アコースティックエンジニアリングが手がけた“理想の音楽制作を実現する”環境
- 2024/11/25
ROMERO CREATIONS / The Replica Spruce/Mahogany
米カリフォルニアでウクレレやクラシック・ギターを手がけているルシアー、ぺぺ・ロメロJr. がプロデュースするブランドのテナー・サイズ。同ブランドでは初となるスプルース/マホガニーの組み合わせで、弦振動の伝達性を高めるべく開発されたぺぺ・ロメロJr. 独自の“リバース・ファン・ブレイシング”が採用されるなど、随所で個性的なアプローチが導入されています。豊かな音量と均整のとれたトーン・バランスが素晴らしく、クラシック・ギターを思わせる優雅で深みある質感も特筆すべき魅力です。なお、このモデルには本器の材構成の他、ハワイアン・コアやスポルテッド・マンゴーなどを用いた計4種のバリエーションが用意されています。
この絶妙な重量感やルックス。一度手に取っただけで高級感を覚えます。つま弾けば、音も素晴らしい。この楽器が10万円前後とは。コストパフォーマンスに本当に驚かされました。ブレイシングが楽器の補強、音の伝達、どちらも大切に考えて設計されている印象を受けました。トップはスプルース、サイド&バックはマホガニーというスペックで、スプルースの伸びやかな部分と、マホガニーの甘くまろやかでメロディアスなところ、ふたつの長所をしっかりと音に反映させてくれています。また、ボディが分厚い分、非常にふくよかな音色が響きます。弦と弦の間がとても広いので、弦の弾き間違いをしにくい設計になっており、演奏者へのレスポンスも素晴らしい。音のサステインが長く、低域もしっかりと鳴ってくれる。ソロ・ウクレレのプレイもしっかりと受け止めてくれる、文句なしのラグジュアリー・クラスな楽器です。
本記事は、リットーミュージック刊『ウクレレ・マガジン Vol.20 WINTER』の記事「最新ウクレレ・レビュー〜2019 WINTER Ukulele Review」を一部抜粋流用したものです。誌面では、最近発表された注目ウクレレ18本のレビュー記事を10ページに渡り掲載しています。今年こそ初めてのウクレレ購入を考えている方、また2本目のウクレレを探している方にも参考にしていただきたい内容ですので、ぜひチェックしてみてください!
価格:¥110,000 (税別)
名渡山遼(なとやま・りょう)
1993年生まれ。小学生の頃からウクレレをはじめ、独学ながら卓越したテクニックを身につけ、10代の頃より各方面で活躍。また、早い段階からウクレレ製作にも興味を持ち、占部弦楽器製作所の占部英明氏に師事。現在では自作のウクレレをメイン器としている。これまでに計7枚のオリジナル・アルバムをリリース
しており、4th『UKULELE SPLASH!』は“ハワイのグラミー賞”と言われる“ナ・ホク・ハノハノ・アワード”最優秀インターナショナル・アルバム部門にノミネートされ、日本人としては最年少で受賞を果たした。現在は日本大学芸術学部を経てプロ・ミュージシャンとしてのキャリアを本格的にスタートしており、2016年7月にメジャー・デビュー。今年7月には新作『My Dear Ukulele』を発表した。