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- 2024/11/16
Stage Piano
キーボード購入ガイド2019第2弾はオススメのステージ・ピアノ5機種を特集! 前回と同様に森山公稀(odol)、カメダタク(オワリカラ)、野村太一(Yellow Studs)の3名のレビューを紹介します。
ノード社ピアノ・シリーズの第4世代モデル。ピアノ・セクションの最大同時発音数が120ボイスへと大幅に拡大している。定評あるハンマー・アクション鍵盤を搭載、専用のピアノ・フィルターが新たに装備され、より豊かな表現が可能になった。シームレス・トランジションをはじめ、パフォーマンスを向上させる。
価格:オープン・プライス(市場予想価格:345,000円)
問)ヤマハお客様コミュニケーションセンター
シンセサイザー・デジタル楽器ご相談窓口 0570-015-808(つながらない場合は053-460-1666)
ピアノは弾いていてかなり気持ちがいいですね。鍵盤のタッチがすごく良くて、ずっと触っていたくなります。バンドで鳴らす時に、“ピアノの見せ場を多くして”と要求したくなりそう(笑)。R&Bなどの音楽に合うエレピの音色も好みです。ピアノ専用のフィルターが用意されていて、現場でEQを簡単に調整できるのもいいですね。サンプル・セクションも充実していて、メロトロンの音は気に入りました。ノードのサウンド・ライブラリーから、さまざまな音色を自由にダウンロードして使えるのも嬉しい。ノード独特の音のポジショニングがあり、それが曲に説得力を持たせてくれます。アンサンブルに何か物足りなさを感じている人はぜひ手にしてほしいです。
同社の最高峰フルコンサート・グランドShigeru Kawai SK-EXからの新音色を含む、40音色を内蔵したステージ・ピアノ。新開発の3本ペダルやグランド・ピアノと同等の支点距離を確保した木製鍵盤、調律師さながらの調整が可能なバーチャルテクニシャン機能を採用し、ピアノとしてのクオリティを徹底的に追求している。
価格:295,000円
問)河合楽器製作所 053-457-1311
ピアノ・メーカーらしく、ピアノの音はどこにも負けないという気概を感じさせる素晴らしさです。しかも音色をカスタマイズできるバーチャルテクニシャン機能やEQを使えばさまざまな設定ができるので、どんなシーンにも対応できますね。自分独自のピアノ・サウンドも作り出せます。新たに内蔵されたSK Concert Grandという音色は本当に生ピアノを弾いているよう。ソフト音源だとときどき気になるペダルのノイズやハンマー音も、わざとらしくなくて自然です。標準でグランド・ピアノと同じ3本ペダルが付いていますし、ボタン類はすべて表に出ていて余計なものが省かれているので、選択肢が少ない分シンプル操作でクラシック出身の人にも使いやすいと思います。
イタリアの鍵盤製作メーカー、ファタールが手がけるブランド、スタジオロジックによる最新ステージ・ピアノ。従来の高品位なピアノやエレピなどを収録する音源に、オルガンとシンセサイザーのエンジンが追加され、シンセのエディットにも使える9本のドローバーを装備する。従来のモデル同様スピーカーも内蔵する可搬性に優れた1台。
価格:92,500円
問)銀座十字屋ディリゲント事業部03-6264-7820
スタジオロジック社のステージ・ピアノは今回初めて弾きましたが、オルガン音色のクオリティの高さには驚きました。オルガン・サウンドに定評のあるNuma Organ譲りのトーンホイール・オルガン・モデリングのサウンド・エンジンを採用していると聞いて納得です。スタイリッシュなフォルムに合わせて液晶は小さめですが、デザインがシンプルだからかとても見やすい。88鍵モデルで、スピーカーまで内蔵されているにもかかわらず重さは7.1kgと軽量なので、スタジオやライブハウスへの持ち運びにはもってこいですね。本番前の楽屋での練習などにも重宝すると思います。奥行きもコンパクトなので、制作用のマスター・キーボードとしても最適です。
