AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
Synthesizer
「キーボード・マガジン 2018年1月号 WINTER号」に連動するキーボード・バイヤーズ・ガイドの第三弾は、ライブで使える「シンセサイザー」を特集。DAVE SMITH INSTRUMENTS Prophet REV2、ARTURIA MatrixBrute、MELLOTRON Mellotron Micro、WALDORF kb37、そしてYamaha VKB-100とアナログ・シンセやモジュラー・シンセ、個性的名機などバラエティーに富んだ5機種をキーボード・マガジンの名レビュアー陣が紹介します。
今回のレビューのために、Prophet REV2が手元に届いた。発売されて以来、触るチャンスがなかったので筆者にとっては今回初顔合わせなのだが、事前の予想を覆す出来だったことをまず報告しておこう。もちろん良い方向に、である。デイヴ・スミス・インストゥルメンツのラインナップは魅力的なものばかりだ。Prophet ‘08に始まり、Prophet 12、Prophet-6やトム・オーバーハイムとの共同開発によるOB-6など、現代のリアル・アナログ・ポリフォニック・シンセサイザーに関しては常に最先端を走っているメーカーと言っていいだろう。
ボイス数を生かした音色のレイヤー/スプリット、シーケンサーなど大幅な機能の追加
Prophet REV2は、Prophet ‘08のアップデート版という説明をされているが、はっきり言って全く別物のシンセと言える。サイズ、筐体こそほぼ同じだが、パネル・レイアウトは似ているようで全く違う。今回1番大きな変更は、16ボイス・バージョンが登場したことと、そのボイス数を生かした音色のレイヤー/スプリット、シーケンサー機能の大幅な追加によって用途が大きく広がった、という点だろう。廉価版の8ボイス・バージョンもあり、ボイス数が違うだけで機能的には全く同じようだ(別売のボイスカードを追加して16ボイスにも拡張可能)。ただ、実際に音を出してみた感触としては“ボイス数が多いから便利、レイヤーができるから厚みが増した”云々といったレベルとはまた違った意味で、楽器本来の進化、パワーアップを強く感じる。
全く別物と申し上げたが、Prophet ‘08からデジタル制御のアナログ・オシレーター(DCO)、カーティスチップのフィルターという基本中の基本の部分はしっかり受け継いでいる。つまり、体裁としてはアナログ・ポリフォニックシンセの王道中の王道だ。
ボイスあたり2つの搭載されたオシレーターに関しては、これまでと同様に基本の波形のバリエーションは多くはないものの、SHAPE MODというパラメーターで“波”の横方向の比率を変えることで、幅広い音色を作り出せる仕様になっている。このSHAPE MODには、エンベロープをはじめ、さまざまなモジュレーションをかけられるので、フィルターとはまた違った多彩な時間的音色変化を楽しめる。もちろんSYNCも搭載、Prophetらしい攻撃的でカラフルな音色は得意技だ。また、OSC SLOPというパラメーターを備えており、これは本来のアナログのオシレーターの不安定さを演出する。“うっすらとした揺らぎ”から“明らかに音痴”まで自由自在だ。
シンプルながら自由度は抜群。モジュレーション・マトリックスで音作りの楽しさが倍増
新機能は山ほどあるのだが、パネル上で目を引くのはAUXILIARY ENV(オグジュアリー・エンベロープ)。フィルターやアンプのセクションにそれぞれ用意されているエンベロープのほかに、どこにでもアサインできるエンベロープがきちんとワンセット、パラメーターごとに独立したノブという実体を伴って装備されているのが嬉しい。
さらに実戦的なのは、デジタル・エフェクトだ。ディレイ、変調系を中心になんと13種用意されており、4つのノブで自在にコントロールできる。特に気に入ったのはアナログ・ディレイのエミュレーター“BBD DELAY”。パッド系の音色や柔らかめのリードに合う、空気感のあるディレイだ。また、筆者の大好きなリング・モジュレーターも搭載しており、強烈かつスムーズな音色変化が楽しめる。このリング・モジュレーターとフェイザーは、なんと往年のオーバーハイムのエフェクターのエミュレーションだというのも泣ける。リバーブの美しさも、ほぼ専用機要らずという印象だ。最新鋭のデジタル・シンセのようにいくつもエフェクト・スロットがあるわけではないが、原音の存在感とエフェクトのクオリティが高いために、全く不満を感じないで済むのも流石だ。
音作りにおいて今回、大きなポイントになるのは新しいモジュレーション・マトリックスだろう。左上に独立したセクションがあり、SOURCEとDESTINATIONの各ボタン、SELECTとAMOUNTの2つのノブだけというシンプルな構成だが、中央の新しいディスプレイ(サイズは小さいが非常に見やすく、エディットに対する追随性が良い)で確認するとなんとソースは23種、デスティネーションに至っては54種! モジュラー・シンセも真っ青な自由度である。これらをいくつも思いどおりに組み合わせられるのはもちろん、ディスプレイを見ながらの操作が非常にやりやすいので、ライブで弾きながらパネル上の変調操作もリアルタイムにやりたい筆者のようなプレイ・スタイルの人には持ってこいだと思う。
