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  • 【連載】HELIXの達人 〜HELIX Masters 第5回

浅野孝已 〜円熟のギタリストが一目置くLine 6 Helix Floorの信頼性と“アメリカン・サウンド”

Line 6 / Helix Floor

Line 6 Helixシリーズを愛用するトップ・アーティストたちに、その活用法とインプレッションを披露してもらう本連載。その第5回目は、1960年代、16歳の頃よりプロ・ミュージシャンとしての活動を始め、現在もゴダイゴ、T.A.G.C TOKYOなどのバンドで活躍する浅野孝已に登場してもらおう。新製品に目がなく、アナログ/デジタル問わず数多くの機材を試し続けているというが、そんな中でもHelixを愛用し続けている理由とは何なのか? 絶品の楽曲演奏とともに、インプレッションをお届けしたい。

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Helix/HXファミリーのファームウェアが2.80にアップデート!

 Helix/HXファミリーすべてに適用されるファームウェア2.80がリリースされた。当アップデートは、すべてのHelix/HX製品を同一のエコ・システム内に統合するための新しいHelixコア・エンジンを採用した最初のファームウェアとなり、すべてのHelix/HXユーザーが対象となる。その内容でまず注目したいのは、大量に追加された画期的な機能群。例えば、HelixをPCと接続して、DAW/DJソフト/照明ソフト/メディア・プレイヤー/動画ソフト/webブラウザ/画像編集ソフト/ビデオ・ゲーム/エクセル/パワーポイントなどのコントローラーとしても機能させることができる“ホットキー”(※HX Stompは対象外)、VDI経由で接続されたVariaxの個々の弦のレベルをリモートで独立して調整できる“Variax ストリングス・レベル”(※HX StompとHX Effectsは対象外)の追加、さらにHelixおよびHX間でプリセットを共有できるようになるなど、その内容は多岐にわたる。もちろん今回も新たなアンプ・モデルとエフェクト・モデルも追加されているので、ぜひ以下のURLから併せてチェックしてほしい!

■ニュース・ページはこちら
https://line6.jp/news/1168/

■ファームウェアのアップデート方法はこちら
http://yamaha.custhelp.com/app/answers/detail/a_id/10135/session/L2F2LzEvdGltZS8xNTYzODgzNTI0L3NpZC9WajIyVnNrbw%3D%3D

※2019/7/24追記

浅野孝已(ゴダイゴ) × Line 6 Helix Floor

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about Helix Floor
フロア・タイプの最高位マルチ・プロセッサー

Line 6 / Helix Floor

Line 6 / Helix Floor

 PODとはまた異なる観点からのギター・サウンド・プロセッシングを実現するため、6年にも及ぶ開発期間を経て2015年にリリースされたHelixシリーズ。現在までにフロア・タイプ2種とラック型、プラグインをラインナップしているが、中でも宅録/ライブといったシチュエーションを問わず人気を呼んでいるのが、フロア・タイプのHelix Floorだ。最新のVer2.71では、新開発のHXモデリングによる72タイプのアンプ・モデリングと37タイプのキャビネット、MシリーズやDL4などから移植された77種類の“レガシー”エフェクトを含む194種類のエフェクトなどを内蔵し、パワーアンプの出力挙動やエフェクターのコンポーネントの違いまでを実感できるリアルなサウンドが楽しめる。

 本連載ではこれまで、Helixシリーズのシグナル・ルーティングの柔軟さやエディット機能の有用性などを紹介してきたが、今回は原点とも言えるサウンドのリアルさに迫ってみたい。まず注目なのが、Helixシリーズの柱となっているHXモデリングに含まれるTranstronic(トランストロニック)技術。これは歪みエフェクターの個性を大きく左右するトランジスタを、ゲルマニウムやシリコンといった素材レベルの特性からモデリングした技術で、電流や電圧の揺れといった不確定要素が生み出す“味”すらも再現している。これが、【Arbitrator Fuzz】や【Compulsive Drive】などで実感できる、タッチやボリューム操作に忠実に追随するリアルなトーンの要と言えるだろう。さらに、揺れモノの【Uniquitous Vibe】では、Throbber(スロバー)と呼ばれる白熱電球をバーチャル化した技術が、アナログ・ディレイの【Bucket Brigade】などでは、BBD回路を疑似再現したBucketier(バケッティア)技術が、独特の揺れや絶妙な高域の減衰などを忠実に再現。浅野が“プリセットでも充分”と太鼓判を押すように、そもそものサウンド・クオリティの高さが、Helixシリーズの大きな革新のひとつなのだ。

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Asano's View
浅野孝已が語るHelix Floor

