AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
UNIVERSAL AUDIO / Apollo X8P
2012年にUNIVERSAL AUDIOから登場したオーディオ・インターフェース=Apollo。往年のスタジオ・レコーディング機材をモデリングしたUAD-2プラグインが動作するDSPを内蔵し、低レイテンシーかつ高音質での録音が行なえるため、その後多くのミュージシャンやエンジニアに愛用されることになる。そして2018年、DSPが6コアに増加され全体的な改良が施された第3世代の“Apollo X”が登場した。今回は、録音からミックス、マスタリングまで手掛けるエンジニア森田良紀氏に、Apollo X8PのUnison機能を使ってドラムとベースのジャム・セッションを録音してもらい、進化を遂げたApollo Xの実力を試していただいた。
SHARCプロセッサーや同社独自のUnisonテクノロジーに対応したマイクプリを備え、最高133dBのダイナミック・レンジ、サラウンド・モニターが可能になったオーディオ・インターフェース。接続はThunderbolt 1/2/3のいずれかで可能(Thunderbolt 1/2は変換アダプターが必要)。UADプラグインを処理するDSPは6コアとなり、第2世代と比べて処理能力は50%向上した。本体カラーはスペース・グレーで、I/O構成の違う4モデルを用意。UADプラグイン・スイート“Realtime Analog Classics Plus”が付属している。
Apollo X8P Specifications:
■対応サンプリング・レート:24ビット/192kHz ■アナログ入力:マイク/ライン・イン(XLR/フォーン・コンボ)×8、ライン・イン(D-Sub、8ch)、Hi-Zイン(フォーン)×2 ■デジタル入力:ADATイン(S/MUX時は2ポート使用) ■アナログ出力:ライン・アウト(D-Sub、8ch)、モニター・アウト(フォーンL/R)、ヘッドフォン・アウト(ステレオ・フォーン)×2 ■デジタル出力:ADATアウト(S/MUX時は2ポート使用) ■クロック:ワード・クロック・イン、アウト(BNC) ■ダイナミック・レンジ:129dB(A-Weighted、モニター・アウト) ■サラウンド・モニター:最大7.1ch
Requirements(Apollo X 全ラインナップ共通):
■Mac:macOS 10.12 Sierra、10.13 High Sierraまたは、10.14 Mojave、Thunderbolt 1/2/3のいずれかの端子(Thunderbolt 1/2はThunderbolt 3 - Thunderbolt 2変換アダプターが必要) ■Windows:Windows 10 Fall Creators Update(64ビット・エディション)、Thunderbolt 3端子 ■共通:6GB以上のストレージ空き容量、INTEL I7以上のクアッドコア・プロセッサーを推奨、8GB以上のRAMを推奨、インターネット接続環境(ソフトウェアのダウンロード、製品登録と追加プラグイン購入のために必要)
Apollo X8Pのファースト・インプレッションは、レンジが広くてクリアなサウンド。もともとApollo 16を使っており、そちらはローミッドがすごく充実した音だったのでお気に入りでした。Apollo X8Pでは、サンプリング・レートが96kHzのオーディオを扱ったとき、ロー・エンドからハイ・エンドまで奇麗に伸びている感じがとてもリアルに分かりましたね。まさに“空気感まで繊細に再現してくれる高解像度なサウンド”という感じがします。
AD/DAが新しくなった第3世代のマイク・プリの音は想像以上に素晴らしかったです! 色付けがとても少ないため、後々UAD-2プラグインで処理するときも使いやすいでしょう。レコーディングではUnison機能でUAD-2プラグインのNeve 1073を使ってみたんですが、ゲイン・ノブを上げていったときの音色変化の感じはまさに実機そのもの!という印象でした。実機を複数買うことを考えればお得過ぎます。
今回のApollo Xシリーズで面白いなと思ったのは、フロント・パネル左端のロゴ上部に設置されたトークバック・マイク。小さい穴にはマイクが内蔵されているため、そこに向かって話すと演奏者と簡単にコミュニケーションを取ることができます。また、フロント・パネルにあるFCNスイッチにトークバックをアサインすれば、オン/オフの操作が可能です。
Apollo X8Pはエンジニアが持つメリットも大きいでしょう。本体には高品位のマイクプリが8基搭載されており、最大4台まで同時接続が可能なため、32基まで増やせます。これだけあればバンドのレコーディングにも使えますし、コンパクトなセッティングで良い音が録れると思いますね。今回はDSPが6コアに増強されているため、恐らくDSPパワーのことを気にせずに作業が行なえるのではないでしょうか。外出先で録音する場合でも、良質なマイク・プリが付いているためApollo X8Pのみで満足いく音が録れるでしょう。
忘れてはいけないのが、Apollo Xからヘッドルームが最大+24dBu対応になったこと。これによりピークが大きい楽器でも音がひずまず、クリアにキャプチャーできます。こういった理由からも、Apollo X8Pは録音からミックスまですごく有用なオーディオI/Oだと思いますね。これからエンジニアを始める人にとってもお薦めです。
2019年10月2日から2019年12月31日までの期間中、対象となるUNIVERSAL AUDIO Apolloラック・モデルを新規購入、製品登録のうえ、プロモーションにエントリーすると、購入モデルに応じたUAD-2 Satelliteが無償で提供されます!
■プロモーション期間:2019年10月2日(水)から 2019年12月31日(火)まで
■プロモーション対象製品:Apollo x16 / Apollo x8p / Apollo x8 / Apollo x6 / Apollo 8 Quad / Apollo FireWire
【本プロモーションの詳細、注意事項はプロモーション特設サイトをご覧ください】
本記事はリットーミュージック刊『サウンド&レコーディング・マガジン 2019年9月号』の記事を転載したものです。今号のサンレコでは、アメリカ/UKを中心に盛り上がりを見せる“ダーク・ポップの姫”ことビリー・アイリッシュを表紙巻頭で特集。彼女の実兄でありトラック・メイカーである、フィニアス・オコンネルにダーク・ポップ制作についてインタビューを行ないました。特集は約50Pにわたる「一生モノの歌録り用コンデンサー・マイク~新定番のハイグレード20機種から選ぶ」。文字通り一生モノの高価なマイク20本を詳細レビューしています。さらに、小冊子として『セルフPAビギナーズ・ガイド』も付いてきます!
価格:オープン
価格:オープン
価格:オープン
価格:オープン
森田良紀
studioforestaのエンジニアとして録音からミックス、マスタリングまで手掛ける。moumoonや大森靖子などの音楽にかかわる映像制作や生放送番組の制作も行なっている。