また、ちょっとマニアックな人にはたまらないオルタナティブ・チューニングをなんと17種も装備している。ミーン・トーンや1/4音スケールと言った比較的ポピュラーなものからアラビアン・スケール、ガムラン・チューニングなどバリエーションが豊富で、ここからまた音色作りのインスピレーションにつながるものばかりなので楽しい。
シーケンサーはProphet ‘08のシンプルなゲート・シーケンサーに加えて、1トラック64ステップのポリフォニック・シーケンサーが装備された(1ステップにつき最大6音)。同時発音数が多いのでこの辺りも心配せずに使える。1つ1つの音色が魅力的なため、シーケンサーにリフを任せてまた別の音色でインプロを楽しんでいるとあっという間に時間が経ってしまう。
王道を貫きつつ新たな個性を打ち出した、ライブに使いたいシンセサイザー
出音は、Prophet ‘08に比べると派手な印象というか、押しが強い。フィルターのキャラクターにはそんなに差を感じないのだが、オシレーターでの微妙な波形のレベルで“ハリのある音色”をすでに感じる。また、エフェクト搭載に関しては賛否両論あるだろうが、やはりシンセ単体である程度トリートメントできるのは、特にライブでは本当に助かるだろう。
個人的な感想として、プリセットの音色が非常に出来が良く、1つ1つに音楽的なインスピレーションを受けた(プリセット512、ユーザー・エリア512の1024プログラムを内蔵)。ユーザー自身が音作りをするという、本来のこのシンセのコンセプトとはまた違うったところではあるが、あまり深く考えていじらずとも、プリセットを使うだけでもライブで楽しく弾けるだろう。
こういったシンセサイザーは、ぜひともライブで使いたいし、使ってほしい。もちろんPCM音源を搭載したワークステーション的な万能モデルや、良いエレピ/デジピと組み合わせれば無敵になるが、あえて“今日はシンセサイザーだけで行く!”“俺はシンセサイザーしか弾かない!”といったように凜とした気分でバンドに持ち込んだら、ワクワクするだろうなと思う。その際は操作の簡単なシーケンサーも大きな武器になるだろう。
デイヴ・スミス・インストゥルメンツのシンセサイザーはみんな“音が力強い”印象がある。その中で例えばProphet-6はあくまでもProphet-5の再来と言おうか、同じ操作感覚、同じシンプルな成り立ちと強烈なシンセサイザーらしさを目指しているし(筆者にとってはProphet-5の再来と言うより実はそのコンパクトさが気に入ってるのだが)、Prophet 12は機能や発音形態をいろいろ盛り込んで音色のバリエーションを増やし、その分アナログ感からは離れていった感じがある。その中でREV2は、本来、王道で非常に使いやすかったけれど、ちょっと個性の弱かったProphet '08を見事に生まれ変わらせたと言って良いだろう。筆者はこのところ、余裕ができたらぜひものにしたいアナログ・シンセとして同じデイヴ・スミス・インストゥルメンツのOB-6を意識して来たが、俄然強力な対抗馬が現れてしまった。皆さんもぜひとも実物をチェックしその魅力を体感していただきたい。(飯野竜彦)
ビンテージ・アナログ・シンセサイザーのソフトウェア音源で定評のあるアートリアが発売したハードウェア音源、MiniBrute、そしてMicroBruteは高い人気を誇っているが、同シリーズの最高級機種として発表されたMatrixBruteはさらに衝撃的な製品だ。まずその大きなボディと、3段階でパネルの角度を変えることができるという、シンセ好きをくすぐるルックスが存在感抜群。そして、パネル右側には今まで見たこともないような16×16のマトリックス・ボタンが配されている。ライブでの見栄えがインパクト大なのはもちろん、この大胆で巨大なボタン群を使ったサウンドもまた強烈なものだ。
優れたオシレーター&フィルターと予測不可能な音を生み出すモジュレーション
Matrix Bruteは、基本的にアナログ・モノフォニック・シンセサイザーで、3VCO、2VCF、1VCA、3ENV、2LFOという構成になっている。まずVCOは3基のうち2つがノコギリ波、矩形波、三角波を備え、選択式ではなくそれぞれが任意のバランスでミックスできる仕様になっている。さらに、各波形すべてにウェーブ・シェイピングが行えるツマミを持っており、矩形波には一般的なPulse Width、ノコギリ波には厚みのあるサウンドを出すUltraSaw、三角波には金属的な倍音を付加するMetalizerといった構成だ。いずれも基本波形からかなり幅広いサウンド・バリエーションを作り出すことができる。3つのVCOのうち2つにはサブオシレーターもそれぞれ用意されているので、音の厚み、太さはかなりのものだ。また、VCO3はオーディオ信号を出力しながら、同時に3つめのLFOとして使用することも可能になっている。さらに、ノイズ・ジェネレーターは一般的なホワイト、ピンクのほかにレッド、ブルーといった周波数成分の異なるサウンドも選択もできる上、外部入力も使用できるなど、充実した内容になっている。
