AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
Zildjian / K Sweet Collection & A City Pack
ジルジャンが今年のNAMM Showの目玉として発表したKシリーズの新モデル=Sweet Collectionと、AシリーズのCity Pack。K Sweet Collectionは、大口径シンバルを中心としたラインナップで、造りは薄くレスポンスに優れ、K伝統のダーク・サウンドに華やかさを加えた音色が特徴。A City Packは世界的に流行している小口径バス・ドラムを基調としたキットに対応したシンバル・セットで、12"ニュービート・ハイハット、14"ファスト・クラッシュ、18"アップタウン・ライドという構成だ。ここではリズム&ドラム・マガジンの人気連載セミナー「♯月イチ1グルーヴ」の講師としてもお馴染み、神田リョウによるレビューと、動画でそのサウンドをチェックしてもらいたい。さらに両製品の開発を手がけたジルジャン社のデザイナー、ポール・フランシスによるレコメンド・コメントも掲載!
一番小さいクラッシュのサイズが16”、そこから細かく刻んで23”ライドまでラインナップされている、大口径のKスウィート・コレクションですが、単純にまずルックスがカッコいいですね。シリーズ名である“スウィート”の通り、甘く伸びるけど程良くハンマリングされているぶん、減衰がちょうどいい感じです。特に17”&19”クラッシュ、23”ライド、16”ハイハットが気に入りました。基本的には大きい口径ならではのドッシリとした低い重心の感じがありながらも、このサイズ感にしてはコントロールしやすいですし、ある程度のキレもある。中でもライドは深く沈む感じがすごく良いですし、とにかく扱いやすいんですよね。
16"ハイハットはやっぱりこのサイズならではの、いわゆる”ザクザク”したサウンドが出るけど、ちゃんと歯切れ良く刻めるので、すごく良いです。歌モノやポップスの現場で”今日はどういう感じのサウンドになるのかわからないなぁ”というときに、絶対に困らないシンバルだと思います。現場の誰もが文句を言わないスウィート・コレクション……そんな感じでしょうか(笑)。それから、しっかりと今のトレンドを追いかけつつ伝統もちゃんと守る、ジルジャンの姿勢は素晴らしいと思います。
まずこの個性的な3枚をパッケージしたセンスに脱帽です! 打ち込みっぽいサウンド……サンプリング的な音色で、そういうイメージのビートを求められたときに、人間のグルーヴで、しかも生の楽器を使って表現する、なんてときにすごく良いと思いました。実は小口径のドラム・キットに小口径のシンバルって、サウンドのバランスを取るのが意外に難しいところがあるんですが、そういう部分もうまくカヴァーできていて、さすがでした。口径が小さいから音量が小さいとか、演奏していて足りないという感覚はまったくなく、それぞれの役割をちゃんと担っているけど、サイズごとの個性がしっかりあるんです。そこがすごく面白いから、例えば”ストリートの演奏ならサイズはもちろん、持ち運びやすくて便利です!”みたいなメリットもあるとは思いますが、僕は”このサウンドが欲しい!”っていうドラマーに突き刺さるんじゃないかと思うんですよね。
ポール・フランシス「伝統的なKジルジャン・サウンドがお気に入りで、さらに美しく甘いサウンドを求めているならば、このKスウィート・コレクションがオススメだ。綺麗なサウンドで、広がりもあり、少しサステインがあるんだ。ミドルとローがナイス・バランスでキープされた、今までにないKサウンドになっているよ。クラブなどで演奏するドラマーの中は、コンパクトなキットが必要な人も多いはず。そしてそれに見合うプロフェッショナルなシンバルが欲しいと思っているドラマーも多いだろうね。そういう人達のためにこのAシティ・パックがある。これさえあれば、ほとんどのギグはうまくこなせるはずさ」。
本記事内のポール・フランシスのコメントは、リットーミュージック刊『リズム&ドラム・マガジン 2018年7月号』掲載のインタビューを再編集したものです。表紙特集は、ドラム・セッティングにおける理想のポジションを徹底的に探る“the DRUM SETTING”。2号連続特集の前編となる今回は、膨大な数のレコーディング/ライブに参加し、日本の音楽シーンを支えるトップ・ドラマー、玉田豊夢を大フィーチャー。氏が所有するすべてのドラム・キットが登場。さらに神田リョウによる連載セミナー「♯月イチ1グルーヴ」も掲載。本記事と併せてぜひお楽しみください
価格:¥7,400
神田リョウ
1987年生まれ、兵庫県出身。 幼少期よりストリート・ダンスを嗜む。ダンサーとしてのキャリアを経て、高校時代ビッグ・バンド部入部を機にドラマーへと転向。近年はNissy[AAA]、ORANGE RANGE、美川憲一、織田哲郎Calmera、井上苑子、WHITEJAM、BoAのサポートや日本最大級のストリート・パフォーマンス集団 “ TAPJAMCREW ”のプロデューサー兼ドラマーとしても活躍中。SNSでの動画投稿企画、#一日一グルーヴ 、#一日一バイブス で話題を集め、現在、#一日一グルーヴ3 毎日更新中。昨年インスト・バンド“Fango Inc.”でデビュー。