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- 2024/11/16
Fender/American Original '60s PB、'60s JB
“アメリカン・オリジナル”は、これまでの“アメリカン・ビンテージ”に変わる新しいシリーズで、特定の年にフォーカスした再現モデルではなく、年代を象徴するスペックに焦点を当てながらも現代の音楽シーンや演奏スタイルに合わせて細部をリファインしているのが特徴です。今回はその中から1960年代のスペックを基に製作された、同シリーズのプレシジョン・ベースとジャズ・ベースを紹介していきましょう。
プレシジョン・ベース、ジャズ・ベースともアルダー・ボディ、メイプル・ネック、ローズ指板といったマテリアル、ビンテージスタイル・トール・フレット、逆巻きペグ、4スレデッド・サドルとスティール・ブリッジ(いわゆるスパイラル・ブリッジ)、クレイ・ドット・インレイといった1960年代を象徴する基本スペックは従来通りです。一方でリファインされているおもな点が、指板Rとフィニッシュです。指板Rは従来の7.25インチから9.5インチへとフラットな方向へ変更されており、フィニッシュは従来通りのオール・ニトロセルロース・ラッカー・フィニッシュではあるものの、“アメリカン・ビンテージ”で採用されていた非常に薄い塗装ではなく、より耐久性を重視した塗装方法に改善されています。
プレシジョン・ベースは、1963年製のスペックを中心に製作されています。もっとも象徴的なのがネック・シェイプとピックアップですね。ネックはプレシジョン・ベースらしさがありながらも太すぎず細すぎない絶妙なシェイプで、9.5インチの指板Rと併せて違和感なく弾きやすいです。グロス(艶あり)のラッカー塗装によるネックの手触りも良い感じですね。ピックアップはエナメル・コーティングされたコイル・ワイヤー、クロス・カバー出力ワイヤー、ファイバー・ボビン、アルニコⅤマグネットなど、当時のスペックを細部に渡って忠実に再現したPure Vintage ‘63 P Bassスプリットコイルで、当然のことながらプレシジョン・ベースそのものの音色ですし、この年代特有の充実したミドルや、適度な明るさも表現されていると感じます。
ジャズ・ベースは1964年前後のスペックを中心に製作されています。ピックアップはPure Vintage ‘64 Jazz Bassシングルコイルを2基マウントし、プレシジョン・ベース同様に当時のスペックを忠実に再現しています。ネックはラウンド張りの指板と細身のCシェイプで、こちらも演奏性に問題はありません。音色はもちろんジャズ・ベースそのもの。レンジが広いながらもシャキシャキしすぎない60年代特有の音色が楽しめます。ハイファイ過ぎないスラップ音を好むベーシストには特にオススメできますね。
どちらも本家フェンダーの正真正銘のプレシジョン・ベースとジャズ・ベースですし、まさにそのものズバリの音色で、60年代の音色的な特徴も良く再現されていると思いますが、共通して感じたのはビンテージの枯れた雰囲気ではなく、アメリカンな音の抜けやハッキリとしたアタック感です。トラディショナルなスタイルの音楽はもちろん、現代のさまざまなジャンルの音楽にも合うように作られた楽器だと思いますね。まさにこの楽器の特徴でもある現代的にリファインされている部分と、従来通りの普遍的な部分、言い換えれば現代の技術と創業者レオ・フェンダーの先見性がうまく融合した楽器だと感じました。
弾き込めば弾き込むほどに変化を見せるであろうラッカー塗装ならではの経年変化もまた楽しみで、楽器を育てる喜びも得られるでしょう。そうそう、忘れちゃいけないのがハード・ケースです。ビンテージ感と高級感に溢れたルックスで、ケースを開いたときのゴージャスな雰囲気は、その独特の芳香も併せて所有欲を満足させてくれると思いますよ。ちなみにアメリカン・オリジナルは今回紹介した2本のほかに「American Original '50s Precision Bass」と「American Original '70s Jazz Bass」もラインナップされています。それぞれの年代ごとの特徴がしっかりと表現されていて音色の違いもバッチリ感じられますので、気になる方はこちらもぜひチェックしてみてください。
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