2つのフィルターはMiniBrute、MicroBruteに搭載されていたスタイナー・パーカー(Steiner-Parker)フィルターとモーグ・タイプのラダー・フィルターという2種類が用意され、それぞれローパス、ハイパス、バンドパス(スタイナー・パーカー・フィルターはさらにノッチ・フィルターに設定することも可)、12dB/24dBの選択ができる上、それらをシリアル/パラレルで使うかの選択もできる。またオシレーターのミキサー部分では、2つのフィルターのどちら側(あるいは両方)に送るかの選択もできるなど、考えられる限り最高の自由度を誇っている。そして、このフィルター・セクションには歪みを出すDriveと、さらに凶暴なサウンドを作り出すBrute Factorが用意されている。このBrute Factorはヘッドフォン出力を外部オーディオ入力に戻すという、古いシンセサイザーのパッチング・テクニックを模したもので、強烈な歪みやフィードバック・サウンドを得ることができる。ツマミを操作する時は音量、スピーカーに注意が必要だ。
エンベロープは一般的なADSRタイプだが、ENV3のみ遅れて動作させることのできるディレイを先頭に装備した、DADSRエンベロープという構成になっているのがユニークだ。
そして、筆者が一番気に入っているのがAudio Modというセクション。オシレーター同士のクロス・モジュレーションやオシレーター/ノイズからフィルターへのモジュレーションなどが4系統別々に設定でき、かなり強烈で予期できない複雑なサウンドを生み出すことができる。
さて、冒頭で、MatrixBruteはモノフォニック・シンセだと説明したが、実はポリフォニック・シンセとしても使用できる。ただし、通常のポリフォニック・シンセと違い、オシレーターを別々で使用したパラフォニック(PARAPHONIC)という使い方だ。3つのオシレーターを同じようにセッティングすれば3ポリフォニックとして使用できるが、3つを異なるセッティングにしておけば、3声を別々のサウンドで鳴らすことができ、面白い効果が得られる。またDuo-Splitという設定にするとセンターのCを境に、VCF1側とVCF2側に分けて演奏することができる。各オシレーターの音をどちらのフィルターに送るかは、前述のオシレーター・ミキサーで選択することが可能。シンセ・ベース+2和音や、ベース+リードといった使い方ができそうだ。また、通常のポリフォニック・シンセではグライド機能が思った通りに働かないことがあるが、この仕様だとモノフォニックの感覚でポリフォニックのグライドが気持良くかけられる。
256個のマトリックス・ボタンからエフェクトや入出力端子まで驚異の充実ぶり
続いて、製品名にもなっている16×16=256個を装備したマトリックス・ボタン。大きく3つの機能で使用できるのだが、その切り替えはボタン群上部にあるPRESET、SEQ、MODのボタンで行う。その機能を順番に見ていこう。
まず、PRESETのボタンを押したとき、この256個のボタンはプリセット音の呼び出しに使用できる。一般的なシンセサイザーでは、8〜16個程度のボタンとバンク切り替えを併用するなどして、プリセット・サウンドを呼び出すスタイルが多い中、すべてのプリセットがボタン1つで呼び出せるのは贅沢でありがたい。プリセットには、シーケンスやアルペジエーターを駆使した音色のほか、さまざまなモジュレーションを駆使して、聴いたこともないような存在感のある複雑なサウンドが多く収められている。
モードをSEQにすると内蔵シーケンサーのステップ表示になる。モジュレーション、スライド、アクセント、ステップという4つの情報が4行ずつペアになっており、16ステップ×4で最大64ステップのシーケンスを組むことができる。シーケンスを作るのも簡単で、ステップ/リアルタイム入力の両方に対応している。
モードをMATRIXにすると16×16のモジュレーション・マトリックスとして使用できる。縦軸にモジュレーション・ソースが16種類、横軸にモジュレーション・ディスティネーションが16種類、その組み合わせをボタンで選んで、Mod Amountツマミでそれぞれのデプスを設定する。デスティネーションの13〜16番目は音色ごとに任意で指定できるようになっているのだが、そのパラメーターはすぐ上にあるe-ink(電子ペーパー型)ディスプレイに表示され分かりやすいし、セットも簡単で、13〜16のいずれかのボタンを押しながら使用したいツマミを動かすだけである。EMS社のビンテージ・シンセに見られる、ピンによるマトリックス・パッチングを連想させる素晴らしいアイディアではないだろうか。
エフェクトも高品位なアナログ仕様で、ディレイ、コーラス、フランジャー、リバーブを用意。アナログ・シンセにデジタル・エフェクトを内蔵した結果、全くアナログらしくないサウンドになってしまう製品がときどき見受けられるが、MatrixBruteではそんな心配も不要だ。ここはアートリア社のこだわりが伺える部分だ。
これだけでも十分すごいのだが、さらに驚かされるのが入出力端子の充実だ。特にCV端子が12イン、12アウト、エンベロープをトリガーさせるゲートI/O、シーケンサー、アルペジエーターを同期させるシンクI/Oがミニジャックで装備され、ほかのシンセやモジュラー・シンセと組み合わせた使い方を考えると拡張性はハンパではない。ほかにも外部オーディオ・イン、ペダル・イン、MIDI、USBなどの端子が、この大きなボディのリアパネルに所狭しと並ぶ様子は壮観だ。
リアルタイムの操作性も秀逸。マトリックス・ボタンは文字が表示できる!?