最先端のテクノロジーでグランド・ピアノの響きを再現し、高品位なピアノ・タッチのRH3鍵盤を採用しながら、最小奥行きサイズ約26センチという超スリム化を実現したステージ・ピアノ。ピアノ音色を含む、キーボーディスト必須の音色を30種類搭載する。MIDI IN/OUT端子なども装備し、自宅での制作などにも適した1台となっている。
価格:コルグお客様相談窓口0570-666-569
シンプルで低価格な製品ですが、鍵盤がとてもしっかりしています。ピアノ音色はバンドの中でも使えるはっきりした音でいいですね。リバーブなどのエフェクトも付いているので、簡単な調整もできます。ピアノ以外のステージに必要な音色も内蔵していて、個人的にオルガン音色が好みでした。ピアノ・タッチ鍵盤のキーボードは持ち運ぶのが大変ですが、これだけコンパクトだったら楽ですよね。ロック・バンドのステージでは、キーボーディストのスペースが狭いことも多いですが、これならもう1つシンセを追加しても余裕がありそうです。見た目がすっきりしてるので、カフェなどに置く楽器としても良いですし、自宅用としても場所を取らずに使えますよね。
同社のフルコンサート・グランドのフラッグシップ・モデルCFXをはじめとした高品位なピアノ音色、時代ごとの特徴を反映させたビンテージ・エレクトリック・ピアノを中心に、厳選した433音色を内蔵。グランド・ピアノのタッチを忠実に再現した木製象牙調のNW-GH鍵盤も装備し、弾き心地を徹底的に追求している。
価格:185,000円
問)ヤマハお客様コミュニケーションセンター
シンセサイザー・デジタル楽器ご相談窓口 0570-015-808(つながらない場合は053-460-1666)
鍵盤の戻りが最高ですね。はじけ飛ぶ感じというか、感情をぶつけるにはベストな楽器だと思います。17.5kgという重さでそれほど大きくないですし、ライブに持って行って弾き語りをするにはもってこいじゃないでしょうか。ピアノはフラッグシップ・モデルのCFXをサンプリングした音色が気に入りました。ライブの時はハイがかき消されるのでEQで高域を上げますが、この音色は特に調整しなくてもフラットでいけますね。完成されていて、誰が聴いても心地良い音です。エレピは強く弾いても割れるような歪みが出ない優しい印象です。ただ、本体パネルのスライダーでEQが簡単に調整できるし、エフェクトもそろっているので、好みの音がすぐに作れます。
本記事は、リットーミュージック刊『キーボード・マガジン 2019年 WINTER』の記事を転載したものです。誌面では森山公稀、カメダタク、野村太一へのインタビュー記事も掲載、各人のキーボード選びのポイントも紹介していますので、参考にしてみてください。
また本号では、YMO結成40周年記念企画 Vol.2「楽器で巡るYMOサウンド」と題して、YMOのアルバムで使用された楽器・機材を徹底検証。関係者の証言とともに当時の制作現場の様子に迫り、そのサウンドの裏側を掘り下げます。ぜひ手に取ってチェックしてください!
価格:オープン
価格:オープン
価格:オープン
価格:オープン
価格:オープン
森山公稀(odol)
中学校の同級生だったミゾベリョウ(vo、g)らと2014年にodolを結成。翌年1stアルバム『odol』をリリース。キーボードと全楽曲の作曲を担当し、舞台や映像作品の劇伴、他アーティストへの楽曲提供も行なっている。東京藝術大学を今春卒業予定。2018年10月に3rdアルバム『往来するもの』を発表。
カメダタク(オワリカラ)
4人組ロック・バンド、オワリカラでキーボードを担当。2018年12月、結成10周年記念となるベスト・アルバム『OWARIKARA BEST OF CULT 2010-2018 〜オワリカラの世界〜』をリリース。また、オワリカラとして参加した大槻ケンヂのソロ・アルバム『アウトサイダー・アート』も同日発売された。
野村太一(Yellow Studs)
2003年に結成した5人組ロック・バンドYellow Studsのボーカル&キーボード。バンドの全楽曲の作詞作曲を手掛けるほか、CMへの楽曲提供も行う。無所属のインディーズ・バンドでありながらこれまでに9枚のアルバムを発表2018年11月に新曲2曲を含む2枚組ベスト『Yellow Studs THE BEST』を発売。