BOSSより、真空管アンプに新たな可能性をもたらすプロフェッショナル・ロード・ボックスが登場した。“Tube Logic”をベースに構築された「WAZA Tube Amp Expander」は、ライブの現場やスタジオ・レコーディングで求められるリアクティブ・ロード、アクティブ・アナログ・パワーアンプ、マイキングを含むキャビネット・シミュレーター、IRローダー、オーディオ・インターフェースなど、実用的な機能を備えている。

　熟練のエンジニアによりアナログ回路で設計されたリアクティブ・ロードは、最大150ワットの真空管アンプに対応。音量をコントロールしながら、好みの真空管アンプのクランクアップ・サウンドと、その相互作用によって生まれるフィーリングをあらゆる状況で再現。真空管アンプのトランスとリアクティブ・ロードの相互作用を最適化するRESONANCE-Z／PRESENCE-Zコントロールは、本体パネル上の16の設定から選択可能で、使用する真空管アンプに最適なスピーカー・キャビネットが接続されているかのような音色が得られる。また、高品位なエフェクト（コンプレッサー／ディレイ／リバーブ）とEQ、キャビネット／IR、エフェクト・ループのオン／オフ、MIDIプログラム・チェンジ（外部MIDIエフェクトの制御）、アンプのチャンネル切り替えにも対応。好みのRIG設定は本体に10種類まで保存可能で、本体パネルやフット・スイッチにより瞬時に呼び出すことができる。GA-FCフット・コントローラー（別売）を使用すれば、RIG設定にアクセスできるため、ディレイ、タップ・テンポ、SOLO／EQスイッチ、エフェクト・ループのオン／オフ、アンプ・チャンネルの切り替えなどのリアルタイム・コントロールも可能だ（オプションのエクスプレッション・ペダルを接続すれば音量レベルもコントロール可能）。さらに、より高度なセットアップを行なうためのMIDIコントロールにも対応。そして、外部エフェクト・ループを装備しているため、エフェクト・ループがないビンテージ真空管アンプにも実用的な拡張性をもたらす。直列／並列接続が選択でき、入力レベルの切り替えも可能ということで、一般的なストンプ・ボックスはもちろん、ラック・エフェクトなどライン・レベルのデバイスにも対応可能となっている。

　出力に関しては、100ワットのクラスABアナログ・パワーアンプを内蔵し、最大2つのキャビネットが接続できる。パワー段は、音量を下げるだけでなく、低出力の真空管アンプの音量を持ち上げることも可能。また、ノイズに強いバランス方式のモノラルとステレオのライン出力も装備。キャビネット・シミュレーションやユーザーIRを備えており、PAミキサーやステージ・モニター、レコーディング機器などへのダイレクト出力に対応している。さらにUSB出力の搭載で、DAWを使用したトラック作成にも対応。また、真空管アンプのトーンはそのままに、周囲を気にせずに練習できるへッドフォン出力も装備している。そして、USB接続による専用エディターの使用で、さらなるカスタマイズ性を発揮。エフェクトやEQの細かい調整に加え、レコーディングなどの出力用に7種類のマイキングを含んだキャビネット・タイプを用意。マイク・タイプは5種類で、距離などの調整も可能となっている。また、必要に応じて4つまでIRデータを読み込むことが可能。加えて、RIGごとの細やかなMIDI設定、システム・パラメーター調整、小音量時の補正機能なども設定できる。

　WAZA Amp Headの開発過程で得た技術と経験が、惜しみなく注ぎ込まれた「WAZA Tube Amp Expander」。真空管アンプを愛するすべてのギタリストに、このポテンシャルを体感してほしい。なお、本製品の発売は2019年の春を予定している。