ここまで、音作りの自由度について主に見てきたが、MatrixBruteはリアルタイムの操作性にも優れ、ライブ・パフォーマンスで威力を発揮する製品だ。まず、各フィルターにカットオフのツマミが付いているのだが、Master Cutoffというパラメーターがひときわ目立つシルバーの大きなツマミで用意されており、2系統のフィルターを同時に制御することができる設計になっている。これはライブでのリアルタイムなカットオフ操作に貢献しそうだ。
また、16×16のマトリックス・ボタンのライトだが、256というセグメント数の多さを生かし、実は面白い使い方ができる。なんと、SEQモードでアルファベットの文字や絵を描くことができるのだ。試しにやってみたが、8文字以上のアルファベットをはっきり読める形で点灯させることができた。ライブ・ステージ上で客席側に見えるようにパネルを立てておけば、かなりカッコ良く文字やメッセージが伝えられるのではないだろうか?
このMatrix Blute、あまりにも音作りの自由度が高過ぎるためにライブで即興的にツマミを動かすには知識が必要になってきそうだ。あらかじめ音色を作り込んでおき、プリセット音として登録して使用するのが良さそうだが、その上でシーケンサーやアルペジエーターのテンポをタップで動かしたり、ノート・バリュー設定で速度を倍速に変えたり、キーボードを打鍵するたびにシーケンスが頭からスタートすることを利用してフレーズを自由に転調させたり、シーケンス・フレーズをライブでリアルタイムに演奏するといった使い方も面白そうだ。じっくり音作りをするのに向いたシンセサイザーという印象を受けるかもしれないが、リアルタイムのパフォーマンスにもぜひ使ってみたい製品である。(松前公高)
ノスタルジックかつサイケデリック……ロックやプログレッシブ・ロックで1960年代に一世を風靡し、独特の空間を演出した伝説のキーボード、メロトロン。誰もが聴いたことのあるであろう、ビートルズ「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」のイントロをはじめ、ムーディ・ブルース、キング・クリムゾンなど数々の名演でその音色が知られる、キーボード史上に輝く名機である。だが実機は大きく重く、磁気テープを再生し発音させるという構造上故障も多く、さらに非常に高価な楽器であった。そんな扱いづらい名機がとんでもなくコンパクトでスタイリッシュに、そしてお手ごろな価格になっての登場である。メロトロン好きのクリエーター、キーボーディストにとって間違いなく看過できない機種であろう。早速、実機を試奏した感想を交えてレポートしてみたい。ただし、思い入れが強過ぎる原稿になっているかもしれないので、そのあたりはご容赦願いたいところだ。
北欧メーカーらしいスタイリッシュなデザイン。超コンパクトで操作性も良好
スウェーデンのメロトロン社から発表されたMellotron Microは、同社からすでに発売されているM4000D mini Digital Mellotronをさらに極限までコンパクトにしたモデルだ。M4000D miniでも十分に持ち運びができるサイズであったが、本機はその1/4くらいのサイズである。M4000D miniの上半分をなくして鍵盤を37鍵から25鍵(2オクターブ)に変更、周囲のボディの出っ張りも一切なくスパッと切り詰めたようなデザイン。ボディのエレガントな白色を基調に操作部にはシャープなシルバー色のプレートがあしらわれ、男子の心をくすぐる黒く存在感のあるスイッチ類は兄機譲りの同デザイン。無駄を削ぎ落としたミニマルな造形と、明るく清潔感のあるホワイトの色使いからは、さすが北欧のメーカーらしい洗練された印象を受ける。北欧家具好きの筆者にもたまらないデザインなのだ。コントロール・パネルには視認性の良いTFTカラー液晶が2機並び、立ち上がっている2種類の音色がすぐに認識でき、暗いステージ上でも使い勝手はいいだろう。個人的には、液晶に音色の実機の絵が表示される点がお気に入りである。なぜ2音色が立ち上がっているのか分かるだろうか?これはオリジナルのメロトロンが、再生ヘッドの位置を調整することで、テープのトラック上で隣り合う2種類のサウンドを別個に出したり、混ぜたりできたところを再現しているのだ。また、リア・パネルの“M”のロゴに触ると、ロゴの発光色が変化する機能なども遊び心がある。
サウンドの揺らぎやノイズに至るまで、最高の状態のメロトロンを再現
メロトロン社の強みは代々のモデルで使用されたマスター・テープを保有し、その著作権を持っているところだろう。Mellotron Microには、膨大なマスター・テープから選りすぐられた100音色が内蔵されており、しかもそのサウンドは、メロトロン社が以前復刻した新品のMellotron MkⅥの個体でマスター・テープを再生し、非圧縮24ビットの高音質で7秒〜9秒サンプリング(ループ処理なし)したものなのだ。
