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- 2024/11/16
Fender Custom Shop / Limited Edition Jimmie Vaughan Stratocaster
NAMM2018にてFender Custom Shopより発表されたジミー&スティーヴィー・レイのヴォーン兄弟スペシャル・モデルについて、ジミーがシニア・マスタービルダーであるジョン・クルーズとのやりとりなどの製作背景を語ってくれた。ブルース・ファン必見のスペシャル・インタビューをお楽しみください。
──ストラトキャスターを使い始めたきっかけは?
ジミー・ヴォーン(以下:JV) 最初に買ったストラトは1958年製だったよ。実際購入したのは1966年、1967年頃だ。ズラリと店内に並ぶストラトの中から「どのカラーが欲しいんだ?」と聞かれ、思わず買ってしまった。当時の金額で200ドルくらいだったかな。私が買った58年製のストラトは、サンバーストだった。サンバーストを選んだ理由は、バディ・ガイが使用していて、アルバム・ジャケットに写るストラトに憧れていたからなんだ。彼はいつもサンバーストのストラトを弾いていて、私もバディ・ガイのようになりたいと思っていた。当時私が住んでいたテキサス州ダラスにはストラト・プレイヤーが多くいてね。そして、聴いていたアルバムのギター・プレイにもストラトが多く使われていて、それらのプレイを真似したいという思いも、私がストラトに惹かれた理由のひとつだったりと、実際にいろんな理由が存在しているよ。
──今回シグネチャー・モデル(Limited Edition Jimmie Vaughan Stratocaster)を製作したジョン・クルーズとはどのようなやりとりがなされたのですか?
JV ジョン・クルーズがテキサス州オースティンまでギターを採寸しに来てくれた。スティーヴィーと私のギターを持って行き、ジョンは楽器についた傷のひとつひとつまで細かく採寸と撮影をして、スペック化したんだ。当時は交換用パーツも普及していなかったので、手に入るものであればなんでも修理にあてていた。その結果、さまざまな年代のピックアップがごちゃまぜにマウントされていたので、ジョンはそのひとつひとつを分解し、パーツの特定をするしかなかった。なぜなら、あの当時の私たちにとってギターはまるでレースカーのように毎晩繰り返しただ動く(プレイできる)だけじゃなく、速く走る(ワークする)必要があった。だからそのためにできることなら、何からでも、どこからでも手を尽くしていたからね。
──日本のファンにメッセージをお願いします。
JV 最後に日本を訪れたのはかれこれ10年ほど前のことになるかな。最高な時間を過ごしたよ。また戻ってライブをしたいので、「ジミー・ヴォーンが行きたがっている」とプロモーターに知らせないといけないね。そして、今回の新しいシグネチャー・モデルと、この記事によって、注目が集まり、日本を再び訪れるきっかけになれば嬉しいよ。
アーティスト・モデル生誕30周年を祝した企画として、シニア・マスタービルダー=ジョン・クルーズ謹製による限定モデル、ジミー・ヴォーンの愛用ストラトを再現したニュー・シグネチャーもNAMM2018で発表された大きなトピック。スティーヴィー・レイ・ヴォーン・モデルと併せ「ヴォーン兄弟モデル」として展示されていた。
インタビュー中にもジミーが触れているとおり、ボディに残る傷や各スペックの再現性は折り紙付きで、カスタムCシェイプの5/4フラットソーン1ピース・メイプル・ネックや本器のために特別にコイルをハンドワイヤリングしたCustom Shopピックアップなど、“テキサス・ブルースの伝説”を追体験できるスペシャルなモデルに仕上がっている。なお、本器は世界限定30本の予定で、Fender Custom Shopディーラーのみでの販売となる。