【Fender/NAMM2018】エリック・ジョンソンによるスペシャルなライブをトモ藤田がレポート!
Eric Johnson Signature Stratocaster Thinline
NAMMの会期中は数多くのアーティストがそこら中で、ライブやイベントを行なっていますが、今回、ぼくはフェンダーからシグネチャー・モデルを発表した、エリック・ジョンソンのライブに行ってきました。場所は、NAMM showの会場から歩いてすぐのマリオットというホテル。ホール内に入ると、素敵なFenderのロゴ・サインがステージに飾られていたのが印象的です。会場内はすでに多くのディーラーやメディア、その他フェンダーの関係者で溢れかえっており、ステージから近いテーブルは、すぐに埋まっていました。
ぼくは真っ先にエリックのペダル・ボードの真ん前に陣取り、エリックの機材の写真を撮ったり、会場に3箇所も設置されているバーから赤ワインを頂戴したりしているうちに、フェンダーCEOのアンディ・ムーニーさんが会場に詰めかけた来場者に向けてスピーチを開始。そのスピーチが終わると、いよいよエリックがステージに登場。ギターはもちろん、今回のNAMMで発表された、エリック・ジョンソン・シグネチャー・ストラトキャスター・シンラインです。クリーン・トーンはブライトで驚くほど抜けがいいんです。一方でセミ・ホローのせいか、音は甘くウォームな印象も。
そして、いよいよショーが開始すると、いつものように、フェンダー・アンプのクリーンから、クランチの効いた歪み系エフェクト・スイッチ・コントロールを、とても60歳を超えているとは思えない脚さばきで切り替えて、矢継ぎ早にフレーズをつないでいくプレイは、本当に“素晴らしい”の一言! クリーン・トーンのコード・ボイシングは、ハーモニーがオープンのトライアドで、これは音の流れがクラシックのように美しいんですよね。またボーカルの曲では、クリーン・トーンでリズム・ギターを弾くのですが、そのパートがかなり難しい。ボーカル・メロデイのリズムとまったく違うリズムでギターを弾くんです! さらに、クランチの効いた歪みトーンのアンプをスイッチングしたり、2種類のタイプの違う歪み系エフェクトを多彩に使ったり、本当に巧みでした。ソロの時には、リア・ピックアップをセレクトし、ギターのトーンを少し絞ったウォームながらも抜けの良いサウンドに加えて、今回のシグネチャーの最大の特徴である、セミ・ホロー・ボディの鳴りの良さが、さらにエリックの超絶とも言える演奏をスムーズにしているように感じました。また、ステージを通して、フィードバックをとても自然にコントロールされていたのが素敵でした。
エリックのファンはいっぱいいると思いますが、今回のNAMMで、エリックにインタビューをしたり、いろんなギターや音楽のお話をさせてもらったりする中で、温厚なエリック本人の性格、そしてその繊細で深い味わいのあるギターのファンになりました。そして、ぼくもエリックのように、ギターを長く楽しく、またさらに深く追求したいと思いました。
今回エリックも、フェンダーで新たにセミ・ホローのストラトキャスターを完成させて、高価なビンテージのストラトでなくても自分の理想の音が出せること、そして何より、エリック自身がこのギターでの演奏をとても楽しんでいるという印象を強く受けました。皆さんも機会があったら、エリックの新しいシグネチャー・モデルを、ぜひ弾いてみてください。
Eric Johnson Signature Stratocaster Thinline(Vintage White)
Eric Johnson Signature Stratocaster Thinline(2-Color Sunburst)