実際にサウンドを聴いてみると、さすがにループなしというのが効果を発揮している。サウンドの揺らぎや微妙なビブラートの速さが変わっていくところ、テープのノイズも一定ではなく変化している。実にメロトロンらしい、いい意味での曖昧さが最高である。いわゆるソフトウェア音源でもメロトロン・サウンドは世の中に数多く存在するが、本家のサウンドを聴くとソフト音源が単調に聴こえてしまう。100音色すべてが、ずっと弾いていたくなってしまうような素晴らしさなのだが、その中でも「Strings A High」や、最もポピュラーな音色「3Violins B」などは、個人的には特にゾクゾクさせられるサウンドである。鍵盤上にいくつか奏法の異なるサウンドが割り当てられた「Tubular Bells」のようなサウンドも収められている。
フラッシュ・メモリーに内蔵された音色ファイルは瞬時に呼び出されるため、一切のストレスがなく、楽曲やフレーズに適したサウンドを次々に切り替えて音色選びができる。ちなみに、最もポピュラーなMellotron M400からは26音色、そのほかにもMellotron MkⅠ(15音色)/MkII(18音色)、M300(6音色)、Chamberlin M1(17音色)、Chamberlin Music Master(18音色)など、そうそうたるメロトロン名機の中からの大変使いがいのあるサウンドが選び抜かれている。この100音色は2系統をミックスできるので、さらにサウンド・メイキングの幅は広がるはずだ。本機にエフェクトはないが、メロトロンの音色はテープ・ディレイやプレート・リバーブなどの空間系エフェクトやフェーズ系、トレモロのエフェクトもばっちりハマるので、その辺りを試していくのもオーナーにとって楽しみが尽きないところであろう。
本機の使い方はとにかくシンプルでわかりやすい。AツマミとBツマミで2音色を選ぶと、それらの音色が2つの液晶に表示され、あとはサウンドAとBのミックス具合をノブで調整するのみ。そのほかはボリューム、トーン・コントロール、メロトロンらしさの表現に有効なプラス/マイナスのピッチつまみがあるだけ。これだけシンプルであれば説明書すら不要と思えるほどで、電源を入れた瞬間からアイディア作りに取りかかれるだろう。“マニュアル・モード”や“リスト・モード”で音色をソートして選択し、その組み合わせを“プレイリスト・モード”で登録すれば、パフォーマンス時にあらかじめ選んだ組み合わせを瞬時に呼び出せる。ライブに適した現代性をも兼ね備えたメロトロンというわけだ。
楽器の背景を知ることで、ライブやレコーディングでメロトロンらしさが活用できる
Mellotron Microの鍵盤数は2オクターブ/25鍵。本機には3段階のオクターブ・スイッチが備えられ、実機のテープからの忠実なサンプリングとなっているため、37鍵分のサウンドが出せる。鍵盤数が少ないことを気にする方がいるかもしれないが、実際はほぼ問題にならないだろう。筆者も、アレンジの仕事をするときにメロトロンのサウンドは好んで使うが、両手で弾くことはあまりなく、片手で和音を弾くか、フレーズを単音またはオクターブで弾いていくことが多い。もし、メロトロンの音色で左手も演奏し、右手がクローズドなボイシングで弾いたりすると明らかに音数がトゥー・マッチになり、サウンドに濁りが生じてしまう。そう考えれば、鍵盤数が25鍵でも十分なのだ。どうしても足りない場合はMIDIキーボードにつなげばいい。
鍵盤はフルサイズのイタリア・メーカー、ファタール製、セミ・ウェイテッドとなっており、上質感のあるタッチである。ベロシティ/アフタータッチにも対応し、サステイン・ペダルも接続でき、さらにMIDI IN/OUT/THRUを備える。前述の通り、内蔵されている音色はとても充実しているが、M4000D miniにあったサウンド・カード・スロットはなく、Mellotron Sound Cardシリーズによる音色の拡張に対応していない点は注意が必要だ。
メロトロンは、決して弾き倒すような楽器ではなく、いかに印象的なフレーズを紡ぐかが勝負の楽器である。そもそも、実機では鍵盤を押すとテープが再生ヘッドに押し当てられるという構造上、一度にたくさんの鍵盤を弾くと、再生ヘッドに押し付けられるテープの抵抗で再生スピードが落ち、ピッチが下がってしまうような未完成な楽器であることを認識しておこう。そして、そんな不完全さこそがメロトロンらしさなのであり、生の楽器で弾いた音をテープ録音して再生させるという、まさに元祖サンプリングのような偉大な発想と、当時の技術的限界があったからこそ、ロックやサイケデリック・ミュージックの中で独特のローファイな浮遊感や、シンプルで深みのあるフレーズのカッコ良さを生み出せたのである。そんな楽器の背景を知れば、ライブでもレコーディングでも、メロトロンらしさを活用できるのではないだろうか。本機はメロトロンのサウンド・クオリティはそのままに、余計な機能を省くことによってコンパクトさと低価格を実現している。ライブやレコーディングに連れて歩ける名機となりそうだ。(YANCY)
