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- 2024/11/16
DENON / AH-D1200
音質にこだわった“ものづくり”を体現する、日本が世界に誇るオーディオ・メーカー、DENON。ヘッドホン開発50周年の節目となった、2016年発表のフラッグシップ・モデル=AH-D7200と、そのDNAを受け継いだ最新のAH-D5200は、演奏者のパッションをも再現するリアルな高解像度サウンドで喝采を浴びた。今年4月に発売となったAH-D1200は、その迫力のDENONサウンドをアウトドアでも楽しめる、折り畳み可能なポータブル・ヘッドホン。音質はもちろん、装着感やルックスも話題を集める注目のアイテムを、シシド・カフカにチェックしてもらった!
こだわりのラインナップを誇るDENONのヘッドホンに、新たに加わったポータブル・タイプのAH-D1200(ハイレゾ・オーディオ対応)。Bluetoothモデルが主流になりつつある中、音質にこだわったワイヤード仕様で、ドライバーには50mmと大口径のものを採用。アウトドアでも低音の効いた、迫力のサウンドを楽しむことができるという。
市場実勢で2万円を切る価格帯ながら、ハンガー部分には高級感あるアルミ・ダイキャストをセレクト。持ち運びやすいようヒンジ部分が折り畳めるようになっている点もポイントだ。装着感を左右するイヤー・パッドには、耐久性を備えた人工皮革と、AH-D5200にも搭載された頭部のカーブに合わせて最適なフィット感が得られる形状記憶フォームを採用。ストレス・フリーなフィット感を実現している。
昔はどこへ行くにもずっとヘッドホンをして、ずっと音楽を聴いていたんですけど、没頭しすぎて、みんながどういう表情で歩いているかも見えなくなった時期があって。今はスピーカーから音楽を聴くことが多くて、飛行機や新幹線の移動のときはイヤホンなので、ヘッドホン(でしっかり音楽を聴くこと)は久しぶりだったんですけど、このAH-D1200はまず“面白い!”と思いました。何となく“ヘッドホン=(イコール)”で思い描いていたイメージみたいなものがあったんですけど、それとは違っていて、ここまで分離がハッキリとしていて、立体的で、軽やかに聴こえてくるとは思わなかったです。
ドラムがよく聴こえるので、フレーズとか探りたいときに良さそうですね。以前、「新堂本兄弟」に出演させていただいていたときに、毎回演奏する曲を譜面にしていたんですけど、J-POPってドラムの音が小さくて。何度も何度も巻き戻して、譜面を起こしていたんですけど、あの当時、このヘッドホンがあったらどれだけ楽だったろうって(笑)。とにかくクリアで1つ1つの音がハッキリと聴こえるので、まずプレイヤーが喜ぶヘッドホンだと思いますね。
ヘッドホンは使っていた頃から“持ち運びがなぁ……”とずっと思っていたので、折り畳めるのは良いですね。高くて良い音質のヘッドホンって折り畳みできないものが多いじゃないですか。それが嫌でイヤホンを選ぶ人もいると思うんですけど、これならかさばらないし、サイズも女性が装着しても嫌味じゃない大きさですよね。つけ心地はホワホワしていて、締めつける感じはないけど、密着感もあって、何より耳が圧迫されないのが良いですね。ずっと聴いていられるような気がします
■『Original Album Classics』Tower of Power
Tower of Powerはラジオでよくかけるので、ヘッドホンを通して聴いてる回数が多くて、比較しやすいかなと思って選んでみたんですけど、今まで体験したことのない立体感がありました。ビッグ・バンドの真ん中に自分がいて、メンバーに囲まれて演奏してもらっているような気分になりましたね。みなさんの立ち位置も見えて、録っているエンジニアさんの思惑まで汲み取れるような気がして、感動しました。1つ1つの音がすごくクリアで、ハイハットの微妙なニュアンスまでちゃんと聴こえてくるのもうれしいですね。
■『EXTRA ACME』The jon Spencer Blues Explosion
ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンは闇雲にテンションを上げてくれるので大好きなんですけど、AH-D1200で聴くとすごく心地良いローの響き方で、3人が何をしているのかが、これも鮮明に見えますね。3人が一列に並んで演奏していました(笑)。何度も聴いているんですけど、“このタイミングでパン振っていたんだ”とか、新しい発見がいくつもありました。すごくクリアなんですけど、独特のパンチは失われていないし、ベースのローが耳のラインの下の方で響く感じがして、それも新鮮でした。
■『DOUBLE TONE』シシド・カフカ
やっぱり音質がクリアですね。今まで聴いた2枚に比べて、ウチはメンバーの距離感が近いなと思いました(笑)。それも含めてマスタリングやミックスでこだわったところが、ちゃんと聴こえてくるのがうれしいですね。セッション盤の方は、コラボの相手によってかなり色が変わるんですけど、その違いもしっかり出ていました。「リメンバー・ミー」はアウトロが茂木(欣一)さんとツイン・ドラムなんですけど、“バンッ!”って揃う箇所もハッキリ聴こえましたね。こんなに自分の音がクリアに、聴いてくださる方に届けることができるのは、すごくうれしいです。
本記事は、リットーミュージック刊『リズム&ドラム・マガジン 2018年9月号』の特集記事を転載したものです。表紙アーティストはYasei Collectiveの松下マサナオ。付録DVDには藤掛正隆×湊雅史による迫力のパフォーマンス映像の他、アップ・ダウン奏法に焦点を当てたフット・ワークの教則映像などが収録。3枚目のオリジナル・アルバム『DOUBLE TONE』をリリースするシシド・カフカのインタビューも掲載。本記事と併せてぜひお楽しみください。
価格:オープン
シシド・カフカ
シシド・カフカ●メキシコ出身。ドラム・ヴォーカルのスタイルで2012年「愛する覚悟」でCDデビュー。フジテレビ「新堂本兄弟」、ドラマ「ファーストクラス」、「ひよっこ」への出演や、「PRETZ」、「SONY WALKMAN®」、「Levis®」などのTVCMでも話題に。ミュージシャンとして各フェスへの出演の他、女優、モデルなど多方面で活躍中。7月25日にサード・アルバム『DOUBLE TONE』を発売する。