アコースティックエンジニアリングが手がけた“理想の音楽制作を実現する”環境
- 2024/11/25
Pioneer / XDP-20
新発売のパイオニアXDP-20は、リーズナブルながら高音質を実現したハイレゾ対応のデジタル・オーディオ・プレーヤー。女性ボーカルを擁するポップなサウンドで人気の4人組、Shiggy Jr.のギタリスト=原田茂幸に、その音質をレポートしてもらった。
昨今、高音質を追求するリスナーの加熱した要望に応えるようにオーディオ・メーカー各社がハイエンドなDAP(デジタル・オーディオ・プレーヤー)開発でしのぎを削る中、本機はシンプルなルックスと操作性で高音質リスニングの敷居を下げたフレンドリーなスタイルの新モデル。とはいえ、心臓部ともいえるDACチップはESSテクノロジー製“ES9018C2M”、オペアンプにはESSテクノロジー製“SABRE9601K”を2基ずつ搭載し、フルバランス構成と上位機種同様のハイスペックな作り。スマホでのリスニングに馴れたユーザーは、一度試聴する機会さえあれば本機の広がり感のあるサウンドに驚くことだろう。耳からギタリストのタッチやバンドの空気感も感じとれそうな脱スマホに最適な1台。
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──まず、原田さんは普段、どういうツールで音楽を聴きますか?
スマホに3,000円くらいのイヤフォンを挿して聴きますね。たぶん多くの人と同じだと思います。
──なるほど。今回はマーヴィン・ゲイの名曲「ホワッツ・ゴーイング・オン」をこのプレーヤーで聴いてもらおうと思います!
いいですね。まず自分のスマホにも同じ曲が入ってるんで、こっちから聴きましょうか(聴く)はい。ではこのプレーヤーで……(聴く)やっぱ、全然違う(笑)。音がより細かく聴こえてきます。高音のシャリっとしたところがより濃密ですね。あと、マーヴィン・ゲイのリップ・ノイズがものっすごい聴こえますよ。このリップ・ノイズはスマホで聴いてる時は気づかなかったな。あとこのプレーヤーで聴いたほうが、スマホよりふくよかな感じで温かみがあっていいですね。
──聴いていて楽しいですよね。ハイレゾ対応のイヤフォン(パイオニアSE-CH5T)も用意したので、こっちに変えてみましょうか。
(聴く)思ったより全然違いました。自分のイヤフォンよりもだいぶ奥行きがあります。あと単純に、装着感が好きだな。
──あと実は、Shiggy Jr.の最新作「SHUFFLE!! E.P.」も用意してあります。聴きましょう!
おぉ~(笑)!(「Juuuump!!」を聴く)これはだいぶ違いますよ~。まず1発目のキック音からして断然ふくよかでした。で、一番思ったのは“ギター・ソロ弾いといて良かった”ってこと(笑)。というのも、この曲はファズを踏んでるんですけど、雑音っぽく聴こえないんです。普通のリスニング環境だとファズって雑音になりがちですけど、これで聴くとファズが音楽的というか。ちゃんとあの時作った音が出ています。で、ピッキング・ニュアンスがちゃんと再生されてるのもうれしいです。これは報われた感がある(笑)。
──そう考えると、こういった質の高いプレーヤーを使ったほうが、REC時にこだわり抜いて作ったニュアンスをちゃんと聴き取れるわけですよね。作り手としてそれは本望なのでは?
そうですね。こういうプレーヤーで、かつハイレゾで聴いたほうが、作り手側が伝えたい本来の音に近いというか……REC中にスタジオのモニターから出ていたあの音に限りなく近いと思います。埋もれがちな音も聴こえてくるので、リスナーは聴くたびに新しい発見があるはずですよ。なのでぜひ、再生性の高い良い音で聴いて下さい……いや、聴いてあげて下さい(笑)。
本記事は、リットーミュージック刊『ギター・マガジン 2018年2月号』の特集記事を転載したものです。本号の表紙巻頭は「まるごと一冊 “歪みペダル” 2017-2018」。今熱い日本の歪みエフェクター・シーンにスポットを当て、歪みペダルの最新事情に迫る150ページ超えの大特集を敢行! デジマート・マガジンも本特集と連動して「歪みペダル・バイヤーズ・ガイド2017」を公開中! ぜひ特集記事と併せて今注目の歪みペダルをチェックしてみてください。
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原田茂幸(はらだ・しげゆき)
4人組シティポップ・バンド、Shiggy Jr.のギタリスト/ボーカル/コンポーザー。池田智子(vo)のキュートな歌声を軸に、ロックやR&B/ファンクなどを織り交ぜたポップなサウンドで瞬く間に人気に。豊かな引き出しによる原田のプレイはバンド・アンサンブルの牽引役。最新作は17年11月にリリースした「SHUFFLE!! E.P.」。