ユーロラックと言えばドイプファーが提唱する、医療規格を応用したモジュラー・シンセサイザーだが、今や200を超えるガレージ・メーカーから老舗電子楽器メーカーまでがさまざまなモジュールを発表しており、自由な発想で設計されたユニークな製品が世界中でリリースされ続けている。思えば、MIDIは当時バラバラだった世界の電子楽器をつなげたわけだが、奇しくもMIDI登場以前のプロトコルであるCV(電圧制御)という、シンセサイザーの原点に戻ったかのような規格が現代に蘇り、世界中のシンセサイザーをつないでいるというのは感慨深い。ご存知の通り、ウォルドルフはウェーブテーブルという画期的なシンセシス・システムを生み出したドイツの老舗メーカーだ。今回は、そんなユーロラック市場に、同社がリリースした製品をまとめて紹介してみよう。
音を出すための機能がそろったkb37
ユーロラック・ムーブメントが過熱する中、ウォルドルフが満を持して発表した製品の1つが、ひときわ目を引く白い筐体のキーボード・コントローラー、kb37だ。“ひときわ目を引く”と言ったのは、鍵盤の存在だ。急成長を続けるユーロラック市場の中にあっても、鍵盤を搭載したラックは非常に珍しい。ほとんどのモジュリストが鍵盤を使わず、シーケンサーやDAWなどとモジュールを組み合わせる中、ウォルドルフがライブ性を視野に入れたkb37を発表したのは実に興味深い。
そもそも、日本においてはユーロラック・モジュールを発売しているメーカーそのものが非常に少ない。そして、その敷居の高さは、制約のあるラックおよび電源が理由にあると言える。また、システムに鍵盤を搭載しないで使うユーザーが多いため、一見して楽器に見えない難解なものとして捉えられがちだ。しかし、このkb37は標準仕様で安定した電源ボードを搭載し、107HPのラックマウント・ブランクを持ち、さらには鍵盤を搭載している。また、特筆すべきはMIDI⇔CV/GATEのコンバーター機能、USBインターフェース、さらにはオーディオおよびヘッドフォン出力を標準搭載している点だ。通常、空のラックからユーロラックをセットアップする場合、それらのモジュールを個別に用意する必要があるわけだから、いかにコストパフォーマンスに優れた製品なのか分かるだろう。
ボディは金属製で高級感に満ち、Fatar製のベロシティ/アフタータッチ対応37鍵を採用し、安定したキーボード・プレイを約束してくれる。さらに、ピッチ/モジュレーション・ホイール、そしてアルペジエーターまで装備されているなど、モジュラー・シンセやユーロラックを扱ったことがないキーボーディストでも、容易にこのシステムを導入できるよう配慮がなされている。そして、ユーロラック用語でSLEWと呼ばれる、ポルタメントやオクターブ・シフト・レバーの配置を見れば、ライブでの使用を強く意識して開発された意図も見えてくるだろう。
もちろん、ユーロラック規格のものであれば、他社のモジュールをマウントすることもできる。つまり、シンセサイザーを自分でデザインできるということなのだ。もちろん、マウントするモジュールはkb37のモジュール・スペース以内に収まれば、世界中で発売されているユーロラック規格のほとんどを使用することができる。
個性豊かなウェーブテーブルnw1
kb37に続いて、今回はウォルドルフから発売されているユーロラック・モジュールを5つ紹介しよう。まずは同社初のユーロラック・モジュールであるウェーブテーブル・オシレーター、nw1だ。“これぞウォルドルフ・サウンド!”と言わんばかりの、PPGを彷彿させるレガシー・サウンドから、現代的なドローン・サウンドまでを網羅するウェーブテーブルが並ぶ。ノイズ・ジェネレーターも搭載されており、ウェーブテーブル・シェイプとノイズのバランスをノブ1つで調整できる仕様は嬉しい。ウェーブテーブルを選ぶ赤いバリュー・ダイアルはまるで“2001年宇宙の旅”に登場するHAL9000の目のようなデザインで、硬質でアタックの強いウォルドルフのサウンド・イメージを、プロダクト・デザインとしても見事に視覚的に表現している印象だ。
また、Spectrum/Brilliance/Keytrackといったパラメーターが装備されているため、nw1だけであっても、フィルター・モジュールが不要なほどの音色作りが可能だ。そして、ユーザーがオリジナルのウェーブテーブルを生成することができるのも特筆すべき点だろう。
滑らでキレの良いフィルターvcf1
