリセット=128以上、ユーザー=2,048 ●接続端子:アウトプット(L/MONO、R)、アサイナブル・アウトプット(L、R)、PHONES、A/D インプット(L/MONO、R)、USB TO DEVICE、USB TO HOST、MIDI(IN、OUT、THRU)、フット・コントローラー×2、フット・スウィッチ(アサイナブル、サステイン) ●外形寸法:MONTAGE8=1,450(W)×170(H)×460(D)mm、MONTAGE7=1,244(W)×131(H)×396(D)mm、MONTAGE6=1,037(W)×131(H)×396(D)mm ●重量:MONTAGE8=29kg、MONTAGE7=17kg、MONTAGE6=15kg
【問い合わせ】
ヤマハお客様コミュニケーションセンター シンセサイザー・デジタル楽器ご相談窓口 TEL:0570-015-808
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プロフィール

佐藤純之介(さとう・じゅんのすけ)
1975年大阪出身。松浦雅也氏の雑誌連載をきっかけに音楽活動を開始、YMOやTM NETWORKに憧れ90年代後期より音楽制作の仕事を始める。2001年に上京し、レコーディング・エンジニアとして活動した後、2006年、株式会社ランティスに入社。音楽プロデューサー・ディレクターとして、多数のアニメ主題歌やアーティストの音楽制作に携わる。シンセサイザーやオーディオ機器にも造形が深く新製品開発やモニターにも参加。1991年からのサンレコ読者。

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