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- 2024/11/16
Fender/American Original Jazz Bass
NAMM Show 2018にて発表されたアメリカン・オリジナル・シリーズ。ここでは、アメリカン・オリジナルのジャズ・ベースに焦点を当て、プロダクト・スペシャリストのスティーヴ・ペッパー氏に、同モデルのポイントを聞いた。
──'60s Jazz Bassに搭載されているPure Vintage ’64 Jazz Bassシングルコイル・ピックアップと、70s Jazz Bassに搭載されているPure Vintage ‘75 Jazz Bassシングルコイル・ピックアップには、どんなサウンドの違いがあるか教えてください。
’64 Jazz Bassシングルコイルはスムーズでウォームなトーン、’75 Jazz Bassシングルコイルはより迫力のあるトーンが特徴です。当時の音楽シーンのサウンドを反映したサウンド設計になっていると言えるでしょう。’75 Jazz Bassはファンク・ミュージックなどの音楽が台頭してきた時代の製品ですので、そのような音楽でも埋もれない、エッジのあるサウンドを提供します。もちろんマグネットやボビンの種類の違いなどによるサウンドの違いはあるものの、これら2モデルのサウンドの一番の違いは、ピックアップのマウント・ポジションが異なるポイントです。'70s Jazz Bassのリア・ピックアップは、よりブリッジに寄せて配置されているのです。
──ローズウッド指板の'60s Jazz Bassはラウンド貼りを採用しています。62年以前のスラブ貼りを好むファンも多いですが、どうしてラウンド貼りを採用したのでしょうか?
フェンダーの歴史を振り返ると、実はラウンド貼り指板のほうがフェンダーとしては定番の仕様です。スラブ張りは1958年〜1962年の期間に採用されていた仕様で、その後は80年代に入ってからリイシュー仕様として登場します。そのため、ラウンド貼り指板の方が、60年代を象徴する仕様としては、ビンテージに忠実だと言えるのです。
──70年代のジャズ・ベースは非常に重いアッシュ材が使われた時期がありましたが、American Original ‘70s Jazz Bassには、どんな特性のアッシュ材を使っていますか?
70年代ジャズ・ベースに重いアッシュ材が使われていたのは、純粋に、重みのあるノーザン・アッシュのほうが、軽いスワンプ・アッシュよりも入手しやすかったからです。現在の生産ラインでは、特にノーザン・アッシュ/スワンプ・アッシュの区別は付けずに、総じて、「アッシュ材」として使用しています。楽器として実用的な重量であることが重要であると考えた結果です。