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  • いっちーのデジタル・デジマート 〜第39回〜

冬休みに取り組もう! サンレコ「ドロップ・コンテスト」必勝ガイド

コンプレッサー/リミッター/EQ(プラグイン)

サウンド&レコーディング・マガジン2018年12月号の特集「ドロップ選手権!!!」に合わせた読者参加企画「ドロップ・コンテスト」が開催されています! 応募作品はサンレコのSoundCloudアカウントに公開されるほか、優秀者には豪華賞品が贈られます。 締め切りは2019年1月7日(月)。ぜひこの年末年始に取り組んでみてくださいね! ここではコンテストのルールを改めて紹介するとともに、制作におけるポイントについて考察してみます。ぜひ参考にしてみてください!

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そもそも“ドロップ”って何なの?

 “ドロップ”とは簡単に言うと“EDMから生まれた音サビ”のことです。ただし、ボーカル中心で盛り上がる一般的なサビと異なり、ドロップはビートやシンセサイザーのリフなどでクライマックスを演出します。

banvox「Everlasting」

 こちらの曲では1:052:22あたりから、盛り上がりが作られているのがわかりますか? つまりこの部分がドロップ(=音サビ)ということになります。

EDMの典型的な展開とは?

 イントロからバースまでの平歌部分は、一般的なポップスと共通していますが、後にビルドアップと呼ばれるセクションが設けられ、ドロップに向かって徐々にテンションを上げていくのがEDMの典型的な展開です。ビルドアップではキックがミュートされて上昇感のある効果音や、スネアのロールで高揚感を演出する場合が多いです。

EDMの典型的な展開の一例(ワン・コーラス分)

 

あなたのドロップで曲を完成させてドロップ・コンテストに応募しよう!

banvoxによる課題曲を聴いてみよう!

 こちらがドロップ・コンテストの課題曲です。これは、ルルルルズの「スカイライン」をbanvoxがリミックスしたもの。バンド・スタイルでアコースティックなオリジナルをガラッと変えてフロア向けのダンス・トラックに仕上げたbanvoxさん、さすがです!

ルルルルズ「スカイライン(banvox Remix)」

 聴いていただくと分かる通り、1:03あたりからドロップが含まれていますので、ここをあなたが作ったドロップに差し替えてください!

こんなイメージで!

ドロップ・コンテストの概要

素材のダウンロードについて

 サウンド&レコーディング・マガジンWeb特設ページからダウンロードしてください(※パスワードはサンレコ2018年12月号2019年2月号に掲載されています)。

特設ページにパスワードを送信すると素材がダウンロードできる

  • TwoMix.wav(24ビット/48kHz WAV)
    課題曲の2ミックス。ビルドアップの終わりまで収録。
  • VocalStem.wav(24ビット/48kHz WAV)
    課題曲のボーカル・ステム。ボーカル・カットアップなどを想定して用意。

ダウンロードしたファイルのうち、応募で使用できるのはこの2つ

 ※このほかにサンレコ2018年12月号の特集「ドロップ選手権!!!」に登場した4人のトラックメイカーによる作品も含まれています。

制作上のルール

  • ビルドアップまで(=ドロップ直前まで)の部分には、なるべく手を加えないこと 
  • ただし、課題曲の音楽性が変わない範囲でのキー/テンポ変更および音の追加/加工などは可とする 
  • ドロップ制作に使用するツール/素材は不問(自由)

応募方法

 ご自身のSoundCloudアカウントに作品を“Public”で投稿の上、応募フォームから必要事項を記入し送信してください。

賞品

 最優秀賞:AMPHION One 12+Amp 100 / banvox賞:IMAGE-LINE Harmor / Masayoshi Iimori賞:ROLI Lightpad Block / MONJOE賞:STEINBERG UR-RT2 / 浅倉大介賞:ELGATO Stream Deck / Nor賞:U-HE Hive

最優秀賞:AMPHION One 12+ Amp 100。スタジオ・エンジニアからも定評のあるパッシブ・ スピーカー+専用パワー・アンプ

banvox賞:IMAGE-LINE Harmor。banvoxも愛用しているソフト・シンセ

Masayoshi Iimori賞:ROLI Lightpad Block。Iimoriが愛用するコントローラーを。同社製品の中でもコンパクトな1台

MONJOE賞:STEINBERG UR-RT2。入力にロパート・ニーヴのトランスを搭載したUR-RTの2イン・モデル

浅倉大介賞:ELGATO Stream Deck。コンピューター内のさまざまな機能を割り当ててトリガーできるハードウェア。浅倉も愛用中とのこと

Nor賞:U-HE Hive。複合エンジンを搭載したソフト・シンセ

MKによるドロップを聴いてみよう!