いざという時にトラブルの心配がない。それがHelixを使っている一番の理由かもしれないですね

 このHelix Floorは発売されてすぐに使い始めたので、もう3年半ぐらいになりますね。これ以前にも、POD HDなどLine 6の製品はずっと使ってきているんですが、僕はLine 6の音がすごく好きで、このHelix Floorも音が良かったので使い続けています。今はライブでの使用がメインですが、使い勝手の良さ、例えばフットスイッチに軽く触れるだけでそのエフェクターのパラメーターがすぐ出て来るじゃないですか。ライブの会場によって“もう少しトレブルを入れたいな”とか“もっとリバーブを増やしたいな”って思ったときに簡単に調整できる。そのへんが楽なのは嬉しいですね。

 もともと僕は新しいモノ好きというか、こういうデジタル機材もよく使っているんですが、Helix Floorは特にオーバードライブやディストーション、クランチ系の音が好きなんですよ。あとディレイも、ステレオで出力したときの感じがすごく気持ち良い。ノイズがほとんどないっていうのも使い勝手が良いですね。それと、他メーカーのエフェクターなどと弾き比べてみても、Line 6の製品はアメリカの音がしていると思うんです。そこが使っていて一番嬉しいところですね。

 ひとつ、ほかの人と違う使い方かなと思うのは、僕はHelix Floorをマルチなエフェクターとして使っているので、モデリング・アンプを掘り下げたり、いろいろなパッチを作ったりということはあまりしていないです。大体は好きなプリセットの中で各エフェクターをオン/オフして使っているんですが、そもそもの音が良いからそれだけでも充分なんですよ。今回のデモ演奏で使ったプリセット[US Double Norm]も、良い音、好きな音を探していたらこれだったというだけで、使うギター、例えばシングルコイルなのかハムバッカーなのかで微調整はしますけど、プリセットのままで充分ですね。音の伸びなどは【Red Squeeze】というコンプレッサーで調整しているんですけど、ソロを弾いた時にギューンと音が伸びていく感じがすごく良いです。

 それと、ライブでアコギに持ち替える場合もHelix Floorを通して出力しています。リバーブやディレイ、コーラスなどでエレキとは違う空間的な広がりが出せるので充分使えますよ。あと、ピエゾ・ピックアップのアコギはボリューム調整が難しいんですけど、Helix Floorはエクスプレッション・ペダルでバッキングとソロの音量調整ができるので重宝しています。

 僕はコンパクト・エフェクターも大好きで、ズラッと並べたエフェクター・ボードも持ってはいるんですが、いざという時に音が出ないトラブルもあるんですよね。その点、Helix Floorはその心配がない。それだけでもステージで安心できますし、Helix Floorを使っている一番の理由かもしれないですね。

達人の格言

浅野孝已「Helix=私の大好きなアメリカン・サウンド」

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製品レビュー:Line 6 / Helix LT

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製品情報

Line 6 / Helix Floor

価格:オープン

【スペック】
●プリセット・ロケーション:1024 ●エフェクト数:194 ●アンプ数:72 ●キャビネット数:37 ●マイク数:16(※以上ファームウェア・バージョン:v2.71の場合)●液晶:6.2インチ ●コントロール:プリセット、セーブ、メニュー、ホーム、アンプ、ジョイ・スティック、バイパス、アクション、ページ、ノブ×6、ボリューム、ヘッドフォン・ボリューム、フット・スイッチ×12、エクスプレッション・ペダル、パワー・スイッチ、グランド/リフト・スイッチ ●入出力端子:EXP2、同3、EXTアンプ、CV/エクスプレッション・アウト、ギター・イン、AUXイン、MICイン、センド/リターン×4、XLRアウト×2、1/4インチ・アウト×2、ヘッドフォン・アウト、VARIAXインプット、MIDIイン、MIDIアウト/スルー、S/PDIFイン/アウト、AES/EBU-L6 LINKアウト、USB、ACイン ●電源:電源ユニット内蔵 ●外形寸法:560(W)×301(D)×92(H)mm ●重量:6.6kg
【問い合わせ】
株式会社ヤマハミュージックジャパン Line 6インフォメーションセンター TEL:0570-062-808
Helix製品ホームページ Line 6 Helix Japan User Group(Facebook)
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プロフィール

浅野孝已
あさのたかみ●1951年6月1日 東京都豊島区出身。中学よりエレキ・ギターを始め、10代の頃からディスコで演奏を行ない、そのプレイが注目を集める。1968年に伝説のロック・バンドThe Mを結成し、ニュー・ロック・シーンで活躍。1975年にはゴダイゴの前身バンドとなるミッキー吉野グループに参加し、1976年にゴダイゴとしてデビューを果たす。2000年代に入り自己のプロジェクト「T.A.G.C」を始動、以降は自身のアルバム制作、新進アーティストのプロデュースや舞台音楽制作、さまざまなジャンル、多くのミュージシャンとのライブなどで、今なお精力的に活動している。

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