セオリーどおりに紹介するなら、次はフィルター・モジュールのvcf1だ。アナログ・フィルターで、2系統のオーディオ入力を持ち、ゲイン調整も可能となっている。12dB/octのローパス、バンドパス、ハイパス・フィルターを搭載し、Distortionや最終出口のDriveといったパラメーターで過激な歪みを加えることができるのに加え、ローパス、バンドパス、ハイパスを通したオーディオ信号が独立して取り出せるアウトプットを活用すればさらに柔軟な音作りができる。もちろん、フィルターの自己発振にも対応しており、エンベロープ・ジェネレーターとの組み合わせで強烈なザップ音から、ピュアなサイン波までを生み出すことが可能だ。そして言うまでもなく、カットオフやレゾナンスなどを、外部からCVでコントロールすることができる。
アナログならではの滑らかさとキレの良さ、そして直感的な操作が可能なユーザー・インターフェースは、特にライブ演奏には欠かせない仕様でもある。パラメーターを階層化することもなく、わずか18HPの中にこれだけの機能を配置した職人の技には感服せずにいられない。
柔軟性が魅力のアンプdvca1
次にdvca1を紹介しよう。このモジュールもアナログ回路で構成されている。2基搭載されたアンプにはそれぞれColourというノブが搭載されており、サウンド・キャラクターを変えることができるため、まるでフィルターのような変化を得ることができるユニークなものだ。もちろん操作子は外部からのCVでコントロール可能。また、2基あるアンプからそれぞれ独立して出力することも、またミックスして出力することもできる。アナログならではの音色のきめ細かさは、特にアタックの強いウェーブテーブル・タイプのウォルドルフ・オシレーターと相性が抜群だ。
複雑な変調に対応するmod1
mod1は、モーフィング的にモジュレーション波形を対称〜非対称にコントロールできるSymmetryというパラメーターを備えたLFOが搭載される。もちろんCVによる外部からのコントロールが可能だ。さらに同モジュールのメインはADSRタイプと時間的な変化を付けることができるRise/Curve/Fallというエンベロープ。3つのDecayが搭載されたとても珍しいADSRのエンベロープは、レバーの位置で設定したDecayの長さを瞬時に変えられるため、とてもライブ向きと言えるだろう。一方のRise/Curve/Fallはメイク・ノイズの万能モジュールMathsを彷彿させる挙動を見せる優れたエンベロープだ。両エンベロープともにLoopモードを搭載しており、モジュラー・シンセサイザーならではのより複雑な変調と、時間的な音の変化を楽しむことができる。
効きが抜群のコンプレッサーcmp1
そして最後に紹介するのがコンプレッサーのcmp1だ。純粋なアナログ回路で構成され、素晴らしく効きが良い。スレッショルドの繊細さと振れ幅の激しいハード/ソフト・ニー(スレッショルド部分でのかかり方)、そして鮮やかな効きのアタック/リリースによるグルーブ感を演出するような効果も特筆できる。また、アタックおよびリリースのパラメーターのマニュアル/オートを瞬時に切り替えられるレバー、さらにはサイド・チェイン機能を活用した柔軟なコンプレッション、音量の検知方法を司るRMS/Adapt/Peakという3つのモードを瞬時に切り替えられるレバーなども使い勝手がいい。そして、これらをCVでコントロールできる利便性はまさにモジュラーならではと言えるだろう。CVによる音量コントロールも可能であり、VCAの役割も果たす優秀なコンプレッサーだ。
もちろん、今回紹介した5種類のモジュールは、kb37だけではなく、さまざまなラックへマウントすることにより、無限の音を引き出せる可能性を秘めている。また逆に、他社のモジュールをKb37にマウントすることで、自分だけのオリジナル・シンセサイザーを作る楽しみもまさに無限だ。かつてブックラ博士がタッチ・センサーを付けたブックラ・シンセサイザーを発表した。そして、片やモーグ博士はキーボーディストが誰でもシンセサイザーを演奏に取り入れられるよう、標準鍵盤を搭載したモジュラー・シンセサイザーを発表し、シンセサイザーの敷居を大きく下げた。そんな、シンセサイザーの歴史に思いを馳せてしまうこの製品、ぜひ、ライブでモジュラーを“弾いて”ほしい。(齋藤久師)
パソコンやアプリからボーカロイドがついに飛び出して、ハードウェアへと待望の進化を遂げ、ライブ・パフォーマンスができるようになった。それが、ヤマハから発表された“ボーカロイド・キーボード”VKB-100だ。いったい、どのようにして“ボカロを歌わせる”のだろうか。その機能と特徴を紹介していこう。
操作も使い方もとても簡単。まず、どうやって歌詞をキーボードで演奏するか気になる方も多いと思うが、その方法は以下のとおりだ。
1. スマホやタブレットに専用アプリをインストールし、VKB-100とBluetooth接続。
2. アプリ内で歌詞を打ち込み、Bluetooth経由で歌詞をキーボードに送る。
3. 本体に転送された歌詞をキーボードで演奏する。
