AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
Fender / NAMM show 2018 New Model
──American Originalのカラーについては、どのように決めたのでしょうか?
多くの歴史的資料を参照しながら、歴史的な正確性を重視しながら、カラーを選定していきました。最も人気のあったカラーだけでなく、しばらくの期間、製品ラインから消えてしまっていたカラーを再投入することで、新鮮さを出してみました。
──基盤となる年代についてはどのように決めたのですか?
American Vintageシリーズユーザーから多くのフィードバックをもらい、彼らの意見を尊重しながら、シリーズラインナップを再構築していったのです。American Originalシリーズでまず私が成し得たかったのは、製品を特定の年のスペックをフィーチャーするという極めて限定的な束縛から解放し、その年代を通して最も人気のあったスペックを中心に、いわば『グレイテストヒッツ』なパッケージを作り上げることでした。例えば、50’s Stratocasterは’56年のネックシェイプに、’59年スタイルのピックアップを採用しています。
──前回のVintageシリーズと使っている木材やパーツ、製造工程は同じでしょうか? 直近のAmerican Vintageシリーズと比較しても価格が抑えられている理由はなんでしょう?
ほとんどのパーツは同じです。ただ前述の通り、すべてのモデルにから「特定の年のスペック」を排除したことで、膨大な種類の製造工程もある程度簡略化することができ、コストを下げることに成功しています。
──ORIGINALはELITEやPROFESSIONALのような分かりやすい新開発の機能などはないかと思いますが、プレイヤーにとって一番の魅力となるのはどんなところでしょうか?
答えは非常にシンプルです。「ヴィンテージなトーンとスタイリングと、モダンなプレイヤビリティの融合」です。実は、Fender Custom Shop でオーダーするほとんどの人が、指板を平たくし、高めのフレットへのスペック変更を希望することで、プレイヤビリティの改善を求めていたのです。50年代を思い出してみてください。ギタリストにとって標準は1弦が.012であり、3弦は巻き弦を使い、ベンディングなどの奏法はあまり行われていませんでした。今日ではプレイヤーの弦の好みもプレイスタイルも変わり、音楽自体が変わってきているのです。
──70sのラインナップはJbassだけですが、今後ギターなど増やす予定はありますか?
American Originalはまだ始まったばかりです!今後も皆様の声に耳を傾けながら、様々な種類の製品を追加していきたいと考えています。
──本モデルはどのような方におすすめでしょう?
ギターのフィーチャーとトーンの真価が分かる人におすすめのシリーズです。オリジナルでオーセンティックでありながら、モダンプレイヤビリティの楽しみを理解する、すべてのフェンダーファンに弾いてもらいたいと思います。
──Parallel Universeは、どのようなコンセプトから企画が誕生したのでしょうか?
SF文学で、小さな変化が未来に甚大な影響を与える「パラレルワールド」のコンセプトから来ています。フェンダー製品の大きな特徴のひとつは、モジュラー仕様であり、パーツの組み換えが容易にできるというところです。60年代中〜後期のCBS時代に一時似たような試みが行われていた時期があり、そこからもインスピレーションを得ています。
──こうした試みはフェンダーにとってどのような意味や価値をもたらすのでしょうか?
コレクターアイテムであると同時に、音楽のツールとして実用的である製品を目指しました。また、私たちは楽器作りに対していつも真剣ですが、遊び心を忘れない程度に真剣であり、楽器というプラットフォームの可能性を常に探っていることが伝われば嬉しいです。
──開発にあたって没になったアイディアなどはありましたか?
もちろん、採用されなかったアイディアは山ほどあります。製品化された数の倍はあるでしょう。エンジニアTim Shawの言葉を借りるならば 「物理学的にあり得ない」ものや、私たちが望むような、楽器としての役目を果たせそうにないものは採用しませんでした。
──開発にあたって面白いエピソードがあれば教えてください。
Meteoraというモデルは、R&Dチーム内で5年にわたり持ち上がっては不採用になり、持ち上がっては不採用になり、を繰り返してきたものです。今回、ブラックガードと、70年代スタイルのブロックインレイの採用により、全スタッフが満足する内容となりました。
──本モデルはどのような方におすすめでしょう?
コレクターの方や、ユニークな製品を弾きたいと考えているプレイヤーのみなさまにおすすめです。
──「Eric Johnson Signature Thinline」の企画は、どのようにして生まれたのでしょうか?
エリックとは2003年から打ち合わせを重ねてきています。彼のトーンに対する真剣さは周知の通りで、非常に貴重な意見を多くもらいまいた。ストラトとセミホローのギターを良く使用することで知られているエリックですので、今回、ストラトをセミホロー仕様にしたのです。
──以前作られたEric Johnsonシグネイチャーと比べて今回この仕様になった背景には本人の求めるサウンドへの変化があったように見受けられますが、それはどのようなものだったと思われますか?
ボディが奏でるトーンに対する考えが大きく変化したと思います。またそれを具現化することは、私たちにとっても非常にチャレンジングでした。アッシュトップ/アッシュボディ、アッシュトップ/アルダーボディなど、実に多くのトーンウッドのコンビネーションを試し、彼の望むトーンへと絞り込んでいきました。
──セミホローボディのストラトキャスターはこれまでに無かったそうですが、どのような点が難しかったのでしょうか?
セミホローストラトは以前も製作したことはあるのですが、今回のように、コンター加工を施したものはありませんでした。ストラトの形状を維持しながら、セミホローにし、バランス良くFホールを開口、さらにコンターやカッタウェイなどの加工を実現するのは、実に難易度の高い工程でした。
──Eric Johnsonから要求されたことで一番こだわったところはどんなところでしょうか。
ひとつの特定なこだわり、というよりは、製品化に至るすべての工程に関わることに、エリックはもっともこだわっていました。彼のトーンに対するあらゆる集中力と、情熱が詰め込まれた製品だと思います。
──今年はジャズマスターが生まれて60周年ですが、この60年でジャズマスター・プレイヤーはどのように変化しましたか?
ジャズマスターは常に、クリエイティブなアーティストに敬愛され続けてきた名機です。本来はジャズプレイヤー向けに開発されたものだったのですが、サーフミュージックからニューウェーブ、グランジ、オルタナティブといった刺激的なジャンルにおいて、60年間、独自の地位を確立してきました。
──今回のジャズマスターは何か特別なテーマ、特徴がありますか?
1958 Jazzmasterは一番最初の紙広告に掲載されたものを製品化したものです。当時製品化されたジャズマスターと、広告に掲載された製品では、実は何点かスペックが異なっているのです。オリジナル広告モデルはアッシュボディにテレキャスターノブなどの特徴があり、今まで製品としては存在しなかったスペックなんです。
──ジャズマスターはストラトやテレのような定番という感じはありませんが、確実に市場に根付いています。愛される理由はなんだと思いますか?
ジャズマスターのユニークな独自のサウンド、ルックスのクールさが、それらを求めるアティチュードに溢れるプレイヤーの心の琴線に触れたのだと思います。
──下半期もジャズマスターの60周年記念モデルを発売する予定ですか?
2018年内に、他にも何種類か発表する予定です。楽しみにしていてください!
──何か記念の取り組みを予定しているのでしょうか?
まだ発表はできませんが、スペシャルな予定はいくつかあります。こちらも楽しみにしていてくださいね!