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- 2024/11/16
Fender / Rumble LT25
Fenderのベース・アンプで定評のあるRumbleシリーズに新たなモデル「Rumble LT25」が加わりました。現在リリースされているFenderのベース・アンプの中では最も小型ながら、さまざまなアンプ・モデリングやエフェクトの機能を備えたデジタル・アンプです。
Rumbleシリーズのデジタル・アンプには「Rumble Studio 40」などがありますが、Rumble LT25は上位機種の機能を厳選してリーズナブルな価格に抑えたモデルで、Wi-Fi機能は省いているものの豊富な音色バリエーションや優れた音質クオリティは上位機種と比較しても遜色ありません。8インチ口径のスピーカーを1基搭載する25W出力のベース・アンプなので、自宅練習用としては充分な音量を確保できるでしょう。
入出力端子は非常にシンプルで、インプット・ジャックとエフェクト切り替え用のフットスイッチ(別売)を接続するジャック、スマートフォンなどの音響機器を接続するAUX入力、ヘッドフォン・アウトを装備しています。外部機器を接続すれば音源をアンプから流しながら演奏できますし、ヘッドフォンを接続すれば深夜でもスピーカーから音を出さずに練習できますね。
ベース・アンプとしてのコントロールはゲイン、ベース、ミドル、トレブル、マスターの5つで基本操作をすることになりますが、Rumble LT25で最も重要なのが右端にある大きなダイアルです。Rumble LT25にはあらかじめアンプ・モデリングとエフェクトが組み合わされた30種類のプリセットが用意されており、ダイアルを回してプリセットを選びます。プリセットはさらに20種類用意されていて、“REPLACE”機能を使って入れ替えることができます。つまり全50種類のうち任意の30種類のプリセットをダイアル操作だけで簡単に呼び出せるというわけですね。アンプの電源を入れるとカラー液晶パネルに現在のプリセット・ナンバーが表示されるので、ダイアルを使ってプリセットを選択します。ダイアルはプッシュ・スイッチも兼ねています。任意のプリセットを選択し、5つのコントロールで音量や音色を微調整していきます。基本的な使い方はとてもシンプルで初心者でもわかりやすそうです。
音色を作り込みたい場合はプリセットをカスタムしていくわけですが、Rumble LT25の内部では歪み系を含むダイナミクス系エフェクト(STOMP)→モジュレーション系エフェクト(MOD)→アンプ・モデリング(AMPLIFIER)→5バンドEQ(EQ)→ディレイ&リバーブ系エフェクト(DELAY/REVERB)の順で接続されています。ダイアルと4つのセレクト・スイッチを駆使して各エフェクトを入れ替えながら音色を作り込んでいき、気に入った音色が完成したらセーブしてプリセットを並び替えておくのが良いでしょう。
動画では7種類のプリセットを紹介しています。アンプ・モデリングでは往年のフェンダー製の真空管式のベース・アンプであるベースマンをはじめ、大型のスタック・アンプや近年のモダンなアンプなど、バリエーション豊かなアンプ・サウンドの雰囲気を楽しめます。歪み系のエフェクトでは定番のプリアンプを筆頭に、ベースではあまり活用されないギター用の機種も多くモデリングしているのが特徴的です。モジュレーション系や空間系は派手な音色が多いのでベースだけで弾く分には楽しいのですが、エフェクト効果が派手すぎるプリセットも多いので、特に初心者の方はエフェクトの掛けすぎに注意してくださいね。
デジタル・モデリング・アンプなので、音色に大きな個性はないのですが、とにかく便利なアンプという印象が残りました。チューナー機能を搭載しているのはとても使い勝手が良いですし、ベースで使うことがあると思われるひと通りのエフェクトが網羅されているので、このアンプで音を出す限りは新たにエフェクターを買い足す必要がありません。基本性能に過不足がなく、さまざまなアンプやエフェクターの音色が楽しめるので、これからベースを始める方にとっては最適なベース・アンプとなるでしょう。