転送した歌詞は音程情報を持たないので、その歌詞をキーボードを使って音階にし、演奏するという仕組みだ。
気になるボカロ・シンガーだが、標準で“VY1”の歌声ライブラリーが装備され、専用アプリ上で初音ミクはもちろんのこと、GUMI(Megpoid)、IA -ARIA OF THE PLANETES-、結月ゆかりという、計4種類のシンガーが追加できる。追加シンガーの販売価格はそれぞれ2,400円だが、最初に選ぶ1名は無償で手に入れることができる(選んだシンガーを決定後に変更することはできない)。
本体にはシンガーの設定を20パターン保存でき、さらに各パターンには声質やビブラートなどを調整した歌声を4種類まで保存可能。それらを瞬時に切り替えられるメモリー・スイッチを本体に持つ。歌い方を曲中で切り替えられるので、歌わせ方にバリエーションを持たせられるのだ。
そして気になる演奏感だが、“歌詞を歌わせる”というこれまでにはないシステムであり、とてもユニークな印象だ。キーボードの左横に配置された液晶ディスプレイに、歌詞がカタカナで表示され、その歌詞に合わせてキーボードで演奏していくのだ。歌の旋律は単旋律なので、キーボード演奏の難易度はさほど高くないが、キーを本来の音数よりも多く/または少なく弾き間違えると旋律と歌詞がずれてしまう。言い換えると、音程をミスタッチしてもリカバーは容易だが、鍵盤を多く、または少なく弾いてしまうと歌詞と合った演奏ができくなってしまうのだ。
だがもちろん、ミスタッチした際には歌詞を先に送ったり、戻したりすることで、演奏中に歌詞の頭出し調整が可能になっている。その際はフレーズ・キーと呼ばれるボタンがアームに用意され、歌詞を送ったり、戻したりしながら歌詞の頭出しを行う。操作に慣れてしまえばあのボーカロイドがスムーズにリアルタイム演奏できるのだ。
さらにとても特徴的なのが、好きなフレーズを繰り返し演奏するループ機能だ。ループ・ボタンを押したままにする→キーボードを弾く→ループ・ボタンを離す、という操作で、ループ・ボタンを押していた間に弾いたフレーズ(歌詞)をループで演奏可能。この機能を使えば、演奏が苦手な人でもフレーズごとの練習が繰り返しできる。また、リアルタイムにこの機能を使って、アドリブ演奏をするなど、音楽的な表現に使用するのももちろんアリだ。
歌詞の打ち込みも慣れればすぐにコツがつめるはずだ。ここで、歌詞を打ち込む際のちょっとしたコツを紹介しておこう。歌詞にはワン・ノートで2文字を発音させたい場合がある。その際には“キーオフ発音”コマンドを仕込むことで対応するのだ。アプリのエディターに専用キーが用意されているが、「_」(アンダーバー)を2文字の間に挿入すると、ワン・ノートで2文字を発音してくれるというわけだ。
本体にはエフェクトも内蔵されており、リバーブ、ディストーション、コーラス、トレモロを1つのノブでかけることができる。同時に複数のエフェクトを使うことはできないが、操作がとても簡単なので誰にでも使いこなせるだろう。また、本機はボカロ以外のインストゥルメント機能も搭載しており、13種類のPCM音源を内蔵した48音ポリフォニックのキーボードにもなる。ボーカロイド・キーボードとしてだけではなく、ショルダー・キーボードとして2役をこなせる製品なのだ。音色のエディットはできないがエフェクトやピッチ・ベンドなどの設定ができ、本体には20種類のメモリーセットを保存することができる。鍵盤は37鍵のHQ Mini鍵盤で、標準サイズではないが演奏性は良好だ。
まだまだ紹介しきれない機能はたくさんあるが、まずはこのキーボードを一度触ってもらいたい。既存のキーボードとは違った、ボーカロイドを生演奏するという新しい感覚を楽しめるだろう。このキーボードを使った、今までにない新しいパフォーマンスが生まれそうだ。(江夏正晃[FILTER KYODAI/marimoRECORDS])
本記事は、リットーミュージック刊『キーボード・マガジン 2018年1月号 WINTER』の特集記事を転載したものです。誌面ではパート1、2のレビュー記事でご登場いただいた井上竜馬(SHE'S)、藤原 聡(Official髭男dism)、小川貴之(sumika)へのインタビュー記事も掲載、各人のキーボード選びのポイントも紹介していますので、参考にしてみてください。
本号の巻頭特集(全54P)では、「歌と鍵盤 Playing Keyboards for Songs」と題して、ライブやレコーディングの現場で豊富な経験を持つミュージシャンたちにそれぞれの視点や立場からの"歌と鍵盤"について語っていただき、"歌と鍵盤"の在り方について掘り下げていきます。そのほか、シンセの名機が写真で楽しめる「ビンテージ・シンセサイザー・カレンダー2018」も付録。ぜひ手に取ってチェックしてください!
価格:オープン
価格:¥298,000 (税別)
価格:オープン
価格:¥118,000 (税別)
価格:¥35,000 (税別)