AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
MACKIE./MC-150、MC-250
MACKIE.の最新ヘッドフォン=MCシリーズは手頃な価格ながらプロフェッショナル用途に向けた2モデルを用意。トラック・メイカー/プロデューサーとして多方面に活躍中のDÉ DÉ MOUSEにその実力を確かめてもらおう。
まずルックスですが、ブラックで統一されたボディがプロ向けの雰囲気を醸し出していて高級感があります。イヤー・パッドは密閉感があって、音を逃がさない感じがいいです。良い音が鳴りそうな装着感……そういう部分も実は大事なんですよね。サウンドはきらびやかかつ派手で、非常に現代的な音がします。聴くのがすごく楽しいというか、どんな音楽も楽しく聴こえる。DJ用途も見据えているということで高域に押し出しがある印象で、現場で曲を合わせるときにハイハットが見えやすいです。クラシックやR&Bなどもともとハイの成分が少ない音楽でも楽しいですし、特に少ない生音で構成されている楽曲の立体感は素晴らしいです。とにかく、聴いていてテンションが上がるというのがMC-150の最大の特長ですね。派手に聴こえるので、曲作りのときもモチベーションを上げてくれる。高域だけでなく、低音も現代の音源に必要な量感があるので、勢いに乗ってどんどん曲作りを進めたいときに良いと思います。
誤解を恐れずに言えば、MC-150に比べてMC-250は地味な音です。でも、それは原音をそのまま再生しようとしているから。僕は普段、スタジオ定番の他社製ヘッドフォンで制作していますが、その傾向と似ており、中域がしっかり聴こえて音作りが非常にしやすいです。もちろん、高域や低域も現代的な音源に合うようフラット傾向で作られているので、ミックスで細かく音を見極める作業にピッタリです。脚色の強いヘッドフォンでミックスすると偏った出来になる場合がありますが、MC-250で音作りをすれば大きな失敗は無いと思います。まさにリファレンスになり得る1台で、デジタル音のビットまで感じ取れるような気配があります。冒頭で地味と言いましたが、そうしたフラットで脚色の少ないヘッドフォンで、いかに楽しく聴こえるサウンドを作り上げるかがクリエイターの力量だと思うんですね。MC-250は自分の音をジャッジできる、“ダメだったらちゃんと注意してくれる先生”のようなヘッドフォンです。
本記事はリットーミュージック刊『サウンド&レコーディング・マガジン 2019年4月号』の特集記事「ヘッドフォン特集 2019!」を一部転載したものです。今号のサンレコでは約100ページの大ボリュームで、第一線で活躍する“アーティスト/クリエイター/エンジニア総勢30名の愛用モデル紹介”をメインに、約100ページに渡ってヘッドフォン/イヤフォンの“今"を切り取る大特集を展開。特集内では、ヘッドフォンの歴史を紐解いたり、注目製品の試用レポートを収録するなど、決定版と言える内容に仕上がっています。ぜひチェックしてみてください!
価格:オープン
価格:オープン
DÉ DÉ MOUSE
2007年にデビューし、ボーカルのカット・アップと不思議かつキャッチーなメロディで人気を博す。クラブからプラネタリウムでのライブまで、音楽家としてのフィールドを広げ続けている。