 サンレコ2019年2月号「ドロップ選手権!!!番外編」に併せて、トラック・メイカーMKによる新たなドロップが公開されました。さっそく聴いてみましょう!

1:02までbanvoxが制作、1:03からMKがドロップを制作

 素晴らしいですね〜! テンポが遅めの4つ打ちは単調になりがちですが、ゴージャスなコードリフや個性的な音色が要所に散りばめられていてグルービィに仕上がってます。MK自身による製作時のポイントがサンレコ2019年2月号に掲載されていますのでぜひチェックを!

ドロップ・コンテストここがポイント!

 今回のコンテストは、制作するのはサビの部分だけ(16小節程度)なので、年末から取り掛かれば締め切りの1月7日までにはまだ間に合います! オリジナリティあふれる斬新なドロップを作り上げてください! 

 banvoxのバトンをスムーズに受け取って自身のドロップにつなげる点も意識したいところです。そして、“ビルドアップからの高揚感→ドロップで最高潮! ”という流れを耳に残りように作ることが最も重要です。そのためには最終段階で音圧に仕上げることが必須でしょう。

ビルドアップまでのセクションと、ドロップの音量のバランスを整えよう

 banvoxのセクションと作ったドロップとの音量のバランスを整えるために、まずはドロップで使用したトラックだけバスにまとめてプラグインで調整しましょう。その後、さらにマスター全体にプラグインをかけて仕上げれば完成です! デジマガのコラム「2ミックスを仕上げる」も参考にしてみてください。

 ↓ 私もこんな具合にドロップ作ってみました〜(^^)

ドロップで使用したトラックをグループ・バスにまとめた状態(DAWはAbleton Liveを使用)。グループ・バスにプラグインを挿入しbanboxが制作したセクションとのバランスを調整した

ボーカル・ステムはカットアップして積極的に使ってみよう

 ボーカル・ステムは積極的に使うべきだと思います。最近のほとんどのDAW(CubaseFL StudioStudio One 4Bitwig Stuido 2LiveReasonAbility Proなど)にはサンプラーが搭載されていますし、Pro Toolsにおいても2018年12月からソフト・サンプラーUVI Facon(AAX版のみ)が付属されるようになりました。これらがあれば簡単カットアップが作れますのでぜひ試してください。

ボーカル・ステム(トラック上段)を任意で分割し、各々をDrum Rack(トラック下段)のパッドにアサインしてMIDIで打ち込み、カットアップ作成した様子

これがあると便利!
ささっと使えるオススメプラグイン

DOTEC-AUDIO DeeMMAX

DOTEC-AUDIO DeeMMaxデモ

 こちらの動画をご覧いただければ一目瞭然ですが、スライダーを上げるだけで音圧を稼ぐことができるマスター・バス専用マキシマイザーです。お値段も手頃なので持っていて損はないでしょう!

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WAVES Dave Audé EMP Toolbox

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 EDMプロデューサーのデイヴ・オーデがセレクトしたWAVESツール・ボックス。L3 Multimaximizer、C6 Multiband Compressor、音の立ち上がりを調整できるタンジェント・シェイパーTrans-Xなど、ダンス・ミュージックには欠かせない定番プラグインのほかに、MV2(コンプ)、H-Delay(ディレイ)、Elements 2.0(ソフトシンセ)まで収録。ドロップ制作の強い味方になるでしょう!


もう一度繰り返しますが……

ドロップ・コンテストの締め切りは
2019年1月7日(月)です!

みなさんからたくさんのご応募をおまちしてます!

サンレコWebドロップ・コンテスト特別サイトはこちら

サウンド&レコーディング・マガジン 2018年12月号

 ドロップ・コンテストに関わる資料は、『サウンド&レコーディング・マガジン 2018年12月号』の特集「ドロップ選手権!!!」に詳しく掲載しています。音楽プロデューサーbanvoxが手掛けた楽曲を元に、Masayoshi Iimori、MONJOE(yahyel/DATS)、Nor、浅倉大介が競作した楽曲について掘り下げています。素材をダウンロードするためのパスワードはこちらから入手してください。


サウンド&レコーディング・マガジン 2019年2月号

 『サウンド&レコーディング・マガジン 2019年9月号』には今回紹介したMKの新たなドロップ制作のポイントについて、MK自身に解説していただいています。コンテストを生き残るためのヒントがここに。ぜひ参考にしてください。

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プロフィール

いっちー
元楽器販売店。楽天市場内の店長Blogを毎日10年以上更新し、2008年ブログ・オブ・ザ・イヤーを受賞。学生のころから作曲やDJ活動、バンド活動などの経験を積む。得意ジャンルはクラブ・ミュージック

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